はい、昨日の続きです。
神社の鳥居をくぐって、由井野と津田が登場する。
津田「...多分、ここら辺りだと思うんですけど...」
その時、下手からホームレス、登場する。足取りはフラフラで、
ホームレス「ああ...さっきのパンも、もう消化してしまった...せめて最後に「土屋」(*pnish*のtutiこと土屋裕一)に会いたかった〜...」
ホームレス、バッタリ倒れる。それを見た津田が、
津田「あ、あそこ!!」
二人、ホームレスに駆け寄り、
由井野「大丈夫ですか?!大丈夫ですか?!」
ホームレス「...うう...ん?由井野くん?」
由井野「...師匠?!」
津田「ええ?!何が、どうなってるんですか?」
由井野「この方は、僕の師匠でね、この神社の神主なんだけど、趣味の「刀剣集め」で借金をして、挙句の果てに神社のお金を使い込んで、捕まって以来、離れ離れだったんだよ」
津田「...笑えないですね」
由井野「戻っていらしてたんですね、師匠!」
神主「ああ、思ってたよりも早く出られてね。で、行く当ても無いから、またこの住み慣れたココに帰って来たってワケさ」
由井野「師匠!(と両手を広げて)」
神主「由井野くん!(由井野と抱き合う)感動の再会だー!!」
由井野、神主を突き飛ばし、
由井野「臭っ!!!師匠、何日お風呂に入ってないんですか?!」
神主「さあな、日数なんて数えたこともないし。それより、何で由井野くんがここへ?」
由井野「実は人に頼まれて、戦国武将の霊を次々に光臨させたんですが、その霊たちに身体を乗っ取られてしまい...」
神主「何やってんだか...」
由井野「でも!ここで師匠に出会えるとは!師匠の力は半端ないですからね!これも天の助け!師匠、どうか僕たちに力をお貸しください!」
津田「お願いします!」
神主「(即答で)やだ!何で俺がそんな事しなきゃならないんだ?」
由井野「師匠!」
神主「あのな、俺が由井野くんに、何かしてもらったか?何もしてないだろう。しかも、「面会」にも来てくれなかった!!」
由井野「後で、ちゃんと見合ったお礼をしますから!」
神主「とう!!(由井野を突き飛ばし)人にモノを頼む時は、そういう事は先にしろ。そうしたら助けてやる」
由井野「(小声で)神主のクセに「超現実主義者」。だから横領とかやっちゃうんだよ」
神主「何か言ったか?」
由井野「いいえ!」
津田「本当に、後できちんとお礼はします。どうか、助けてください!」
由井野「津田くん、その人は「口約束」とかは絶対に信用しない人なんだ。...こんな所で時間をくってる暇は無い。秀吉の所に戻ろう」
津田「...はい」
立ち去ろうとしている津田を見て、
神主「おい、お前!...もしかして、パン、くれた奴か?」
津田「?...そうですけど?」
神主「うわー!何てこった!「借り」を作っちまった!!」
由井野「何かあったの?」
津田「いや、あの人、お腹空いててフラフラだったんで、僕のパンをあげたんですよ」
由井野「津田くん!君は天才だ!ナイス・ファインプレーだよ!(神主の方に向き直り)師匠!趣味の「刀剣集め」で借金をし、挙句に神社の金に手を出して捕まった事、忘れてはいないでしょうね?」
神主「いや...あの...」
由井野「「借り」はすぐに返さないと!さあ、津田くんに借りを返すんです!」
神主「...でもそれって「パン1個」でやる事か?」
由井野「何を言ってるんですか!こうしている間にも、津田くんへの利子は、付き始めてるんですよ?それに師匠、刀を盗まれていますよね?」
神主「そうだった!!」
由井野「信長の霊たちが、盗んだんです!だから、お願いします!手を貸してください!」
津田「お願いします!」
神主「.......しょうがない。手を貸してやるか」
二人「ありがとうございます!」
神主「それにしても、事態は大分悪そうだな?」
由井野「はい。「コールド負け」寸前の試合を、ひっくり返さなくてはなりませんから」
神主「まあ、事情を説明しろ」
由井野「じゃあ、秀吉さんの所に帰る道で...」
神主「ああ、待て。相手が悪そうだ。ここは...(とセットの下をくぐって行く)」
由井野「秘密の抜け道ですか?...うわ?!くっさ!!」
神主、秀吉と合流する。
由井野「僕たちはついてる!師匠の霊力は半端ないからね!」
神主「(松浦に向かって)太閤秀吉さん、お会い出来て光栄です。ゆっくり武勇伝でもお聞きしたいところですが、どうやらその時間もなさそうですね?」
松浦「うむ。ワシが借りてるこの身体も、もう限界に近いわい」
中嶋「大丈夫ですよ!こっちには「天下人の秀吉様」がいらっしゃるんだから!」
松浦「これ!一度に四人も相手に出来るワケがなかろう!」
中嶋「じゃあ...どうしよう?」
由井野「(鍬を取り出して)中嶋くん、はい」
中嶋「おう!...て、おい!本物の刀持った「百戦錬磨の戦国武将」相手に、俺がどうやって戦えってんだよ!ってゆか、これ「鍬」じゃねえかよ!」
由井野「今は「普通の時」じゃないんだぞ!」
中嶋「...俺、死ぬぞ?」
津田「あのー、遺言とかあったら、僕が聞いておきますけど」
中嶋「そんな事言うんじゃねーよ!運が無くなっちまうだろ!」
