先日 ある大学の学生達のデザインについての講評に行って来ました。
「アフォーダンスのデザイン」
デザインを施す事によって極自然に 何らかの行動を誘導するというものです。
こんなに素敵な例があります。
hope soap project
ケープタウンでは毎年 数千人の人が感染症でなくなるそうです。
特に子供達の罹患率が高い。
そこで、こんなに素敵なプロジェクトが成功しているのです。
hope soap、つまり石けんです。
石けんの中におもちゃが入っているのです。
子供達はそのおもちゃが欲しくて 一所懸命手を洗います。
体まで洗ったりします。
それでなんと70%も感染症の発生率が下がるのです!!
そんな風に 「デザインする事で、行動を誘導していい結果を得ようとする」のがアフォーダンスデザインだそうです。
そんな学生達のデザインについて、私が何かえらそうなことを言う事になっちゃいました!
先に学生達のデザイン画を送ってもらいました。
私達自身がそうであったように、これが製品化できるかどうか・・・・・と言うようなレベルに行くには 大変な時間が掛かります。あるいはその同じテーマを何度もやり直さねばなりません。
だから、ちょっと授業で考えた事くらいでは、先生がおっしゃるような「製品化できるかどうか等、厳しく講評」できるアイデア等出ないのです。
もっともっと、先の話。それが当たり前。
最初の第一歩ですからね。
学生達の絵を見ながら、一体何を求めているのか悩みました。
なので、きちんとしたプレゼンテーションをして 私にアピールをしてもらう事にしたのです。
私の方からは 類推したテーマに合うような画像等を学生に提示して 更にアイデアを磨く事をサポートしました。
もの作りがゴミ作りになってはいけません。
お金を出して手にして、しかも、幸せな気持ちになってもらわない事には行けません。
使ってもらえなければ、只のゴミですからね。
だから、もっともっとアイデアを練って欲しいという事。
そして練るには何が必要か?・・・・です。
いくつかあります。
先ずは、学ぶ事。学問をする事の重要性を話しました。
そして、経験。
そこで色々な人に出会い 色々な思いを知る事が デザインを考える上で必須です。
だって、もの作りは不特定多数の人に喜んでもらう仕事ですから。
たくさんの人を知って その思いをずっとずっと感じ続け考え続けなくてはね。
最後に感動。心が動く経験をたくさんして欲しいという事。
それらのインプットしたものが熟成し、あなたとなって、そのあなたがアフォーダンスしたい事を見つけてデザインをして行く。
だからこのインプットがとても大切。
次に アウトプット。
作品としてきちんとプレゼンテーションできるところまで磨く事。
そしてそれに対してアドバイスや批判をもらい、それをまたインプットして 自分の中で何度も考え、またアウトプットする。
それを何度も繰り返し、「良し!」と言うところまでやる。
それを求めました。
製品化にはまだまだハードルがある話もしました。
学生達は真面目でした。
黙ってずっと聞いていましたし、クイズを出すと一所懸命考えていました。
それだけで十分報われたと感じます。
でも、おとなしかったなあ・・・・・。
意見を言う事をためらうような感じがありました。
間違っても良いのに。
正しい事なんて いくつもあるし、間違う事をたくさんしないと正しいところに行き着けないのに。
授業が終わって、私の名刺が欲しかったら来て下さいというと、皆 取りに来てくれました。
アイデアを練り直したらいつでもメールを下さいね。
そんな風に言いました。
さて、来るかなあ?
まず、アイデアを練り直さないといけないし、その上で私にメールを書くと言うのも中々ハードルが高いです。
でもでも、やってみて!
自分をどんどん出してみて!
どんな事も諦めない。
諦めたらそこで終わりですから。
そして、やり続けるところでいっぱい学ぶものがあるからね!
今日もいいお天気です。
私の心は晴れないけれど 頑張って行こうっと!

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