「この不況の時代に 釣りが出来る君達は 幸せ者です」
ベイトブレス社の社長の その言葉で トーナメントが始まった
確かにそうだ
つくづくそう思い トーナメントを噛み締めたいと思った
ミーティングが終わり スタート準備の為 桟橋を歩いていた時 「トーナメント 続けようよ」って 稲葉さんがポンと肩を叩いてきた
実は その言葉を しっかりと覚えてはいなくて
頭の中が 長池だった(わ)
それは ありがたい言葉として頂いた
そして スタート
先にスタートした人達の ボートの引き波を 切って 切って 切って バウを長池へ向けた
このスタートの 荒々しさもまた 日常では味わえないもので 好きだったりする
フルスロットルで長池へ
長池に入れなければ 自分のしたい事が 大きく崩れる
結果がどうであれ 後悔が残り過ぎてしまう
何の問題もなく 入りたい場所に入れた
って言うか 誰もいない・・・
朝から僅かに吹いていた風が ちょっと気掛かりだった
『逆だろ・・・』
朝一は 何の気配も感じられなかったけど 風が強くなるのを待った
キャストしたレインボーシャッドに集中した
9時を過ぎた頃 ようやく 死んだ公魚が 僅かながら 流され始めてきた
『カポッ』
保安区域内に 一生懸命遠投したルアーではなく
自分のボートのすぐ脇で バスが 死んだ公魚を啄んだ
『あー そっち出ちゃいます・・・』
とにかく集中した
しかし ルアーに出てくれなかった
11時頃 大池側に 移動を決意した
大池に行くと 予想以上に人がいた
保安側には 川上さん
更に流して行くと 菅谷さん
その向こうには 前回優勝者の丁子さんが
『俺の場所だぜ!』
みたいな感じで 仁王立ちしていた
日頃 話しやすいJB山中湖の方々も トーナメント本番となると 無口な中にオーラを放っていて困る
人も多かったし 自分の釣りがやりきれない感じがあり あまり長居をせず 再び長池へ戻った
しかし ルアーにバスは出なかった
最後の30分は ホバリンブライスと とあるミノーを 長池〜間々の森方面へ 交互に流して行った
これはこれで 『出るんじゃないか!?』というドキドキ感があって 楽しかった
時間切れ ノーフィッシュ
プロのトーナメンターとして 結果を出せないのは 駄目なんだろうけれど 自分にとっては 後悔のないトーナメントとなった
パターンが崩壊したとも思える この日
優勝したのは 長く山中湖を大切にしている 粕谷さんだった
やはり 『何か 違う物を持っている人だな』と感じた
同じトーナメントに参戦して 同じ土俵に立つ立場だけど
『優勝したのが 粕谷さんで良かった』と思ってしまった
おめでとうございます
3戦目は出られないので
残るは最終戦のみ
イメージはしている
夏よ来い
今回使用したリグと言うか 釣方
『そっとしておけメソッド』と名付けたい・・・
そっとしておいて下さい

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