※画像をクリックしていただくと項番と名前が表示されます、が文字がガタガタなんで読めないかも
さて、ちょいと間が空きましたがサメの身体能力についてお話しましょう。
1. 吻/鼻/ロレンティニ瓶
頭の尖った部分を吻(ふん)と呼びます、様々な感覚器官が集中してますがその中でも特化した能力が
鼻と
ロレンティニ瓶です。
鼻は皆さんご存知だと思いますが、ものスゴく利きます100Lの水に1滴の血にも反応できます、ハンマーヘッドは更に含有率の低い状態を嗅ぎ分ける為にあのような特殊な形状の頭になったのではないかとも言われてます。サメに限らず生物は臭いに頼った補食活動が多く見られます。
特殊な器官としてエイとサメにしかないロレンティニ瓶と呼ばれる器官があります。これは極微かな電気に反応するもので、動かないでいても生物は微量の電気を発しています暴れたりしたら尚更強い電気が発生して引き寄せることになります。カメラのフラッシュのチャージ時に発する電気にも反応するのでは?と言われてます。ですが水、特に伝導率の高い塩水はすぐに電気が拡散してしまうので遠距離にいる物体には反応しにくいです。
この器官は確かに補食活動に関して言えばあまり役に立ってないように聞こえますが、これは地球の電磁場を感知して回遊しているのではという仮説があります、事実、電磁場の非常に強い場所にハンマーヘッドの大群が目撃されているという観測結果が多数あり、この仮説の裏付けになっていると言えますね。
2. 目
彼らは鼻はやたらと利くのですが目はあまり良くありません。色域が狭くモノクロに近い状態で見えます。しかしタペータム(ネコやイヌの目が暗闇で光ってるように見えるアレです)が備わっていたりで集光能力が高く、海面から入ってくる影などにはスゴく敏感です。ホホジロなどはアザラシなどを補食しますがサーファーがボードに乗ってパドリングしてる姿は
サメから見ればアザラシそっくりらしいです(ってサメにどうやって確認とったんや?)この為場合によっては、むしろダイバーより海面に浮いてる海水浴客やサーファーのほうが危険です。因にメジロザメ目は瞬膜という
まぶたのようなものがあり補食中に暴れた餌にやられないようこれを閉じます、噛み付いた時に白目をむいたように見えることからメジロと呼ばれるようになりました。
3. スキン
サメ肌です、ザラザラで紙ヤスリやおろし金に使ったりします。
ウロコらしいウロコはなく楯鱗(じゅんりん)と呼ばれる細かい突起物の集合です。一つ一つの突起物が歯の構造と同じなので、この楯鱗が変化して歯になったと考えられてます。ツルっとした肌では逆に乱流が起り易くかえってスピードダウンの原因になり、楯鱗が乱流を押さえています。最近の競泳水着はこの楯鱗を模して創られた素材を使っており、オリンピックなどで「
モジモジ君」みたいな選手を見るのはこの素材が開発されたからですね(人の肌より抵抗が少ない)。
4. 口
歯を持った殆どの生物は頭蓋骨に歯が固定された形になってますがサメは骨の殆どが軟骨でアゴの硬骨も頭蓋骨に固定されていません、筋肉などで支えられているだけなので割と自由に歯茎から動きます。なので普段は上図のように歯はあまり見えていませんが、補食時にはこう
グワッ!
っと歯茎ごと飛び出してきます。

歯の形状にも幾つかあり、針状のような物やナイフ状の物もあります。針状の物は餌を一撃で仕留める為、ナイフ状の物は肉をえぐり獲る為に進化した物です。
5. 鰓孔(さいこう)
まぁ所謂エラです、ただ、他の種と違いフタのような物で覆われているわけでなく殆ど剥き出しの状態です。普通、魚は口やこのフタをパクパクさせて水をエラに送り酸素を得ますがサメ達はこれが出来ない者が多い(遊泳性)ので一般的に「泳いでないと呼吸できない(押し込み換水)」と考えられてますが、体内器官を上手く使ってポンプのように水をエラに送り酸素を得るといった底棲性のサメもいます。
6. 鰭
サメの美しさを語るのに外せないのが
ヒレですね。全体として戦闘機のような形態、印象深い背ビレ、異尾(上下非対称の尾ビレ)、流体力学において最高峰のスピード&バランスを誇っているといってもいいでしょう。サメの中で世界最速の
アオザメはこのヒレを駆使して巡航速度40km/h瞬間最速70km/hという記録も残ってます。
また
ニタリという尾長ザメは全長3mに達する者もいますがその半分を尾ビレの上葉が占めているので実質小型に属するサメと言え、人に危害はありません、これはヒレを補食にも使うといった変わったサメでその長〜〜〜いヒレで小魚を
ブッ叩くそして気絶した者を食べるといった変わった狩猟方法です。
7. 浮力
普通魚は鰾(ひょう)という浮袋を持っていてこれにはガスが充満しており浮力を保ちます。しかしサメにはありません、その代わり大きな肝臓を持っていて、水より比重の軽い
スクワレンという油分に満たされています、彼らはこれで浮力を保っていて500kgの体を持つ者でも水中では3.5kgと非常に精度の高い中性浮力を持っていますね、この辺はダイバーとして見習うべきです(べきなのか?)。
え〜長々とスミマセン、最後まで読めたアナタは既にサメに興味を持ち始めてます、次回はサメ以外の危険生物の記事を一つはさんで、もう少しサメの実態を書こうと思います。

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