皆さんもおありだと思います。
録音した自分の声に驚いたこと、そして、嫌だ〜〜と落ち込んだ事。
それがライブ録音で、しかも、すごいトリオと一緒で嬉しすぎて興奮して、なんだか変な声になっているし、色々欠点がでちゃっていて・・・・はい、3月のジョジュ・ネルソンさんたちのトリオとの録音のお話です。
CDにしようという話でしたのに、私は中々現実が受け止められませんでした。
第一、ホームステイ先で、録音の聴ける環境じゃなく、ホストファミリーの居ない時にだけしか聞けなかったのですが、その度にがっくりしていました。
で、戻ってから少しずつ聞くようになり、徐々に自分の声に慣れてきました。
どう言ったらいいのでしょう?
音楽ってまず、ピアノなどの楽器演奏「イントロ」という部分から始まりますよね。
ジョシュのそのイントロが本当に素晴らしいのです。心が躍ります。
そして、ミュージシャンの演奏が素晴らしければ素晴らしいほど、歌とのギャップが目立ちます。
私はそれに耐えねばなりません。
でないと聞くことができない・・・・・・という風だったのに、最近少しずつ変化してきました。
タイトルには「慣れた」と書きましたけれど、恐らく諦めがついてきたのかと思います。
自分の人生も同じです。
もっともっとより良く生きられたはず・・・・と思う場面が山のようにあります。
けれど、今、私は「いい人生だったなあ・・・」と思っているところです。
苦しかったこと、辛かったこと、自分に絶望したこと・・・・・そんなこと、いっぱいあるけれど、それもひっくるめて。
なんかね、それら全てひっくるめて肥やしのようになって今を生み出しているような気がするのです。
そして、その「今」を私は受け入れることができているということでしょうね。
そっか〜〜〜と思うのです。
歳をとるというのはそういうことなんだ

あれもこれも、いいも悪いもひっくるめて自分を受け入れることができるようになるというとなんだな〜〜。
自分に対する諦めがつくというか、遠くから見ることができる感じというか。
先日の野田マップを思い出します。
出ていた全ての役者さんたちのあそこにたどり着くまでの努力

それを思うと、私はそんなに頑張っていないなあ・・・・とも思います。
なにせ、一つのことに集中して生きてこなかったので。
職業も色々変わりましたし。
それでもなお、自分を受け入れられるのは私はこのことはずっとやってきているなあ・・・・と思うことがたったひとつあるのです。
それは「生きるということについて考えること」
いつも考えてきました。
泥まみれになっていても考えてきました。
歌の方に戻ります。
私は55歳から歌を習い始め、そこで初めてジャズに出会ったのです。
それから今まで、どんなに悩んだことでしょう。
まずスタートラインに立つまでが長かった。
「ジャズって何?」「グルーブってどういうこと?」「なぜジャズではリズムが一番大切って言われるの?」「一体どこを目指せばいいの?」等々、悩みばかりが押し寄せてきてつぶれそうでした。
打ちのめされるような思いばかりでした。
でも私はいつも素晴らしい先生、ミュージシャンに出会えてその度にもう一度起き上がって歩いてみようと思えたのです。
最近では、「聞きたい」と言ってくれる人たちがいてくださって・・・・・・。
また、CDの話に戻りますと、結局私は自分を受け入れることができるようになったということなのだと思います。
「あんなに興奮していなかったら、もう少しマシに歌えたのに」と思うのじゃなく、その興奮もまた私自身なのだなあって。
そんなに興奮して嬉しかったなんてね、可愛いじゃないですか年甲斐もなく。
というわけで、やっぱりCDは作っておこうと思っています。
素敵なものになるのです

きっと。

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