娘が 歌を習い始めました。
何故かクラシックです。
子供達4人の中でも 彼女は自らチケットを買ってコンサートに行くくらいの音楽好きですが、自分が歌うというような事をしているのを余り見た事が有りませんでした。
それが突然 歌を、それもクラシックを習いだしたというのですから驚きました。
先生が 娘は全くの素人だというのに、始めからイタリア語の歌を、それも高い声が出ない私には歌えないような音域のものを教材としていらっしゃるのを知って 驚きました。
まだ、歌声すらできていないというのに!!
出張で大阪に来ていた彼女が家に寄った際、発声について色々聞いてきました。
あちこちで習った事、自分で研究した事、考えた技等駆使して 彼女に今一番有効な方法を考えました。
そして、二人で練習。
結局の所、今まで歌っていない人は 声を出すための筋肉が育っていないので、根気よくレッスンを続けるしか有りません。
そして、その時に 間違った方法を身につけない事も大切です。
後から訂正するのに苦労しますからね。
さて、そんな風にして 色々教えていたら、娘がぽろっとこんなことを言うのです。
「ああ、私いつになったら発表会に出られるようになるのかなあ」
「え?? 発表会に出たいの?」
私はびっくりしました。
歌を習っている仲間でも、発表会に出たくない人や出るのを躊躇する人がいるからです。
私自身、ずっと発表会も心が重かったのです。
ライブをしていても発表会は又ライブとは違う緊張が有るのです。
沢山の人達が躊躇する発表会に出たいという娘。
彼女は引っ込み思案な所も有ったし、人見知りだし、このようなことを言うとは思いもよりませんでした。
でもこう言いました。
「だって、人前で歌わないと上手くならないでしょ?」
全くもってその通り。
上手くなりたかったら 恥をかいても良いのだと開き直って 発表会に出て、人前で歌って、自分の歌を磨いて行かなくては行けません。
先日テレビでアメリカの人が話しているのを聞いて 少し驚きました。
チャレンジしたのだけれど失敗した話です。
その事について彼はこんな風なことを言っていました。
失敗はしたけれどチャレンジした事が良かったと。
文化の違いを感じました。
日本ではチャレンジして失敗しても学ぶ事が有る・・・・・等と言いながら、失敗には余り寛大ではないと思います。
だから、どうしても リスクの有る事は避けたいし、チャレンジもしたくない。
日本人が英語等を中々上手く話せないのは 恥をかかないよう正しく話そうとしすぎるという事が有ると思います。
さて、歌について言うなら、人前で恥をかきたくないから発表会に出たくないのでしょうけれど、失敗して、恥をかく事無しには上手にはなれません。
しみじみ思います。
本当に失敗から学ぶ事はとても大きいと。
そこに自分の姿が映し出されますから、自分の事も分かってきます。
ライブはお客様がいらして お金を払って聞いてくださいます。
決して間違う事は許されません、本当は。
それでも失敗が有ったとき、それをどう回復するかも大切ですね。
でも発表会は 自分がどこまで進んで、どんな所にチャレンジしているかを見てもらう機会です。
万が一、失敗しても 上手くできなくても、許される場なのだと思うのです。
自分のダメを知る。
そのチャンスを自分から捨てるなんてもったいない!
あの人見知りで、引っ込み思案な所の有る娘が クラシックの歌を習い、未だ数回なのにもう発表会を夢見ているのを見て、その成長を知りました。
そこに彼女の仕事ぶりも見えて来たのです。
チャレンジする事は 私にとっても大切なテーマです。
それが私を変えてくれます。
もっと伸びやかに、もっと広がって!

6