「題名のない音楽会」は 日頃テレビをほとんど見ない私が 日曜日の朝 家事をしつつ見る事を楽しみにしている番組です。
今日は 指揮者の佐渡裕さんが高校生の吹奏楽部にクリニックをする日でした。
や〜〜、すごかった。
高校生といっても結構上手だと思ったけれど、彼が指導を始めると まるでピノキオが 本物の人間の男の子になる瞬間みたいだった・・・見た事ないけれどね。
つまり、端々の細胞の一つ一つに 血が通い 体温と言うものが出来て、生き生きと生きだすんです。
彼はそれを とても簡単な言葉で 分かり易く導きます。
それがまた 色々な角度から色々な方法で 導いて行くのです。
すごい人ですね〜。
高校生達は 「ピンと来た!」と言う顔をして 彼らも又生き生きと演奏し始めます。
面白かったのは クラシックの演奏で オーケストラであっても 音の始まりの部分を演奏者達に任せてしまう事が有ると言う事でした。
「1.2.3.4の4で 始まるけれど、そこを皆でキチンと出すと 強くなりすぎる。ちょっとプロの演奏を聴いて」
・・・・と プロが演奏する。
佐渡裕さんは 本当にその出だしの部分を明確には指定せず任せている。
演奏者達は 気を合わせ 丁寧にそうっとその音楽の世界を紡ぎだす。
そこに まるで物語が始まるように 音が広がりました。
佐渡裕さんに見えている曲は 時間があり 広がりが有り 色が有り 温度が有り
絶えず変化し続けている事でしょう。
少なくとも 私が見えているものとは 全く違うヴィヴィッドなものなのだという事が分かりました。
こんな風に その曲に命を吹き込めたら どんなに素敵でしょう。
ジャズは それをとても自由に表現できます。
だから、生まれでる命は 多種多様になり得ます。
ただ紙に書かれた楽譜に 息吹を与える事が出来るようになれたらなあ。
瑞々しい命を 吹き込めたらなあ。
いつかは!!・・・って思うわね。
とりあえず、明日のライブは 気合いを入れて楽しむんじゃなくて
その場にいらっしゃる皆さんと一緒に 漂うように楽しみたいと思います。

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