理外の理
【意味】
世間一般の道理では理解しがたい、不思議な道理の事。
【用例】
受験勉強に付き合ってた手前、俺が言うのも何だが、まさか、チャイナ娘の奴、本当に一発合格するとはなぁ、
理外の理ってのもあるんだな。まぁ、総悟が警察学校に合格しちまったのも似たようなもんか。絶対ぇ、面接で落とされると思ったんだが(土方)
李下に冠を正さず
【意味】
他人から疑われるような、紛らわしい行為をしてはならない、と言う事。
【用例】
旦那、毎度毎度、助っ人を頼んでる側なんで、あんまキツい事は言いたかありやせんが、
李下に冠を正さずって知らないんですかい? ヤバい息のかかってる店で働いてる家出少女を説得する為たぁ言え、毎晩、こそこそ足音も気配も殺して出かけりゃ、姐さんに怪しまれちまうのは予想できるでしょうに。さすがに、今回は旦那にゃ非がないんで庇いましたが、次からは自力でどうにかしてくだせぇよ? 俺だって、まだまだ食べ盛り育ち盛りの子供が二人もいる身なんですから(沖田)
理屈と膏薬はどこへでもつく
【意味】
どんな事にも、理屈をつけようとすれば、もっともらしい理屈はつけてしまえる、と言う事。
【用例】
まったく、
理屈と膏薬はどこへでもつくとはよく言ったもんだよ、まったく。銀時の奴は、金が無くて家賃を払えない時と後ろめたい仕事の時だけ、頭と舌をフル活用するんだから。ホント、頭蓋骨を叩き割って、脳味噌の代わりに八丁味噌でも詰め込んでやりたいよ・・・・・・妙が泣けば自分だって辛いって判ってるだろうに(お登勢)
律義者の子沢山
【意味】
真面目な者は女遊びなどせず、夫婦仲が睦まじく、多くの子供に恵まれる、と言う事。
【用例】
律義者の子沢山と言うくらいだからな、トシと九兵衛さんは野球チームは無理にしても、バスケットチームが作れるくらいの子宝に恵まれそうだ(近藤)
立錐(りっすい)の地無し
【意味】
少しの隙間もなく、ギッシリ詰まっている事。
【用例】
沖田の本棚は銀ちゃんのと違って、巻数はちゃんと並んでるし、出版社と作者ごとで分けられてて、
立錐の地無しアル。やっぱ、性格が出るネ(神楽)
理詰めより重詰め
【意味】
理屈や道理で相手をやり込めようとするよりも、よくよく理解できるように柔軟に説得する方が効果的である、と言う事。
【用例】
しっかし、沖田のヤロー、よくプッツンせずに、
理詰めより重詰めでチャイナ娘に勉強を教えられるな。俺だったら今頃、「こんな簡単な問題も解けないのか!?」って、頬を引っ張ったいて奥歯を割っちまってんぞ・・・よほど、チャイナにゾッコンなんだな。何つーか、ダチのあんな緩んだ面を見るのは複雑な気分だわ(高杉)
理に勝って非に落ちる
【意味】
正しい道理を主張して相手に勝ったとしても、実際には不利な結果になる事。
【用例】
伊東の奴はなぁ、頭がガッチガッチすぎるんだよ、悪い意味で。だもんで、
理に勝って非に落ちちまう事を気付けない。土方とは違った意味で、頭に血が上りやすいんだよ。ある意味、社会に出て、一番に苦労するタイプかもな、アイツは。もうちっと、馬鹿をやってもイイと思うんだけどな(銀八)
柳暗花明(りゅうあんかめい)
【意味】
春のうららかな景色の事。
【用例】
総楽、神悟、母さんも帰って来る事ですし、明日は学校を休んで、
柳暗花明でも拝みに行きやしょうか(沖田)
溜飲が下がる
【意味】
鬱積していた不平不満が消え、清々とした気分になる事。
【用例】
よっぽど、我慢してたんだな、チャイナの奴。就業体験の最終日に、セクハラ店長の顎を膝蹴りで割ってきて、
溜飲が下がったみたいでニコニコしてたぞ。沖田の奴が裏に手を回してくれなかったら、退学に追い込まれてたって解ってないな、ありゃ(高杉)
柳営(りゅうえい)
【意味】
将軍の陣営の事。また、幕府の事。
【用例】
今や、
柳営の土台はガタガタ、攻めるタイミングは今しかあるまい!!(桂)
流言蜚語(りゅうげんひご)
【意味】
誰言うとなく世間に広まっていく、根も葉もない噂の事。
【用例】
お通ちゃんが結婚するなんて
