まあ、オペラに限らず、私は大好きなことさえ、ハマって居ることさえ研究しない。それどころか、覚えもしない。
作曲家だって覚えないし。
ひどいのは映画のストーリーも覚えていなくて 同じ映画を3度見て、3回もどんでん返しでビックリしたのです、えっへん!!
そんな私ですが、一応オペラ好きなのです。
そのきっかけを作って下さったのは高校時代の先生です。
私達の頃は 美術と音楽と書道の3択。
私は迷わず音楽をとりました。
その先生は 本当に音楽が好きな先生でした。
気乗りのない顔をした私達にも 熱心に音楽の素晴しさを話して下さいました。
でも、それ以上に有り難かったのが コンサートチケットです。
どうやら、その先生は 何らかの職に就いていらしたか、ルートがおありだったのでしょう。
当時は 大阪のホールと言うとフェスティバルホールしかありませんでした。
ロックであろうと オペラであろうと オーケストラであろうと 何だってそこでしていたのです。
しかも!!
ベルリンフィルだのウイーンフィルだのが 毎年来ていたのですから、贅沢ですよね。
大フィルも次々にコンサートをしていました。
それらの国内外を問わず 素晴しいコンサートのチケットを、先生は学生券という事で安く譲って下さっていたのです。
「今回は800円、16枚」などと 職員室の前に張り出してあります。
私は必ず 買って行っていました。
いつも一人。
制服のままです。
大人の世界に子供(?)が一人で入って行くのですから超緊張。
昔は そのようなコンサートには大まかではありましたがドレスコードがありましたしね。
それらの素晴しい演奏のおかげで 私は音楽にハマって行ったのです。
その時に出会ったのがオペラです。
いつもよりぐっと高くて、確か1500円くらい???
ほんの数枚でした。
勿論 そんな機会は滅多にないと思って行きました。
演目は「エフゲニー・オネーギン」
有り難いことに、そのお席はBOX席というちょっと高価なお席の隣でした。
緊張して行きました。
その頃は字幕も勿論ありませんし、粗筋も、本当に短い粗筋しか無く、今演じられ歌われているのがどのようなことかは、想像するしかありませんでした。
要するに余り分からないのです。
でも、或るシーンで 体中が震えるような感動を味わいました。
それは 友人のはずのオネーギンが自分の婚約者にちょっかいを出したので、怒ったその人が決闘を申し込み、その結構の直前に歌われる歌でした。
主役じゃなのに、そのアリアに皆が震えたのです。
昔は 拍手があるとストーリーの途中でも 歌手はお辞儀をしていました。
その時、余りの感動でいつまでも拍手が鳴り止まなかったのです。
ストーリーの途中なのに!
彼は何度も立ち位置に戻りました。
けれど、どうにもこうにも 拍手せずにはいられなかったお客さん達が又彼を引き戻しました。
そうです、きっと、私だけじゃない。
みんな 体中が震える程感動したのです。
初めてのオペラ体験が それでした。
それからオペラが大好きになりました。
お能も同じ。
大槻能楽堂を通り過ぎるとき、学生券800円というのが目に入り 経験だ・・・・と思って行ったのがきっかけ。
ハマっちゃいました。
今でも、あちらこちらのホールで 学生券を出しています。
或いは リハーサルを見学できると言う事もあります。
そんな時には、是非とも 行ってみられたら・・・・・と思います。
若い人達にこの素晴しさを伝えたい・・・・・・・そんな大人達の思いが高校生の私に伝わったのです。
私の人生を変えたのかもしれませんね。
先生、ありがとう。

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