母に言わせるとその靴は「かかとが三枚に分かれちゃってて、もう履けない」靴だったみたいです。
それを父は「ワシがせっかくずっと履いて、やっと履きやすくしたのに、捨てられちゃった」と嘆いていました。
それくらい違う二人でした。
父は田舎育ちでガキ大将。
お洒落なんて全然興味がなく、靴も履きやすいのがいい。
一方の母は神戸っ子のお嬢さん育ち。
なにせ、靴を誂えていたんですからね。
とってもお洒落な人で、若い頃は1日たりとも同じ髪型だったことがなかったなどと言っていました。
服にもこだわりがあり、特に襟の抜き加減がうるさかったのです。
また、ブローチ一つつけるのにも、位置と角度が決まるまで、付け直していました。
それを思う時、私は父に似ているなと思うのです。
お洋服のこだわりは、ファッションとしてのこだわりじゃなく「きちんと作られているかどうか」のこだわり。
つまり「ものづくり」のこだわりですね。
で、最近の服は正直 手抜きが多く、ほとんど興味がなくなってしまいました。
感動がないんですもん。
というわけで、お化粧にも興味がなく、適当なことをしていました。
でも、面白いですよね。
そんな私の娘はきちっとお化粧をしているだけじゃなく、とっても楽しんでいるのです。
いろんなカラーの諸々(?よくわからない)を持っていて、色々違ったことをして(これもよくわからない)楽しんでいるようです。
私は、仕上がった時に「違うな〜」というのだけわかります。
なにせ、私がほぼお化粧をしていなかった、彼女が小学生の時に、すでに興味があったそうなのですから、本当に不思議。
その娘に「よくそんないい加減なことをているね」と呆れられていた私です。
でも、先日 ちょっと丁寧にやってみただけでどうやら彼女の目に違って見えたようでした。
「そっか〜〜〜。丁寧にするだけでいいんだ」と こんな単純なことを発見したのです。
「丁寧に」
それだけで違うんならちょっと時間をかけて、丁寧にファンデーションを塗って、眉を描こうと思います。
昨日はアイライナーを買いに行きました。
薬局の女性が一緒に「丁寧に」選んでくれたのです。
今からお化粧をして、試してみますね。
さて、この「丁寧に」。
これは父から教わっていました。
父はとても温かで美しい字を書く人でした。
「どうしたらそんなに綺麗に書けるの?」と聞いたら父は
「ゆっくり丁寧にかく」それだけでいいんだと教えてくれました。
「丁寧に」
それだけでいろいろな問題が解決しそうです。
なあんだ。そっか〜〜〜と とまた単純なことを発見し、ちょっと反省。
今からお化粧を試してみます。
「丁寧に」ね

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