流言蜚語に決まってますよって、新八の奴、笑ってたよ。強がりかと思ったけど、口の端は震えてなかったし、涙目でもなかった。魂の髄までお通に捧げてるアイツが微塵も動揺してないって事は、ただの噂だな(土方)
竜虎相打つ
【意味】
極めて、強い者同士が激しく争う事。
【用例】
銀さんがついに姉上と結婚する事が決まり、戦うべき時は今だと決めたのか、土方さんは銀さんに挑戦状を送って来た。意外にも、銀さんはいつものようにフザけたりせず、土方さんに希望日時を書いた挑戦状を送り返した・・・・・・そして、明日の正午、近藤さんとも戦ったあの河原で、沖田さんと神楽ちゃんを審判にして、
竜虎相打つ運びとなった。銀さんは肚ももう据わりきっているのか、縁側でいつもと変わらない面持ちで煙草を蒸かしている。姉上に止めないかと聞いてみたが、苦笑い気味に「やらしてあげましょ」と言われてしまった(新八)
竜頭蛇尾(りゅうとうだび)
【意味】
初めは勢いが盛んでありながら、終わりが奮わない事。
【用例】
チャイナ、お前の絵はどうにも
竜頭蛇尾だな。デッサンの時は力強かったのに、色を塗り出したら途端に色褪せちまった・・・いっそ、水墨画にしたらどうだ(高杉)
柳眉を逆立てる
【意味】
美人が眉を吊り上げて怒っている事。
【用例】
総悟と一緒に巡回している途中、往来で擦れ違った九兵衛さんが
柳眉を逆立てていたものだから、喫茶店で事情を聞いてみたら、やっぱりトシ絡みだった。なんでも、今度の月曜日、トシが非番の日に水族館に行く約束をしていたのだが、敏木斎先生に頼まれて隣国に手紙を届けないといけなくなったらしい。なので、トシに行けなくなった事を詫びたら、途端に不機嫌となって、流れで喧嘩になってしまったらしい。九兵衛さんは確かに約束を破ってしまう僕が悪いのだけど、あんなに不貞腐れるなんて男らしくないと、更に怒りを募らせていた。総悟は苦笑いを漏らして、「しょうのない人ですねぃ」と肩を揺らしていた。さて、どう仲直りをさせたものかな(近藤)
粒粒辛苦(りゅうりゅうしんく)
【意味】
コツコツと苦労を積み重ねる事。並々ならぬ苦労をする事。
【用例】
社会的弱者ばっかりを狙うバカガキどもが・・・・・・
粒粒辛苦で生きてきたオッサン達の恐さを、そのたるんだ体に刻み込んでやる、心が壊れるまで消えないようにな(長谷川)
流連荒亡(りゅうれんこうぼう)
【意味】
遊びふけって心身が荒んだ生活を送り、家に帰るのも忘れて、ついには身を滅ぼす事。
【用例】
さすがの銀さんも
流連荒亡は嫌なのか、昔みたいに朝帰りはしなくなったらしいですけどね(新八)
凌雲(りょううん)の志
【意味】
俗世間を超越しようとする気持ちの事。また、立身出世しようとする気持ちの事。
【用例】
え? 坂田先生のイイ所はどこなのかって? 急に答えにくい質問を投げてこないでよ、また子ちゃん。そうねぇ・・・・・・
凌雲の志がない所かな。精神的な意味で上を目指してはいるけど、視線は常に生徒達に合わせてくれようとしてるじゃない。そんな所が好き(妙)
燎原(りょうげん)の火
【意味】
激しい勢いで広がっていく事。また、勢いが強くて防ぎようが無い事。
【用例】
お通ブームは正に
燎原の火だな。正直、毎度毎度、警備に借り出されるコッチは溜まったもんじゃないが、あの娘の頑張りは本物だしな、何だかんだで応援したくなっちまう。そこが、寺門通って言うアイドルの、他の奴等には負けねぇ魅力なんだろうよ(土方)
良工は材を択ばず
【意味】
腕の良い職人は材料の善し悪しは問題ともしないで、技術の確かさでイイ物を作るものだ、と言う事。
【用例】
源外のおっちゃん、銀ちゃんのポンコツバイクを、スクラップの山から引っ張り出してきたモノだけで一時間もかけずに直しちゃったアル、しかも、完璧に。
良工は材を択ばずって本当アル。そう言えば、沖田、お前も私ん家の冷蔵庫の中にあった野菜の切れっ端とかブロック肉の余りで、スープとか作ってくれるネ、これも似たようなもの?(神楽)
梁山泊(りょうざんぱく)
【意味】
英雄や豪傑を気取る者達が集まる場所の事。
【用例】
何でも、今度、最近、若い娘らに人気のある監督が、この街を舞台に『水滸伝』を軸にした映画を撮るんだってね。
