いいかげん、サメ特集を書かなければと思いつつ、今回も危険生物(サメ以外)です。んでもって今回は
ヒョウモンダコです。
漢字で書くと豹紋蛸です、多分。そのまんまヒョウの紋柄のタコですが、コイツはかなり危険です。咬まれると
90分で死んじゃうかも
ってくらいヤバイ奴です。普段は紋はこんなに青くなく興奮すると鮮やかな青色に発色します、なので青くないからヒョウモンダコじゃないと思ったらダメです。
体長は大きくなってもせいぜい10cmくらいですが、餌を捕獲する時に使う
毒が強力です、フグと同じ
テトロトドキシンという毒で相手を痺れさせるか殺してエサを獲ります。噛み付いた口から毒を注入するのですが、フグを食べて毒にやられるのと違って血中にダイレクトに入ってきますから即効性です。咬まれると5分〜10分で患部周辺がマヒし、やがて首や顔にマヒが広がり、重傷の場合は嚥下障害(舌などの筋肉がマヒして、舌がのどへ脱落してしまうことです)や言語障害が起こり、呼吸困難になります。
心臓に対して刺激伝導系(心臓に対する動作命令だと思って下さい)の障害を起こし、心臓衰弱などで死亡することもあります。
さて、この
テトロトドキシンですが、フグの食べ方を見れば分かりますが、
煮ようが焼こうが毒の性質は変わらないといったやっかいな性質を持ってます(福井県でヌカ漬け(?)だったか、卵巣を食する方法がありますが基本的には何やっても無駄と思って下さい)。これは構成してる物質がタンパク質でないので熱を加えても無駄ということです、タンパク質で構成されている毒はタンパク質が42度で崩壊するので加熱すればOKです、「
人の体温が41.9度を超えるとどんな屈強な人でも死ぬ」と保健体育で教わったと思いますが何故41.9度なのかはこれが理由ですね、だから体温計は42度までしか目盛がありません。
さてさて、もし咬まれた時の対処方法ですが、患部を42度以上に熱しても(テトロトドキシンには無駄)ヌカ漬けにしても(毒が抜けるまで待ってられません)
ダメですよ当然。
1.毒を吸い出す
ポイズンリムーバー(注射器みたいなやつです)があれば使って下さい。仕方なく口で吸い出す場合は血を飲まないように。
2.血管を塞き止める
患部から心臓に近い部分を押さえて毒の進行を止めましょう。
3.病院へ直行
すぐに病院へ、モタモタしてる暇はありません。
これくらいですね、特にダイバーは緊急浮上してもいいくらいではないでしょうか?海中での呼吸困難は死に直結しますからね、のんびり安全停止なんて余裕こいてる場合じゃありません、心臓麻痺の前に溺死します。
浅い場所に棲息して引き潮の時に潮溜まりに取り残されていたりしますのでダイバーでなくても危険な場合があるので御注意。
もともとは沖縄以南の場所にいたタコですが、最近は地球温暖化のせいか関西の海にも出没するようになりました、大阪湾や串本などでも確認されています。

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