今日は堺市で催されて居た朗読会に行ってきました。
仲良しの中野順哉さんの脚本で、千利休のお話です。
堺市のサンクスエア堺というところにあるホールで行われたのですが、そこが中々良かったのです。

特に何があるわけでもないこんなサークルになった遊び場(?)があったのです。
スケボーをする女の子、小さな子供を連れてきている人たち、地べたに座ってぼんやりしているおじさん。
こういう広場って、いいなあ〜〜。
こんな広場を作ろうという精神が素晴らしいなあ

しかもその横には小さなバラ園があったのです。
大阪城は変に綺麗にされてしまって、こういう場所がどんどん減って居ます。
みんながそれぞれの思いで好きに居られる場所です。
気持ち良くなって朗読会に行きました。
これが凄かった。
中野さんの脚本は 言葉やプロットが練りに練られていて、ぐいぐいと引き込まれていきます。
音響が、つまり響きが良すぎて聞き取りにくいところがあったのは残念。
秀吉という人物は 低い身分からどんどん昇り詰めていきましたけれど、人は権力を持つほど、猜疑心も強くなり、身内までも疑う様になってしまいます。
秀吉もまた。
この朗読劇は そんな秀吉の弱さを描いて居ます。
千利休がそれを指摘するのです。
そのセリフが凄かったのです。
そして、本当に感動しました。
千利休は言います。
「あなたという人は弱い。実に・・・・弱い。」
そう言い切って、続けます。
「人が強くなるためには、多種多様な人とともにいなければならぬのです」と。
そして続きます。
「この国が輝いているのは、四季による彩りの違いがあるからでございます。
海が輝いているのは、様々な魚とともにあるからでございます。
川が輝いているのは、あらゆる時とともにあるからでございます。」
ここでやられちゃいました。
この言葉は 秀吉に限らず、私たちみんなが常に意識していきたい様な言葉です。
私たちの生き様、暮らし方が 国を、海を川を そしてもちろん私たちを強くし輝かせるのだということ。
私には宇宙のセオリーと言っていい様な言葉でした。
そして、今、ロシアで起こっている数々の不審死や戦争。
多種多様の人の存在を許さない体制は 弱いからなのだという思いを 改めて強くしました。
いいえ、ロシアだけの話ではありませんよね。
この朗読劇を通して、私は今を生きている私たちの日々の暮らし方、社会のあり方について考えることになりました。
このコロナ下で、また戦争が起こり、緊急だからと特別な生き方を迫る人もいます。
でも、本当に大切なものはもっと奥にあるし、広いところにあって、それは千利休の時代であっても私たちの今であっても、そしておそらくは(希望としては)未来にも大切にしなければならない様な摂理だと感じたのです。
こんな書き方だと、とっても硬い感じですが、朗読劇ですからね。
もっと詩的だし、3名の声優の方々がうまくて、特に千利休はそこに存在して動いているかの様でした。
照明も、バックで演奏しているピアニストも素晴らしかった。
ああ、そして台詞やナレーションはリズミカルで生き生きして居ました。
そこには音楽の根源となる様な生きたうねりがありました。
本当に素晴らしい朗読劇でした。
今回は脚本力の凄さを感じ、またプロのみなさんの生の実力の凄さも感じました。
そして一つのステージは いろいろな人の力が集まり、それらが反応しあってその時だけの生きた物語を生み出すのだと思いました。
ああ、でももう眠くなってきました。
今日はここまで。
おやすみなさい。

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