赤い 「
blackbirdfly」が 届きました。
これです。
何って可愛いんでしょう!
これは 二眼レフのトイカメラです。
トイ つまりおもちゃってことですね!
これは iGaさんがご自身のブログ
MADCONNECTIONで 12月に紹介していらしたのを見て 一目惚れしていたのです。
それだけならまだ 冷静でした。
ところが開発者のこの言葉にやられたのです
「写真は撮っている時間より、撮っていない時間が遥かに巨大だ。しかし、撮っていない時間が大きければ大きいほど、撮らなかった「写真」、取れなかった「写真」について空想すればするほど、彼の写真は豊かになる。・・・・(中略)・・・つまり、本質的にカメラはどんなカメラであれ、全くの無力なんだ。カメラ以外のものだけが、いつもあなたの写真を、つまり人生を豊かにしている。」
昔、子供の頃 カメラは ずしりと重い二眼レフでした。
上からすりガラスを覗き込んで 焦点を合わせます。
手ぶれせぬよう 息をこらして シャッターを下ろすのでした。
その瞬間の何と言う興奮!
子供の私は 大人への儀式のように そのシャッターに指を置いていました。
写真を撮ると言う事は 特別のことでした。
デジカメというものが登場し、フィルムの心配なく 手ぶれの心配もほとんどなく 何枚撮っても 気に入らなければ削除しても良くなり、誰でも安心して 写真を撮れるようになりました。
昔なら、私には大切な瞬間を逃すことばかりでしたが、今 みんな 自分にもその瞬間を手に入れる可能性が見えて、 運動会やイベントなどでも カメラを手に手に 写真生活を楽しんでいます。
最近 私も写真に興味をもち 少し町を撮り始めていました。
けれど、途中ですぐに 何か 私の中で違和感が生じました。
構図や角度や色々神経を研ぎすませて 一枚の写真を撮る。
なのに、どうしても 用心のためにバシャバシャと 数を撮ってしまう。
家に戻って 写真を選ぶにも 時間が掛かってしまいます。
つまり、なんだか 諦められなくなるのです。
安心して撮っているはずが むしろ より良きものを求めて 諦められなくなって どんどんはまって行きそうになっていました。
そのことに疲れて、私は 凝らずにパッと覗いて バシャッとシャッターを押してしまうようになっていました。
この二眼レフを見た時、そして 決してキチンと撮れないトイカメラであると知って、また 写真を撮ると言う事が 楽しくなりそうな気がしたのです。
フィルムを使うので、すぐには確かめることが出来ません。
写真屋さんから戻ってきたものを見て たいていは がっかりしていましたよね?
今度は かなりがっかりしそうだぞ!!
けれど、思うのです。
初めっから諦めが有る。それが良いかもしれない。
「blackbird、fly」
そう名付けられたこのカメラ。その名に何を託されたのでしょう。
ビートルズの曲では 真っ暗闇の中に黒いツグミが 傷ついた羽で 飛ぶことを学ぼうとし、落ちくぼんだ目で見ることを学ぶというような歌詞が有りますね。
「You were only waiting for this moment to be free」
自由になるその瞬間を 待っていたんだねって。
このカメラはトイカメラです。
レンズを覗き込んでも 焦点が合ったかどうか分かりません。
ただ、写したいものとの距離を推し量り *mと言う表示に合わせるだけです。なんとまあ!
けれど、私は このカメラに このカメラの名前に託した開発者の思い入れに とても大きな共感を持っています。
傷ついた羽 落ちくぼんだ目で 真っ暗闇にいる黒い鳥。
それは私です。私達です。
それでも 自由になるその瞬間を待っています。
完璧な羽と目を持っていなくても 私達は自由になれる。
撮れなかった瞬間にこそ その答えが有ると言う事を このカメラが教えてくれるかもしれません。
可愛いパッケージ:
そうです、鳥かごに入っているんです!
こんなネジで台座に付けられているんですが、
これって 三脚用のネジ穴?
こんなにか細い三脚って有るのかしら?

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