梁山泊には屯所を使うらしいよ。まぁ、一癖がありすぎる人間が揃ってるんだから、ピッタリちゃピッタリかねぇ・・・・・・私らもオーディションに応募してみるかぃ、きゃさりん、たま(お登勢)
領袖(りょうしゅう)
【意味】
集団を統率する代表の事。
【用例】
文化祭で何をやるかを決めた後は、
領袖を選ばないとならねぇな・・・あぁ、もう、またモメるのが予想できる・・・・・・パッと適任者が思いつかないのが悲しいな(銀八)
梁上(りょうじょう)の君子
【意味】
盗賊や泥棒の事。また、転じて鼠の事。
【用例】
見事、
梁上の君子を捕まえ、縛り上げた沖田さんと神楽ちゃんなんですけど、あまりにも張り切りすぎて邸が半壊させちゃったらしいです。でも、修理費を請求されなかったそうです。えぇ、ボクも不思議に思って、土方さんに聞いたら、そこのお邸のご主人、盗まれた美術品ばかりを集めてたそうで、派手に騒げなかったらしいですよ。盗品だとは知らなかったって言い張ってるそうですけど、本当かどうかは判りませんね(新八)
両端を持す
【意味】
どちら付かずの態度を取る事。どちらか、有利な方に付こうとして両方の形勢を窺っている事。
【用例】
高杉さんが率いる赤組と、土方副委員長が率いる白組が体育祭で真っ向からぶつかる事になるのだが、桂は珍しく
両端を持しているらしい。どうも、幾松先生に良い所を見せたいようだ(山崎)
両手に花
【意味】
良い物、素晴らしい物を同時に、二つ手に入れる事。特に、男性が左右に女性を置いて独占している、と言う事。
【用例】
志村さんと猿飛さんと一緒に文化祭を回ってた坂田先生、
両手に花で頬が緩みっぱなしでしたね(幾松)
遼東の豕(りょうとうのいのこ)
【意味】
世間知らず、独り善がりの事。また、他人から見れば、少しの価値も無い物を自慢する事。
【用例】
今年も、真撰組が新入隊員を募集し始めましたね・・・きっと、自分が
遼東の豕だったんだって、嫌でも思い知らされるんでしょうね。大体、右手を使わない土方さんに秒殺されるな、って言う試験内容にも問題があると思うんですよ(妙)
良薬は口に苦し
【意味】
忠告は耳に痛く、なかなか素直には聞き入れにくいが自分の為にはなる、と言う事。
【用例】
チャイナよぉ、今回ばかりはアンタから頭を下げるべきだと、俺は思いますがねぇ。アンタだって
良薬は口に苦しだって解ってるでしょうよ。だから、姐さんとこじゃなく、俺の部屋に来て愚痴ってんだろ・・・アンタはアンタで旦那の事を思って、隠し金庫の場所を探し出してきた訳だからねぃ。だけど、今回はたまたま、運が良かっただけですぜ。チャイナは言いつけを守らずに、勝手な行動をしちまったんだから、旦那が怒るのも、アンタの頬を張ったのも当然っちゃ当然でさぁ、俺が旦那の立場なら、同じようにしてらぁ・・・ま、しゃあねぇから、喧嘩友達のよしみで、俺も一緒に頭を下げてやらぁ。明日、飯でも奢ってくだせぇよ?(沖田)
両雄並び立たず
【意味】
力の強い者が二人並び立つと、必ずと言ってイイほど争いが起こって、どちらかは滅びてしまうものだ、と言う事。
【用例】
両雄並び立たずって言うもんなぁ。ともかく、この修学旅行の間、高杉さんを神威さんに会わせないように気をつけてないと(新八)
臨機応変(りんきおうへん)
【意味】
その場に臨んだ時、事態の変化に応じて適切な処置をする事。
【用例】
俺ぁ、あのチャイナ娘は全速力で真っ直ぐにしか走れない、兎じゃなくて猪だと思ってたが、意外や意外、
臨機応変に動けるんじゃねぇか。うっし、こっちは神楽に任せといても問題ないな(土方)
悋気(りんき)嫉妬は女の常
【意味】
ヤキモチを妬くのは、女性にとっては当たり前だ、と言う事。
【用例】
本当よぉ、
悋気嫉妬は女の常ったって、テレビに出てるボンキュボンの水着の姉ちゃんに、ちぃとばっかしデレデレしたくれぇで、卓袱台を長刀で真っ二つにするのは勘弁して欲しいよな。次に割られるのは、俺の頭か愚息かって、気が気じゃねぇよ(銀時)

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