2010/8/25
南大隅町佐多伊座敷に、薩摩藩主、島津重豪が経営に努めた「薬樹園」がある。最初に植え付けられたのが、今から323年前(貞享4年)とのことである。
薩摩藩の経営の収入源として、薬の原材料育成に力を入れており、フイリピン、タイ、インドネシア、台湾、沖縄等から樹木の苗を取り寄せて育成している。
種類は、リョウガン、レイシ、ゴレンジ、マンゴウ、マカダミヤ、フトモモ、ダイダイ、アメテツ、オオバゴムノキ等の樹木が現在も生きている。
薩摩藩主、島津重豪の構想がそのまま拡大発展していたら、現在の鹿児島県は薬の生産量世界一となつていたかも知れない。薬の分野は非常に高度な知識と研究開発を必要とするだけに、どこでも、誰でも、簡単に真似することは困難である。
事業は開始よりも、継続発展させることが、いかに難しいか、世の中の栄華盛衰を見れば一目瞭然である。薩摩藩は政治的には日本全体の一大改革を成し遂げたが、経済的には日本の基幹産業を育成継続するまでには至らなかった。


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