週刊少年サンデー(48)BEST5・・・と言いたいが、今回は一位候補が五作品もあり、いよいよになっても、一つに絞り込めなかった
第一位:古見さんは、コミュ症です。 オダトモヒト
多分、私だけじゃないと思うんだが、万場木さんの笑顔は見ていて、かなり辛い
『第九の波濤』の湊も、かなり、無理している、しかも、自覚なし、が万場木ちゃんも負けちゃいない。コミュニケショーン能力が基本的に低くない人間ってのは、ホントに辛い時、その感情を、周りに気を遣って、隠す傾向があるのだろうか
とは言え、万場木ちゃんが、何か無理している、と気付かない只野くんと古見さんではない訳で
友達に心配かけたくない、その努力は笑わないよ。ただ、その隠す選択が、友達を余計に傷つける事に気付けない万場木ちゃんは、まだまだ、若いんだなぁ
一人になった事で、泣くのを我慢できなくなってしまった万場木さんの元へ駆け付けたのは、誰でもない、彼女の親友、古見さん。果たして、古見さんは親友に、何と言葉をかける? そして、万場木さんは、その言葉に背中を押され、どんな行動を起こす?
同位:ポンコツちゃん検証中 福地翼
夢咲さんが、乗り移りの能力を使用したとは知らず、彼女が自分の親友に寄りかかっている姿を見て、少なからず、動揺してしまう水戸くん
自分が動揺している理由が解らぬ水戸くんは、つい、夢咲さんに対し、当たりの強い態度で接してしまう。呆れはするが、若いなぁ、とも思える
そんな水戸くんの言動に、夢咲さんは、彼に愛想を尽かされたと誤解し、傷付いてしまう
これでいいんだ、と自分を納得させようとする水戸くん。けど、納得させられるはずがないよな。だって、君は自覚していないだけで、夢咲さんが、本当に大好きなんだから。夢咲さんと一緒にいたい、その気持ちだけで体が動く彼の若さは羨ましいよ
ともあれ、二人の仲は、ほんのちょっとだけ進展した。認めるのは、ちょっと癪ではあるけど、杏子ちゃんのおかげかねぇ
同位:君は008 松江名俊
結論から言っちゃうと、エイトが、この中間考査で貫いてきた甘さは、決して、無駄じゃなかった
シックマンの圧倒的な強さの前に、連戦の疲労がピークであるエイトは為す術もなく、落下寸前まで追い込まれてしまう
元より、アイスマン先生にしか関心がないのと、エイトに関わると、ロクな目に遭わない、と学習しているのか、シックマンは、その場から去ってくれたが、エイトのピンチは変わらない。しかも、コインと聖、どちらしか助けられない、と言う究極の選択まで強いられてしまう
コインを全て失えば、これまで築いてきた友情は消されてしまう。けれど、自分を勝手に逆恨みしているとは言え、聖も見殺しに出来ない。エイトは悩む。だが、躊躇わず、聖を助ける方を選んでくれた
いつでも、自分より誰かの為に動ける男の努力が報われないなんて、あっちゃいけない。もう一度だけ言おう、エイトの甘さは強さだ
同位:双亡亭壊すべし 藤田和日郎
常に、現実的な判断を下せるだけの精神力を鍛えているアウグストも、このタイミングで、敵に取り込まれた娘が目の前に出て来たら、動揺くらいはしちまうようだ
改めて言う事でもないだろうが、ほんと、藤田先生は、読み手をドキドキさせる、これしかないな、と思わせる対戦カードを組んでくれる。読み手に、残酷すぎじゃないか、と思われるのも承知で、ストーリーの厚みを優先できるんだろう
泥努に強化されているナンシーとグラハムに、苦戦を強いられてしまうアウグストたち
一気に終わらせるのではなく、じわじわとアウグストをいたぶるナンシーとグラハム。ただ、言っている事はご立派だけど、ぶっちゃけ、情けないよな、コイツラ。自分達の頭の良さを誇っているようだけど、「その先」を目指す努力を全くしていなかったのが、明らかだ
地獄行きになるのも承知で、線を踏み越えて前進する覚悟を持つアウグストは、そんな二人に、絶体絶命でありながら、怒りを爆ぜさせる。結構、嫌いじゃないなぁ、この人
同位:第九の波濤 草場道輝
草場先生、私を泣かせて、どうするつもりですか
友が死んでも、生きている人間の時間は止まってくれず、動き続けるしかない
生きている人は、耐える、忘れる、受け入れる、などの行動で自分の気持ちを守らなければ、心が少しずつ、軋んでいき、しまいには割れてしまう
見た目は、元通りになっているように見えても、実際には、不調が出始めている湊を目の当たりにするのは辛いなぁ
悪人が苦しめられている様、何の罪もない美少女が追い詰められている様、それぞれにゾクゾクし、愉悦の笑みが浮かんじゃう私だって、親友の死に苦しめられている男の泣けない現状に、ニヤニヤできるほど、根性は腐り切っちゃいない
今日の食事
朝食
トースト(イチゴジャム)、レモンティー
昼食
ぶっかけうどん(お揚げ、野菜の掻き揚げ、海鮮掻き揚げ、豚しゃぶ)、烏龍茶
夕食
カレーライス、ソーセージ、ベーコン、サツマイモの塩煮、烏龍茶
今日、読んだ本
私だけじゃなく、他の人も感じる事があるでしょう、幸せ過ぎて怖い、と
そう感じる事は人それぞれですが、私にとっては、良い漫画に出逢えた時
そうです、この『金剛寺さんは面倒臭い』が該当します
今、私は幸せです、マヂに
世の中、楽しい事や、面白い事ばかりじゃないのは、私も、これまで、色々とあったので、身に染みてます
