もう30年以上になると思う。
長い付き合いの友人の事を思い出し 電話をしました。
楽しいお酒を飲む人で 美味しいものについて考えていた時、ふと 彼女の事を思い出したのです。
彼女の喜びそうな所が有るのでね。
「美味しい所が近くにできてね、あなたの事を思い出したんよ」
「美味しいものの時に 私の事思い出してくれて嬉しいわ〜〜!」
ひとしきり 楽しい事を話し、仕事の事を話しました。
彼女も社長業です。
そして、引退すると言いました。
「何故?」
「余命宣告されたから」
急に体調がおかしくなりお医者様に行ったら 検査即入院。
いいえ、検査結果の時点で すでに余命宣告をされたそうです。
それをあっけらかんと話します。
そして、それを受けて私も 明るく話します。
先日 大切な人の死に出会いました。
お葬式の日に ふと 「次は私だなあ」等と思ったのです。
少し前に、新しい誕生に出会ったとき、不思議な事に 「死」はそのような事かもしれないという気がしたのです。
安全で安心で暖かい場所に居たのに 急に強い力に押されて 長く狭く暗い道を うんうん言いながら通って行く。
自分でも もがいて 出口を探す。
すると、ポンッと 新しい場所に出ます。
それが誕生するという事。
ひょっとしたら 死というものもそんなものかもしれないと思うようになりました。
全く 私達の想像のつかない次元へと ポンッと出て行く事なんじゃないかしら?
そんな事を考えていたので 彼女の話しも 暗い気持ちにならずに聞きました。
2人は沢山話して 沢山笑いました。
次は美味しいものを食べて 一杯飲んで たくさん 沢山話しましょうね!!
大切な人。
電話を切って どっと 襲って来たものが 私にそう言いました。
だから、今は嘆かない。
強い気持ちで そう決めました。
一日でも沢山 大笑いして欲しい。
一日でも沢山「今日も面白かった」と思って欲しい。
一日でも多く「今日もまた 充実してたわ〜」と思って欲しい。
一緒に 色んな事をしました。
七転八倒しながらも 自分を諦めなかった所も似ています。
彼女は理論家、私は感覚人間。
そんな違いも 「また楽しからずや」です。
あなたが笑ってくれる時、私も同じだけ楽しい。
あなたが充実していると感じる時 私も同じだけ充実している。
そんな風に時を共有できたら嬉しい。
さあ、何ができるかしら?

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