このイースターホリデイに、V&Aに行きました。
V&Aはヴィクトリア & アルバートミュージアムの略だそうです。
V&A ウィキペディアには、1800年代半ばに「英国の産業製品のデザインの質が著しく低いことが指摘され、公衆の「趣味」を教育によって啓蒙し高めるべきであるという議論が沸き起こり」とあります。
本当だとしたら、国民の教育について議論されていたというのですからすごいですよね。
日本ではちょうど、ペリーが来て明治政府に変わっていく激動の時代です。
イギリスでは教育の機会が均等であるべきだという意識が高いそうで、大抵のミュージアムが「タダ」で解放されています。ここもまた「タダ」でした。
タダなのだから、そしてイースターホリディだし、たくさんの人が来ていて、さぞかし混んでいることだろうと思いました。
でも、思ったほどじゃない。
考えてみると、あちこちの美術館や博物館が ほぼ全て、いつも、タダなのですからその収容できる人数の桁が違いますものね。
オックスフォードのアシュモレアン博物館もそうでしたが、ここでも、結構解放的な展示です。
何十というお部屋があるのですが、ほとんど「見張り役」の人はいません。たまに 巡回している人がいます。
これは助かりました。
実は、あまりにも広くて、迷いそうになってしまったのです。
夕方になってきたので出口に行こうとしましたが、もうどちらを向いているかもわからず・・・。
コレクションに圧倒されて、あまり写真がないので、まずは図書室からご紹介。
コレクションはもうとにかく「凄い!』の一言です。
アシュモレアン博物館で既に「こんなに広くて、こんなにコレクションがあって凄いなあ〜」と思っていた私はびっくりです。桁違い。
まず、コレクション一つ一つの質の高さが尋常じゃありません。
そしてその数と言ったら、「一年間誰も見ていないものもあるんじゃないか」と思うくらいなのです。
例えばね、陶器のコレクションが お紅茶好き、パーティ好きの私にはあまりにも素晴らしすぎて「めまい」がしそうなもんだったのですけれどね。
展示の仕方がびっくりだったのです。展示とは言えないというか・・・・。
ギュ〜ギュ〜詰め。
(びっくりするあまり動画で撮ってしまいここにアップできません)
一つ一つ、丁寧に飾ったら、さらに感動するのにと思うようなものを「所狭し」と、いいえ、もう本当にぎゅーギュー詰めにして展示しています。
つまり、それくらい、たくさんのコレクションがあるのです。世界中から集められています。
正直にいうと、見ているうちに「そっか〜、これが大英帝国か〜」という気持ちになりました。
世界中から集めたと言っても「一体どんな方法で???」と思ってしまったのです。
貿易ばかりじゃないでしょう?・・・ってね。
展示を見ている人は、中近東の人とか、私のような東洋人とかもいっぱいいます。
そういう人は 自国のものだったはずの展示を見てどう思ったのでしょう。
私の場合「日本」というお部屋の展示があまりにも小さく、ああ、それくらいの重みしかないということだったのだろうなと思ったのと、これだけのことで日本というのは寂しすぎる、もっと色々紹介したい・・・・・と思ってしまいました。
V&Aもまた、写真をとってはいけませんという表示がなく、もっと撮っても良かったのですが、その量に圧倒され、見ることもできないものもいっぱいあり・・・とまあそんなところです。午前中のオックスフォードのアシュモレアン博物館でいい加減エネルギーを使い果たしていた私は、とにかく休憩したくなって中庭に出ました。
中庭の中心には水をためている(あれをなんと呼ぶのかしら?)サークルがあって、その水が少ししか入っていないので
家族連れが来て、なんと子供をそこの水たまりで遊ばせています。
慣れている人は 水着を持ってきていますよ! わかります?
このサークルを中心に建物側にはぐるりと テーブルと椅子があって、食べ物や飲み物を買ってゆっくりしている人がいっぱいいました。

私はどうやらサンドイッチを入っているらしいボックスを選びました。
びっくりしましたが、チーズ一枚を挟んだだけのサンドイッチが 半分サイズと、小さなパッケージにミニトマト、別のパッケージにブドウ、そして、ポプコーン。それにお水がついていました。
ただ、一度にあれだけの質の高い、しかも世界中から集められたものを見ると、全体として思うことがありました。
まず、私の大好きな「ウイリアム・モリス」は中近東の文様に感動したのだろうなということです。
それだけではありません。結局のところ、大英帝国だけじゃなく、中国のものも、日本のものも、イスラム系のものも、その文化は互いが互いに影響しあって、刺激となって、文化が更に高まっていったのだろうなということです。
ここでやっと、何十年も昔に習った「シルクロード」というものの存在の大きさに触れた気がしました。
そっか〜、こんな風にして学芸員の方々は興味を持って、「どんな風に影響しあったのだろう?」「そのルートはどんな風で、どんな交流だったのだろう?」・・などと思って研究することになるのでしょうね。
少しだけ、学芸員や研究者の「研究の動機」に触れた気がしました。
私も若い頃にそんな気持ちになっていたら、のめり込んだだろうなと思ったのです。
好奇心がどんどん先に進んでいって、いくらでも研究したことが出てきそうです。
V&Aでもまた、私はとにかく圧倒されてしまって、写真があまりありません。
ここに慣れたらまた、ご紹介できるかと思います。
こんな書き方しかできていないのですが、私はここがとても気に入りましたので、また行きたいと思っています。
それに、特別展もこの中の二ヶ所でやっていて(それは有料) 全部を見ようとしたら、一週間でも足りないと思うくらいです。
なんども訪れたい場所になっています。

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