母と旅行(1)
先週は母と一緒に青森を旅していた。
関東大震災の年に生まれた母は91歳、生まれたのは青森、裁判所の官舎であった。
母の父は判事だったのだ。 青森で生まれ数年後には祖父の転勤で四国へ移ったそうだ。
その裁判所の給仕だったのが後に版画家となった棟方志功。
母を抱いてあやしていたそうだが、無論本人には記憶がない。
今は元気だが、本当のところあと何回一緒に旅行にいけるかわからない。
そこで、どこに行きたいか聞いたところ、青森だという。 生まれの地なのだが、それ以来言ったことがないという。
それで、奥入瀬、十和田の観光とくんで青森に行くというコースにした。
梅雨がどうなるかまったくわからなかったので、雨が降ったらゴメンナサイという賭けだった。
新青森まで新幹線、奥入瀬の焼山に宿をとった。翌日は渓流と十和田湖の観光の予定。 津軽は大雨との予報であったが、朝起きてみるとかろうじて降っていない。
何とか短距離なら歩けるので、見所で降りて渓流を満喫した。 緑がとにかく美しい。
十和田湖について、遊覧船に乗ったら雨が降ってきた。
これはその前に通った展望台
十和田食堂というところで昼食。 姫鱒の塩焼き、さしみである。
とってもおいしかった。
”親孝行したいときには親はなし”とはよくいったものだ。
今、母と一緒に旅した喜びをかみしている。
父は私が二十歳のとき、あっというまに逝ってしまった。 酒もゆっくり一緒に飲むことができなかった。 今でも残念である。

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