なので、死にたい、と思っている人に、「生きろ」、「君が死ねば、誰かが悲しむ」、「生きてれば、これから、きっと良い事がある」なんて、安っぽい励ましは出来ませんし、したくもありません
ぶっちゃけた話、死ぬなら相手を社会的に追い詰めるような置き土産を残せ、そんで、無関係の人間に迷惑をかけない方法で死ね、と追い打ちをかけるタイプなんですよ
まぁ、幸い、そんな事態に陥った事は、これまで、一回もない訳ですが
もしも、今後、そのような状況になったなら、きっと、私はその人を止めず、自己判断に任せるでしょう
しかし、言葉はかけませんが、自分が大好きな漫画はお勧めします
その中の一冊に、私は間違いなく、この『金剛寺さんは面倒臭い』を入れます
好きな人が出来れば、美しい世界は、もっと美しくなる、そう教えてくれた、この漫画なら、苦しい人をきっと救ってくれる、と信じられるので
この『金剛寺さんは面倒臭い』を読んでも、心に響かない、となったら、もう、私にはお手上げです
まぁ、そんなの有り得ないですけどねぇ
言うまでもありませんが、この(4)も凄いです
どう凄いのか、これが説明できないトコが、冗談抜きに凄いんです
素人感覚かも知れないんですが、ここまで凄いと、逆に、マンガ関連の賞で一位を取るのが難しいんじゃないでしょうか
自分で言うのもアレなんですけど、私みたいに、捻くれている人間ほど強烈に響くタイプの、先の先を驀進してるラブコメですから
まぁ、一位を取れないから、と言って、この作品の質が下がる訳じゃありません
とよ田先生も、その辺りを気にして、描いちゃいないでしょう
とよ田先生の中にいる、漫画家って名前の怪物は、藤田和日郎先生や羽海野チカ先生にも劣らないほどの強さを持っています
私も『呪術廻戦』や『鬼滅の刃』、『七つの大罪』、『EDENS ZERO』、『古見さんはコミュ症です。』に『君は008』などを読んで、漫画読みとして、それなりに成長し、打たれ強くなった、と自負していました
しかし、それは大きな勘違いだった、と思い知らされます、この(4)を読んで
この『金剛寺さんは面倒臭い』(1)〜(3)を読んで培った、とよ田先生イズムへの耐性は、まるで役に立たないと思ってください、まだ読んでいない皆さんは
愛は偉大、安っぽく聞こえる言葉が、この作品を読むと、不滅の真理だ、と心で理解できるんじゃないでしょうか
あと100年くらいは生きて、グッと来る良い漫画を読み続けたい私ですが、仮に、この『金剛寺さんは面倒臭い』(4)を読み終わった直後に、いきなり、心臓が止まって、呆気なく死んでしまっても、この世の未練は、読まなかった時よりも少ないだろうな、と思うほどです
けど、やっぱり、完結巻を読むまでは死ねません
まぁ、多分、ラストに感動して、涙を流した後も、とよ田先生の最新作を読むまでは、死んでる場合じゃない、殺されてる場合じゃない、と言ってそうですが、私の場合
生きる理由、死ねない理由が、漫画ってのは、他人からしたらバカらしいかも知れませんけど、この『金剛寺さんは面倒臭い』を読んで、愛の強さを知っている私に、一切の恥ずかしさはありません
恥ずかしい話、どの話でも、ポケットティッシュ一つが空になったので、最も良いモノが決められません
なので、皆さんの中で、ひっそりと一位を決めて下さい、とお茶を濁させていただきます
インパクトがあった、とよ田先生の手練に驚かされた、と言う意味では、やはり、第19話「多世界解釈」はぶっちぎりのように思えます
あとがきによれば、雑誌連載時は、ゲッサンの編集長さんが、かなり苦心したようです
とよ田先生から、既にお礼を言われていると思いますが、私にも「ありがとうございます」と言わせてください
未来は一つじゃない、ちょっとした行動一つで変化する、これもまた、薄っぺらい考え方、と思う方もいるでしょう。けど、やはり、この作品を読むと、本当だ、と思えるはずです
もっとも、どの分岐点に入っても、ハッピーエンドが待っていてくれるのは、金剛寺さんや樺山くんらの行いが、日頃から良いからに他なりません
幸福に自分の足で辿り着けるのは、努力を怠らない人だけです
なので、私も、小説家デビューを諦めず、コツコツと頑張っていきます
この台詞を引用に選んだのは、金剛寺さんの樺山くんへの愛が美しい、と感じたからです
肯定、許容、受諾、言い方は色々とあるでしょうが、好きな人の良い所も、本人が嫌っている所も受け入れる事が出来る強さ、それこそが、本当の愛なのではないか、と考えられます
もちろん、本当の愛とは、これじゃない、と言える人もいるでしょう
その人の意見は否定しません。なので、皆さんも、金剛寺さんの樺山くんへの面倒臭い愛を否定しないでください
本当に、これ以上ないくらいのハッピーエンドに辿り着いて欲しいカップルです
「言ったろう、構わないよ。たとえ、君に切り裂かれたとしても、私は構わない。去年の合宿で、『人間は好きだ』と言ったのを覚えているか。あの概念は、君と付き合い出してから、獲得したものだ。いや、ずっと思っていたのかもしれない。だが、君のお陰で気付けた。私の鎧の中は、カラではないことを。”何か”があるのだ。君が、私を肯定してくれたから、それに気付けた。だから、私も、君の全てを肯定するよ」(by金剛寺さん)

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