毎度、驚かされる君の化け様に
そこらの同性を寄せ付けないほどに整ったスッピン
その素晴らしさを微塵も欠けさせない上での化粧
品性のない人たちは、息を呑むほどに美しく化けた君を見て
「いつか化けの皮を剥がしてやる」と、醜く息巻くね
でも、きっと、それは無理
君は外側だけを取り繕っているわけじゃない
僕とデートで行く所に合わせて、毎回、心から変身する
遊園地ならば、思い切りハシャぐ女子高校生のように
お洒落な街を歩くなら、一分の隙もないモデルのように
図書館で過ごすなら、理知的な才女のように
無数の仮面を、用途に分けて化粧で使い分ける君
そんな君を僕は尊敬する
だから、化粧っ気のない素顔を、
朝、ベッドの中で眺めている瞬間が
一番に嬉しいって告白したら、君は真っ赤になるだろうね
僕の為に化けてくれる君
僕の前では化けないでいてくれる君
優しい君に、僕は今日も化かされているフリをする

0