我が家は山の中にあるのですが、市街地へ行くのに近道があります。
小○沢トンネルというのがありまして、かつては「お化けトンネル」と呼ばれていました。そう、…出る…との噂があったのです。なにしろ、岩を削っただけで壁はガタガタ、しかも、その壁には誰が描いたのか大きな顔の絵(笑)。幅は車1台分で、交互通行しかできないようなトンネルだったのですから。
また、そのトンネルは、山を登ったところにあります。けっこう険しい道で、冬ともなると、1シーズンに2,3台は道をはずれて落ちたり、道を曲がりきれずに木に激突したりする車を見かけます。
壊れないまでも、滑って登りきれない車は毎度の事…♪1台が登れなくなると、他の車の滞って、そこから登れなくなり…冬はなかなかの修羅場でした。
今はその少し下に新しいトンネルができました。りっぱで明るく、車もすれ違う事ができます。道も険しくならないうちにトンネルに入るようになったので、ここ数年は立ち往生する車を見かけませんでした。でも、この前久々に遭遇しました!
市街の方からトンネルを抜け、我が家へ向かう道を下ろうとしたところ、車が停まっています。対向車線には3台の車。
「ああ、登れない車があるんだな」すぐに感じた私は、すぐに車を停め、困っている車のところへ行きました。
その車は、懐かしい…本当に懐かしいスカイライン。車体にはサビも見えますが、とても大切に乗られているのが分かります。
タイヤを見ると…これまた何年も大切に乗ってきたようなスタッドレス…(^^ゞ
このタイヤでFRなのですから、よくもまあここまで登ってきたな、という感じです。
私が来る前から4人でがんばって押していたようですが、なかなか進みません。砂をまいては押し、また砂をまいては押し…の繰り返し。私たちががんばっている横を、何台もの車が通り過ぎていきます…。
悪戦苦闘の末、車は無事ロードヒーティングで雪のないところまで!私たちは思わず握手をし合っていました。車の所有者(これまた人生を大切に歩んできたのを感じる、老紳士♪)とも握手。車はトンネルの中へと消えていきました。
その老紳士も、車を押していた3人も、名前はお互い分かりません。でも、「困った時はお互い様!」の気持ちと、物事を成し遂げた後のすがすがしさを共有する事ができました。
ん〜、握手って、いいよね♪

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