中村屋の勘九郎さんと七之助さんが、公演を成功させたと言うドキュメンタリーをテレビで見ました。
公演は4部に分かれていて、出演者もスタッフも全て分けられました。
どこかで熱がある人が出たとなっても、公演全てが止まることがないようにと言う心配りです。
もちろんお客様も、その度に総入れ替えです。
ほぼ1ヶ月間、コロナ患者を出さずに成功を遂げました。
そして、本来ならその後、全国を回るツアーがあるはずですが、流石にそれはできません。
それで、浅草寺の五重塔の前で「連獅子」を舞い、それをオンラインで全国の人に見てもらえるようにすると言う計画を立てます。
録画ではなく生配信なので、お天気に左右されるリスクのある計画となりました。
それでも、浅草寺には代々の襲名披露のおねり等の大切な思い出があり、お世話になったと言う気持ちがあるので、浅草寺を選んだのです。
コロナには最大の注意を払いながら、稽古をし、進めていきます。
七之助さんは「10年ぶりだよ。毛振り、できるのかなあ・・・・」と言っています。
「毛振り」と言うのは 2mほどもある毛を頭につけ、それを振り回すことを言います。
なにせ、2.5キロもあるそうですから、体も大変ですし、息もできないほど厳しい技だろうと思います。
お天気が怖い。
雨で降ろうものなら、衣装ももちろんですが、この「毛」が水を含んでとんでもない重さになってしまいます。
かなりリスキーな計画ですよね。
で、当日。
前日は雨だったのに晴れてくれました。・・・・・と思っていました。
恐ろしいことに、始まる直前にポツポツと降り始めます。
本降りにならないことを祈って舞台に出ていきます。
残念ながら、雨脚はどんどん強くなっていきました。
舞台の上に雨がたまり、滑る危険があります。
お三味線も太鼓も 皮で出来ているので、雨を含むとダメになります。
獅子の毛をつける直前、舞台から引っ込んだ時に、プロデュースする方から「中止にしましょう」と提案されます。
けれど、勘九郎さんはそのまま続けることを望みます。
雨で滑りそうな舞台へ七之助さんと二人、出ていきます。
さ、毛振りです。
上からの雨に打たれると同時に、舞台に溜まっている雨を掬うかのようにしながら、延々と、毛を振り回すのです。
そうして、終わりました。
勘九郎さんは終わってすぐ、後ろで演奏していた人たちのところに向かいます
「大丈夫ですか?」
「大丈夫なはずないよね・・・・・」
七之助さんは「死ぬかと思った〜」と言っていました。
誰かが「歌舞伎役者は命を削って演じている」と言っていたのを思い出しました。
また、演じていなければ何の役にも立たないのだとも。
だから、演じることのためには、命を削るような思いをするんだなと思いました。
そういえば、猿之助さんも奈落の機械に巻き込まれた時、腕は折れて衣装がしまってもう危なくなった時も、「お客様がまだいるから」と声を上げなかったと。
スタッフが気づかなかったら命さえ危なかったと言う話を聞きました。
コロナのおかげで、私たちはみんな、いかに生きるかを真剣に考えざるを得なくなっています。
私の会社は工場なので、リモートができません。
現場で頑張らないといけないのは、医療従事者だけではありません。
大抵の人が、現場で頑張らないといけない。
コロナが怖い、けれど、頑張らなければなりません。
早く良いお薬ができてほしいですね。
ワクチンも。
やがてはインフルエンザのように予防とお薬である程度はコントロールできるようになるのでしょうが、インフルエンザでは今も、年間3325人(2018年)の方がなくなっているそうです。
インフルエンザ関連(もともと基礎疾患があった人)となると、約1万人の人がなくなっているそうです。
意外に、今までのコロナ以上の数字になっているのです。
毎年、ここにコロナの患者が増えると 医療はとんでもない状態になるのは明らかです。
私たちが、本来の仕事や生活に全力を出せる日々が早く戻ってほしいです。
そうそう、この間、定期検診で血液検査をしたら、イギリスに行く前よりいい数字になっていました。
あちらでめちゃくちゃ歩いたのがよかったんだと思います。
やっぱり、もっと歩かなくちゃ〜〜。
明日から、勇気とやる気を鼓舞しても少し歩くよう心がけたいと思います。

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