伝統の工芸などを作ったり扱ったりしている会社や工場が
どのように生き残るか 模索中と言うようなお話をよく聞いている。
ちょっと欲しくなるような素敵なものを見つけたので
報告しますね。
伝統と言うものを今に活かすのは とても難しい。
生活の仕方も 家も何もかもがすっかり変わってしまった今
伝統の技の行き場がなくなっている。
下手をすると お土産物屋さんで売っているような物になりかねない。
それが悪いと言うわけではないのだけれど
どこまで行ってもお土産物であって
日常的に 売り買いされ使われるものではなくなってしまう。
16日の朝日新聞の「BE」という別刷りの記事に
面白い物を発見。
「クリーンヒット」に「深黒シリーズ」が紹介されていた。
Tシャツ・ジーンズ・かばん・・・それらがどこまでも黒いと表現されている。
なんと 黒紋付きを染める職人技から生まれているそうだ。
ここまでなら 興味を抱かないでしょう?
普通のお話だと思えますよね。
面白いうちの一つが 伝統の技の中身。
実は 黒紋付は「漆黒」を出すために 始めに紅色や藍色で染めてあると言うのだ。
その後 黒を何度も重ねる事で深い色合いを出すのだという。
なんて素敵!!
こういうことって 知っていると そのものに対する愛着がますます深くなりますね。
着物屋さんが 自慢するはずよね。
今回の商品は 絹ではなくて綿に染めるので 更に3倍時間が掛かっているそうだ。
そして もう一つ楽しく思ったのは
黒紋付は 反物の端っこに 下染めの色を残して 色が分かるようにするそうだけれど
それをヒントに これら新商品の布や紐の一部に 下染めの色を残しているところ。
記事の写真では 真っ黒のカバンのベルトやふたの一部に藍色が残っている。
それがとても綺麗! そしてとっても「粋」だわ。
写真を載せられたら良かったのに・・・。
黒だなんて 若者が跳びついているのかと思ったら
意外に 中年男女が多いそうだ。
色や形だけじゃなくて そんな職人の技と心意気を思いながら
大切に使っている事でしょうね。
見に行ってみたいなあ・・・と ここにいる中年女性は思っているのでした!

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