Mo'Chotto : あと少し足らない男のレポート

hellsDeptのfacebookをご覧のみなさまはご存知かと思いますが、
今回製作した「ラスボス」が量産化されることになりました！



一応、それを見越してバラバラに出来るように作っていたので
願ったりかなったりです。

この写真では省略していますが、これにリアの板バネ部品が
追加された状態になります。


予定では限定30個とのこと。

まだ生産には入っていないようですが、完全限定でやるそう
ですので、お早い目にご予約ください。

ご予約やお問い合わせはアティックトイズさままでお願いします。

番外編。

このモデルは、故チョウジロウ氏が生前に創りかけていた「サイクロプスバス（仮称）」をJDC13さんが発掘し、DoubleLoser(s)が完成させたものです。



未完成で発見されたもの故、氏がどのようなカタチで完成させようとしていたかは定かではありません。そこでJDC13とDL(s)との間で会話を重ねてストーリー仕立てにし、それに沿ったデザインで完成させました。


モデルは、塗装前の武器も装甲も持たないロールアウトしたままの状態で完成としています。ここから先はストーリーでは書きませんでしたが、おそらくCDCは武器を調達し、装甲を重ねてシタデルに向かったと思います。（あるいはもしかしたら、素手で立ち向かったかもしれません！）皆様でそんな姿を自由に想像していただけると本望です。

Chojiro D Crazyに捧ぐ。DoubleLoser(s).

たったその一言だけを残してコクピットに収まったCDCは、誰にも伝えることなく、振り返ることすらなく行ってしまった。武器の一つも積まずに。

しかし、それから3日経ち、1か月経ってもCDCは帰ってこなかった。

DL(s)は「16気筒なんてアホなエンジン組んだからガス欠したか？」「まさか4基とも壊れたか？」「車高をガッツリ落としすぎてスタックしたか？」などと悩み続けていたが、ヘルズデプトシティーの他の者は全然違うことを考えていた。

「CDCは、いまごろシタデルにたどり着いて、イモータン・ジョーをシバきまくってるわ。ほんでそのままシタデルを支配してるんとちゃうか。CDCは本物のキングやしな、ヘルズデプトシティーだけやと飽きたんとちゃうか？」



---------------

以上です。
お楽しみいただけましたでしょうか？

シャシーに足回りを組み、エンジンを組み付け、ボディーを載せて、これから塗装に入ろうかという時にDL(s)は重大な問題に気が付いた。

「これ、一人しか乗れへんやん・・・」


ヘルズデプトシティーでは、出撃の際には当然の様にCDCとJDCの2人で行動することになっている。このままではとてもマズイ。どちらかが乗れなくなってしまう。DL(s)は車両を前に悩んだ。誰にも言わずに悩んだ。三日三晩、睡眠時間を7時間に減らして悩んだ。しかし4日目の朝、総帥CDCが工房にやってきたので、おそるおそるこのことを打ち明けた。CDCは少し思案して、一言だけつぶやいた。

「ええよ、俺だけで行くわ。JDCとお前はヘルズデプトシティーでやることあるやろ」

ようやくシャシー関係の目処が立ってきたところでボディーの制作へと移るDL(s)。ボディーを造る前、彼はCDCから一つの約束事を託されていた。

「ええか、こんな世の中やからこそ美しいモン造れ。ツギハギだらけの、その場のノリで造ったようなクルマやなく、計算された完璧なモンを造らんとあかん。そういうモンだけが世界を変えていけんのや。考えろ、ひたすら考えろ。ここには大した資源はないかもしれんけど、お前の頭の中は無限や。」


それに応えるようにDL(s)は考え抜いた。毎晩の睡眠時間を8時間に減らして考えた。
“白い粉にまみれた世界”
“コウモリと呼ばれている我々”
“サイクロプス”
“完成された完璧なもの”・・・
そしてこれがDL(s)の回答だった。

「ラスボス」

このディストピアをまとめ上げる、最後の車である。