吾田高志。魂のテナーマン。
ジャズ、ラテン、ファンク、そのほかにも、様々なジャンルで、
私たちとハーモニーを奏で、熱いソロを聴かせてきました。
転勤や発病で、しばらく一緒にできなかったのですが、
1年前に帰郷したのをきっかけに、またライブをやろう、と企画していました。
残念ながら直前に病気が再発し、実現しませんでしたが、
復帰した時には必ずやろうと、常に準備をしていました。
しかし
10月26日(日)昼過ぎ、ガンとの壮絶な闘いの末、他界しました。
享年46歳と1日。
死亡時刻が特定できないほど、静かで安らかな最期だったそうです。
28日(火)には、仏教の通夜に当たる『前夜式』(彼はクリスチャン)が行われました。
私たちJust Friends Quartetと、私と同じく長年共にハーモニーを奏でてきた、
盟友河合修吾の5人で、献花(仏教式の焼香)の際にBGMを演奏しました。
1 Wise One
3管ジャズバンド”G−Bop”をやっていた時、
控えめな彼が、唯一「やりたい!」と主張し、練習をリードした、
コルトレーンの名曲。キトーさんのソロでお聴きいただきました。
2 Little Sunflower
3 Stolen Moments
G−Bop時代に、何度も演奏した曲で、
3人(3はピアノと4人)で作るハーモニーが、
本当に気持ちよく響く曲。
吾田のパートは、誰も吹きません。
吾田の音色を、皆さんの心で感じてほしいから。
彼のアドリブコーラスも、ちゃんと用意しました。
肉体から開放された彼が、思いっきり演奏できるように。
1コーラスじゃ、短かったかな。
4 Amazing Grace
奥様からのリクエストもあり、教会らしい音楽を選びました。
最初は私のメロディー、そして、ボサノバ風にアレンジして演奏しました。
5 聖者の行進
この曲もリクエスト。セカンドラインの曲なのに、
お別れする前に演奏していいのかな?と思いましたが、
途中から牧師さんの歌も入り、盛り上がったので、
あいつも喜んだことでしょう。
亡くなる前日が、彼の46歳の誕生日。
この日は私たち、ライブだったのですが、
3管で『Blue Train』を演奏しました。
この曲、吾田が「オルタネートテイクが聴きたい」というので、
8月にCDをプレゼントした曲です。
録音を聴かせられなかったのが残念ですが、
魂で物事を感じられる彼のことですから、
きっと聴こえていたことでしょう。
弔辞で奥様が言っていました。「彼は、蝶になったのだ」と。
我々は、まだ青虫として、葉っぱをモグモグと食べて、その日まで暮らします。
お葬式には、たくさんの方々がお見えになりました。
誰もが彼を愛し、
そして、誰もが、彼に 愛されていました。
すてきな思い出を、どうもありがとう
君と奏でたハーモニーは、ずっと私たちと、
聴いてくださった皆さんの心に 残っています
おつかれさま ゆっくり休んでね

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