若い頃からお香が好きで、特にお天気が悪い今日のような日は朝からお香を炊いていました。
といっても、私のは本格的なものじゃなくお線香のような形のものです。
先日、梅田の古書店街を歩いていたら、お香の専門店がありました。
この辺りはリニューアルされ、古い怪しげな雰囲気は無くなりましたけれど、古書店が綺麗になり、入りやすくなっています。
そこにお香屋さんができていたのです。
お香の専門店。久々に見つけました。
お香のメーカーが 新しいものを作り、デザインも素敵にして、直接売っているようです。
なんだか楽しくなって友人に買って帰りました。
新春にふさわしいパッケージの今の季節の香りが売られていたのです。
その考え方が新鮮でした
で、また今度は雑貨屋さんで カッコよくデザインされたパッケージのお香を見つけて買ってみました。
この二つの箱はセットになっています。
マッチのように見えるものがお香です。
そして、マッチにもなっていて、そのまま擦ってお香をつけることができるのです

マッチとお線香を合体させるなんて、便利で楽しい発想ですね。
左の箱に入っている黒い丸いものは マットです。
お香立てがなくても、この上に寝かせれば 消えずに最後まで燃えてくれるというわけです。
そして、名前が「hibi=日々」。
きっと「日々 香りを楽しんでくださいね」ということなのでしょうね。
香りを楽しむということが日常的なことになったら素敵だな・・・と思っているのが、名前からも感じられます。
ロゴ(?)らしきものは 日を重ねてあるのですよね、お洒落ですね。
とにかく感動しました。
こんな風にね、いろいろなことを考えて作られているのが分かったからです。
香りは7種類あって、マッチの頭のところの色を変えてあります。
だから、色を見たらなんの香りかすぐにわかりますね。
そして、お香立てがなくても楽しめるようにマットがついています。
最近はマット付きで売っているものも多いようですけれど、そうすると、お香立ての中に残った「燃え残り」をもったいないと思うこともいらないし、別にお香立てを買う必要もありません。
ちょっとしたプレゼントに使うにも、この一箱さえ買えば心配要りません。
「10minutes aroma」と書かれているのにも、コンセプトを感じます。
普通に売っているものよりも少し短いのです。
わざわざそれを書いている、そして10分間というところに 思いが詰まっているのだと感じます。
調べてみると 神戸マッチというマッチの会社が販売しています。
作っているのは淡路島のお線香屋さん。
そこにデザイナーが噛んでいます。
この3者が同じ思いで 何度も話し合い、試作をし、問題を見つけては改善し・・・・を繰り返したのだろうと思います。
このマッチ型のものはお線香ですから、擦り方が悪いと折れてしまいます。
お客様にあとは委ねないといけない。
そのギリギリのところでこの形になったのだろうと推察し、そのことにも感動するのです。
なにせ、私たちも、そんな風にいろんなことを考え試作し、時には言い争ったりしながら新製品を作っていますからね。
最終、全員が「これだ」と思うまで、諦めずに頑張ってこのお線香ができたんだろうなと思うのです。
新製品と言いながら、アイデアを形にしただけのようなものや、あるいは多少考えられているけれど・・・・というものが圧倒的に多い中、久々に良いものを作っている方々に出会った気持ちで清々しいです。
コロナで世の中が疲弊しています。
これからは「安い、圧倒的に安い」ものが蔓延することでしょう。
それが悲しい。
私もお金があるわけじゃないから、安いのはありがたいけれど、その向こう側で安い賃金で働くほかない人たちがいたり、モノを大切に思わなくなる心が育ってしまったりするのじゃないかと。
物を捨てることを罪に思わない人たちが増えるのではないかと心配になります。
愛着を持って、大切に長く使ってもらえるものづくり。
それをこれからも していきたいです。
あ、もちろんお香は消えるところに意味があるのですけれどね!!

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