私の大のお気に入りでした。
いいえ、頼りにしていました。
お肉屋さんの事です。
ここにも紹介させてもらった事が有りますが、地域に密着したお商売の在り方が感動的でした。
良いお肉を安く、また、お惣菜も家族と一緒に山のように黙々と作って売っているのでした。
私は市内に戻る前は 海の近くに居たので、美味しいお魚が安く手に入っていました。
それに、胆石を取ると言う事で胆のう切除の手術後、どうも調子が悪くてお肉が余り食べられなくなっていて、お魚に頼る日々でした。
ところが、大阪市内に戻り、このお肉屋さんと出会って、お肉の美味しさに感動し、家族皆がとても美味しく頂いていたのです。
食べられないはずのお肉が 徐々に美味しく頂けるようにもなっていました。
私の大の得意のローストビーフも ここのお肉でないと作りたくない。
本当に本当においしいお肉です。
牛も豚も、感動的でした。
それがもう10月で閉めるというのです。
「ええ?? どうして?」
「家族皆、もう体がガタガタなんよ」
そうです。
お客様のために 家族皆、黙々と自分の体も省みず 美味しいお惣菜を、美味しいお肉を提供し続けて下さっていたのです。
元気な人達だなあ、若々しいなあ、お肉の効果かなあ・・・・・と思っていた私は 考えが足りませんでした。
閉店の話を聞いて、私は呆然となりました。
リアクションができません。
頭を抱え込んでしまいました。
どうしたら良い?
「私達家族、ここのお肉がないと生きて行けないわ。」
「みんな、そんな風に言ってくれるけど・・・・・」
ああ、こうして私達はまた、集う場所を失います。
ここでは知らない人同士、挨拶をしたり、食べ方を話し合ったり。
皆がここを大好きで居るという暗黙の雰囲気がとても良かったのです。
皆さん 沢山の予約をなさっています。
買いだめです。
でも、私は何だか ショック過ぎて、今日のお肉しか買うことができませんでした。頭が回らなかったのです。
今でも、ショックから抜け出すことができません。
大阪の自慢だったのに。
何か 心にとっても大きな穴があくような感じです。
そうだ。
私はただ、美味しいお肉を求めていただけじゃなかったんだ。
お肉という商品を通して ここのご家族の心を頂いていたんだ。
だから、こんなにもショックが大きいんだ。
「かけがえのない」
そんなお店が有ったでしょうか。
まさしく、ここはそうなのです。
今日は家族皆が しょんぼり。
きっと地域の皆さんもです。
お夕飯は ロールキャベツ。
私がショックで黙ってしまっているうちに、ミンチ肉が全て売れてしまいました。
仕方がないので安いお肉を買って 自分でゆっくり叩いてミンチを作ろうと思いました。
おじさんが言いました。
「それやったらここでするよ」
「でも、機械はもう今日は使わないでしょう?」
「包丁が違うから、ここでやった方が早いし」
そうです。
だから、包丁で叩いたミンチ肉で 今日のロールキャベツは出来上がりました。
息子と二人、「美味しいね」「うん、美味しい」と言いつつ、しょんぼり。
身に染みて美味しいロールキャベツができていたのです。
「11月からどうしよう?」
「大阪はお魚が美味しくないしな〜。」
ほんと、11月からどうしよう?
今日は結論のないエントリー・・・・・。

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