「クラフトってなんですか?」
松本では 毎年5月にクラフトフェアが開催され 全国から様々なジャンルの作品が集まるそうです。
冒頭の質問は木工デザイナーの三谷龍二さんがタクシーの運転手さんに問われた事。
「工芸の事」と言っても伝わらない。
・・・・・・けれど 彼だって、テーブルにつきお箸やお茶碗を使ってお食事をしているはず。
工芸が 日常生活からかけ離れたものになっているのですね。
大量生産品が普及している今、手仕事の生活用品は高くなり過ぎて 嗜好性の強いものになってしまいました。
元々工芸品は 生活用品であって、美術品ではありませんから、使われてこそ!と 作家の方々は思うのでしょう。
けれど、もちろん手仕事は高くつきます。
デザイナー
喜多俊之さんは日本の伝統工芸を今の生活に蘇らせようと、いろいろな伝統の技を製品作りに 生かしています。
彼の提案です。「もっと 家でパーティをして欲しい。そして、工芸品を使って欲しい」
最近 沢山のものは要らなくなっているので、新しく食器を買うとしたら 出来るだけそのような工芸品とか 作家の方々のものをと思っています。
そして、先日 その「小さなパーティ」をしました。
何せ お呼びしたのがお二人だけ。
そして「和風テイストのイタリアン」と言う希望。
その時 温野菜のサラダを入れたのがこの器です。
艸田正樹さんのHPのトップに出てくるガラスの器です。
彼独特の作り方。
赤く熱したガラス玉を回転させながら そのてっぺんからゆっくりと穴をあけ、それを広げて行って 後は遠心力を利用して広げながら形作って行くのです。
だから、偶然性のある形。つまり 同じシリーズでも微妙に 広がり方や高さ等が違っています。
じっくり見て お気に入りを探します。
私のものは もう少しふんわりと広がって高さもあるかしら。
もう何年も前になります。
そのあまりにも透明で美しくて 柔らかで 凛とした佇まいに魅了され買ってしまったのです。
温野菜のサラダは オーブントースターで焼くもの・オリーブオイルで焼くもの・茹でるもの、場合によっては揚げるもの等、色々な方法で火を入れた根野菜等を混ぜ合わせるのです。
このときは梅とオリーブオイルで調味しました。
赤 緑 黄色 そしてなすびの紫。
色とりどりの野菜が映えるように この器を選んだのです。
正直に言いますと、洗いにくい!
ツルッツルなんですもん。
石けんを付けると更にすべりそうになって ヒヤヒヤです。
昔は 洗い物がしにくい器が嫌でした。
「台所に立たない男性の考える事は フン!!」とね。
けれど、今は このようなものがあって良いと思います。
そうっと扱わなければ行けないもの。
壊れそうなもの。
貴重なもの。
息を止めて丁寧に洗う時、その時間とそんな気持ちの使い方にしかない特別の感覚。それがとても良いのです。
絶対に焦れない。
それが私をむしろ リラックスさせるのです。
頑張って準備して、とっても楽しい時間を過ごした後に お片づけをする時間。
それが 豊かになるのです。
工芸品は こうして私の生活の中に少し刺激的なゆとりをもたらせてくれています。
皆様もいかがですか?
小さなパーティでこうしたクラフトや工芸品を使ってみませんか?

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