今思い返してもあの車だけは特別な思い出がある。
特に目立って人気でもなければ、最高に速いわけでも綺麗なわけでもないのに。
何故か時々思い出す。
ずっと前コンビニなどに置いてある無料の中古車小冊子をもらってパラパラめくっていた。
普通の国産車の並ぶ写真の中に不細工のような、愛らしいような車が目にとまった。
アウトビアンキアバルト 45万円
当時通勤の足として10年落ちの国産軽1BOXに乗っていたのだが、何故かこのアウトビアンキが気になった。
別に当時珍しいわけでもなく、高価でもなく45万が安いわけでもなかった。
休日に先方にTELをしてから嫁を誘いそれを見に行った。
どう見てもごくごく普通の国産中古車屋にそれはあった、正確に言うとそれはそこの売りものではなく、従業員の車だった。
見た目はまんまアウトビアンキ、色は赤色とゆうより夕焼け色、きっと屋外保管で色あせてしまったのであろう、しかし錆びは酷くなかった。
クーラーは壊れているらしい、E/gはとりあえず始動して乗ってみた感じはショックが抜けきっているのかボヨンボヨン、あとは10年落ちのあの感じ。
少しお化粧されておりフロントの黒い樹脂のバンパーが無く、オーバーフェンダーが追加されグラマラスになっているぐらいで別にお買い得な事も無かった。
いつもは僕の変態振りに批判的な嫁が何故か買ってもいいと言った。
しかも費用は嫁が払うって言い出す、彼女はM/T車など乗れるわけも無いのに。
何故か色々な旧車で苦労や勉強をしてきた僕が慎重さもなく即決していた。
夕焼け色のイタリアのピッコロに・・・・
