クレアモントホテル
(原題: Mrs. PALFREY at The Claremont)
http://www.cl-hotel.com/
岩波ホールで2月18日くらいまでやっている。
−−宣伝コピーから−−
ロンドンの古い街角で
孤独な老婦人と青年が出会う
ふたりのむつまじい交流の日々
夫人は思い出を紡ぎ、若者は人生を知る
静かな感動が心を満たす作品
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岩波ホールの映画は可能な限りすべて見ることにしている。
見に行ったときに次回の券を買っておく。
エキプ・ド・シネマの会員になっているから1200円ではいれる。
これまで、はずれたとおもった映画は一本もないのだ。
さすが高野さんである。
アンゲロプロスもオルミも侯 孝賢もみんな岩波で知った。
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私は映画について紹介するけれども、極力スト−リーは書かない。
どこに感動したかも詳しくは書かない。
稚拙な文なので伝わらないと思うというのもあるが、一番の理由はこれから見る人に予断をあたえたくないからである。
どんな高名な批評家が絶賛しようとつまらないものはつまらない。 またどんな酷評がされていようと面白いことも、感動することもある。
すべては見た人がどうおもうか、そのときの心持もあるだろうし好き嫌いもあるだろう。
見たいと思ったものを見て、感動すればもうけもの、いいかわるいかは見たあなた次第。
でも、いいと思ったものは薦める。
映画hはとにかく見てみないとわからない。
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さて、映画本題にはいる。
夫を亡くした老婦人(Mrs. Palfrey)がロンドンのホテルに逗留する。
そこで青年(Ludovic)とであう。
その交流を淡々と描いている。
多少のドラマはあるが、静かにながれている時間がなんとも愛おしい。
このホテルをみていたら、20年くらい前に夏に滞在したツェルマットのMonte Roseというホテルを思いだした。全食事がついているfull-pensionが基本のホテルだったが、朝食だけにしてもらっていた。
食堂の席はお客ごとに決まっており、毎朝そこで食べる。
特別なシリアルやジュース、ジャムとかがあるひとは自ら持ってきてそれをたべる。
おたがいに 朝の挨拶は欠かさない。
新聞なぞをよみながらゆっくり食べている。
一人で泊っている人もけっこういたと思う。
わずか一週間の滞在だったが、これがヨーロッパのVacationの過ごし方なのかと思ったものである。
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もうひとつ、青年が老婦人に好きな映画を訪ねるシーンがある。
即座に”逢いびき(Breif Encounter)と答える。 亡き夫と何回も見て、それで結婚したのだという。
あっと思った。 この映画は私も大好きである。
1947年制作、デビット・リーン監督、トレーバー・ハワード、シリア・ジョンソン主演の名画である。
”逢いびき”という邦題はついているが、一線は越えず、精神的な愛と心の葛藤をえがいている。
今ならば不倫ともいえないくらいのものであるが、全編にわたって流れているラフマニノフのピアノ協奏曲がなんとも効果的で、なんども見たあげく、DVDまで買ってしまったという映画なのだ。
この映画をきっかけに青年に恋人ができるのだ。
この映画が好きというだけで、老婦人への親近感がぐんぐん湧いた。
原題はBreief Encounterというが、クレアモントホテルの二人の出会い方がまさにBreief Encounterなのである。
昔も書いた
http://green.ap.teacup.com/kysei/46.html
予告編
どうしても見たい方はここから
http://www.youtube.com/watch?v=tjU7O3IcHLE&feature=related
これはpart1で、こまぎれだがpart2からpart9とすべてが見れる。
ラストの”遠くへいっていたんだね”というセリフがなんともいい。

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