黒犬の小屋

僕は心臓を潰されようとも、君が深窓の王女様だとしても、絶対に繋いだ手を離さないよ、約束する
だって髪の毛よりも細いのに、鋼よりも硬く、ゴムより伸びる、『絆』って別の名を持つ真っ赤な糸が僕と君の小指の間に結ばれているんだから
君がどこへ連れ去られても、きっとこの『絆』を辿って、君を迎えに行こう

弱い私にはどうあっても通したい『我』がある
だから、私の道を阻む存在は決して許さない
弱い私は血塗られた刃を振るって、自分も誰かも滅茶苦茶に傷つけるしかない
まだ弱い私はそれでしか『我』を通せない
だから、私と同じで弱い君が力で私を排除しようとしても怨めないね
さぁ、弱い者同士、徹底的にぶつかり合おうじゃないか

だけど、貴方は私にそれを禁じましたね
「僕の死なんかに縛られてはいけない」と
「君はもう自由に生きて良いんだ」と
なればこそ、私は貴方が敷いた道を歩きたい
いつか、貴方に追いつける事を心に信じて

じじぃ、ばばぁを指差して笑うことなかれ
じじぃ、ばばぁの世話を嫌がることなかれ
俺も、君も、あんたもいずれはじじぃ、ばばぁになるんだから

だけど、君の寝顔を見れるのが俺だけの特権だと思えば寂しさなんて一発で吹っ飛ぶけどな
まぁ、寝顔を観察していた事がバレれば、俺は君に吹っ飛ばされるんだが