"鬼平外伝 正月四日の客 "
先日、BSフジで放映していた
『鬼平外伝 正月四日の客』を観ました。
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寛政三年正月四日。
本所・枕橋に〈さなだや〉という名の小さな蕎麦屋があった。
この店では、主の
「庄兵衛」の定めた慣わしで、正月四日には毎年、信州の〈さなだ蕎麦〉だけを客に出していた。
ねずみ大根の汁を合わせたこの蕎麦は舌が曲がるほどに辛く、それを知る客は誰も足を踏み入れようとしなかった。
しかし、偶然店を訪れたひとりの男がいた。大店(おおだな)の主人風のその男は、誰もが敬遠するその味を懐かしみ、次々と蕎麦を平らげた。
そして、正月四日にしか味わえないことを知ると、
「来年また来る」とだけ告げて去っていった。
翌年も、その次の年も男は現れた。
男との不思議な交流が何年も続いていくうちに、
「庄兵衛」は正月四日の客に親愛の情を抱きはじめていた。
そんなある日、
「庄兵衛」は店を訪れた御用聞きの
「清蔵」から、火付盗賊改方が長年追っている腕に刺青のある盗賊の話を聞き、一抹の疑念が胸をよぎる――。
そして迎えた寛政七年正月四日。
「庄兵衛」はある決意を胸に、正月四日の客を待っていた――。
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『鬼平犯科帳』の番外編らしく、
「長谷川平蔵」が登場しない作品でしたね、、、
「松平健」が
「平蔵」と思い込んでいたので、途中から、違和感や疑問を感じながら観た感じ… 先入観はいけませんね。
本所・枕橋にある小さな蕎麦屋
「さなだや」は、亭主のうつ蕎麦と、女房の
「おこう」の客あしらいのうまさで客を呼んでいた… この店は、亭主の決めた習わしで正月四日には
「さなだ蕎麦」だけを出していた、、、
すりおろしたねずみ大根の汁を蕎麦つゆに入れて食べるのが
「さなだ蕎麦」だった… 亭主が育った信州の地元では冬のこの時期にはよく食べられているというが、ねずみ大根のあまりの辛さに常連客は閉口し、正月四日に
「さなだや」を訪ねる客はもう何年もいなかった。
ある年の正月四日、外では小雪が舞うなか、大店の主人風の恰幅のよい男が現れた… その客は
「さなだ蕎麦」を懐かし気に食べ、何度もお変わりをして、正月四日にしか食べられないと知ると、来年また来るという、、、
若い頃に信州に関わりがあったという客は、それから毎年、正月四日にだけ現れ、
「さなだ蕎麦」をおいしそうに食べていった… 男は口数少なく、亭主に微笑んだ眼であいさつし、
「さなだ蕎麦を」と食べていく。
そんな男が来るのを亭主は心待ちするようになっていた… ある年の秋、
「おこう」が病であっという間に亡くなった、、、
気落ちした亭主は店じまいも考えたが、常連客から励まされ、なんとか店を続けることにした… 正月に現れた男は、
「おこう」の位牌に線香をあげていった。
ある寒い日、亭主は
「亀の小五朗」という大泥棒の話を耳にする… 岡っ引きの
「清蔵」によると、
「小五朗」は腕に亀の小さな入れ墨を入れているのだとか、、、
亭主はどきりとした… 男が位牌に線香をあげてくれた時、その右腕に入れ墨があるのを眼にしていたーーー。
蕎麦がホントに美味しそうで… 久しぶりに食べたくなりました。
-----staff/cast-------------
原作:池波正太郎
「正月四日の客」(角川文庫『にっぽん怪盗伝』所収)
脚本:金子成人
監督:井上昭
音楽:遠藤浩二
プロデューサー:宮川朋之、小川英洋(時代劇専門チャンネル)、佐生哲雄、足立弘平(松竹)
制作:日本映画衛星放送株式会社/松竹株式会社
キャスト:
亀の小五郎:松平健
庄兵衛:柄本明
おこう:市毛良枝
砂前の甚七:上杉祥三
寅:中西良太
市太郎:本田大輔
しの:海老瀬はな
お新:田中綾子
清蔵:益岡徹
高山:中村梅雀(友情出演)
井原新十郎:山田純大
鮫島久兵衛:平泉成

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