松浦「お主は「蘭丸」を抑えろ。奴が一番劣る」
由井野「中嶋のバイタリティなら、なんとかなる。時間を稼ぐだけでいいから。(刀を取り出して)はい、津田くん」
津田「...あはははは〜...ですよねー?(泣)」
松浦「お主は、勝家じゃ」
津田「ええ?!「鬼武将」じゃないですか!!僕、あの人に恨みかってるし、超怖えぇ〜!!」
中嶋「お前こそ死んだな。何か言い残す事はあるか?」
津田「そんな事、言わないでくださいぃ」
由井野「大丈夫。津田くんには「武将」を光臨させるから」
津田「ええ?!そうなんですか?!」
朋希「ちょっと、由井野さん!」
由井野「術方が完成すれば、みんな「あの世」に帰るから」
中嶋「じゃあ、俺にも武将を...」
由井野「貴様は「霊感ゼロ」だって言っただろう!!」
松浦「(朋希を見て)で、お主は、ワシと共に上様と光秀を相手にしてもらう」
朋希「...あんたが、裏切らなきゃな」
由井野「言っておきますけど、朋希さんにも武将は降ろせませんから」
松浦「ま、なんとかなるじゃろう。こやつ、見所があるからのう」
由井野「皆さんが時間を稼いでいる間に、僕が必ず術方を発動させます。そして術が発動したら、師匠が僕に力を貸すと言うことで」
神主「俺の事は相手に知られていないからな。俺への関心はないだろう。その隙に必ず術を成功させる」
中嶋「何か、いい案だな、それ!」
松浦「お主が一番にやられてしまっては、どうしようもないぞ」
中嶋「はい...」
松浦「さて、上様たちはこちらに強力な霊媒師が付いた事は知らぬ。面食らうじゃろうなぁ。...しかし、この霊媒師二人の力が上様たちを上回るという保障もない。まともにぶつかっては「勝ち」は拾えぬ。「勝ち」を拾うには「桶狭間」のような奇襲しかあるまい」
朋希「おけはざま、って?」
由井野「10倍強い相手に勝った戦です」
朋希「そんな事出来るの?!」
松浦「ま、一か八かの勝負じゃな」
朋希「...なあ、兄貴。「衣装」って、まだ残ってる?」
中嶋「ああ、いい奴は、ほとんどあいつらに持って行かれちまったけどな」
朋希「こんな体験、二度とないんだ。この窮地を「最高のエンターテイメント」として、洒落込もうぜ!」
松浦「まったく、お主という奴は...」
津田「こんな窮地を楽しもうなんて、朋希さんイカす〜!」
中嶋「そうと決まったら、早速衣装を取りに行こうぜ!」
中嶋、津田、由井野、上手にハケる。
朋希「なあ、秀吉。...あんたを信用しても、いいんだよな?...天下を取ったのは、民の為だったんだよな?」
松浦「......(扇子をバっと広げて)天下を取る、というのは、最高じゃよ!!」
朋希「......」
松浦、朋希、中嶋たちの後を追う。
一方、信長の陣。
高杉「(鎧を着て槍を手にして)ワシにはコレが一番合ってるわい!」
幸田「「水を得た魚の如し」、ですね?」
高杉「(幸田に向かって槍を構えて)蘭丸!しばし「相手」をせい!!」
幸田、小刀を両手に持ち、
幸田「...柴田殿のお相手など、この私に、務まるわけがないでしょう!!」
高杉と幸田の殺陣。高杉の槍を幸田が片手の小刀で抑え、もう片方を高杉の首に突きつける。
高杉「...おのれ!!」
大塚(信長)と、浜崎(光秀)が現れる。
大塚「いい加減にせんか!!」
幸田「(刀を閉まって)この力は、この後の決戦に備えておきましょう」
高杉「解っておるわい!!...それにしても、(と自分の胸板を叩いて)この身体は線が細すぎるのう」
大塚「...それは、ワシへの当て付けか?」
高杉「いいえ!!滅相もない!!のう、蘭丸!!」
幸田「柴田殿は、十分だと思われますが?!」
浜崎「召し物を変えて、幾分マシになったと思うが」
幸田「そのようなご配慮は、いりませぬ!」
大塚「しかし、先ほどの着物(幸田の私服)より、いいじゃろう」
幸田「はい、それは...。しかし、この着物、少し趣味が悪いようで」
高杉「しかし、殿!!(浜崎を見て)何故にこのような「裏切り者」を側に置いておくのですか?!」
大塚「光秀は「裏切った」のではない。猿に騙されたのだ。この真面目な男が、自分で謀反など犯すはずがない」
高杉「そうであったか!おのれ、猿(秀吉)め!!...しかし、騙されるとは、何とも愚かな事を!」
大塚「まあ、そう光秀を責めるな。光秀はワシに「猿には騙されぬ」と誓ってくれたのじゃ」
幸田「「武士の誓い」は、命より重きもの。それはようございました」
高杉「しかし、殿。本当に猿たちはやって来るのでしょうな?!」
大塚「...来る」
高杉「その根拠は?」
大塚「「感」じゃ!!」
幸田「柴田殿、上様の感が、外れた事がありますか?」
高杉「それはそうだが...」
大塚「猿の事じゃ、おそらく「策」を練って来るであろうが、あ奴等はこの「身体」に傷は付けられぬし、霊媒師の力は我らに劣る。負けるはずなどあろうはずがない!!(と上手、上段を見て)のう、猿よ!!」
秀吉、朋希、中嶋、由井野が現れる。
松浦「いやはや、お待たせ致しましたな!上様!」
中嶋、自分の格好を見る。鍬を背負い、衣装は「農民」。
中嶋「...おい、何で俺だけこんな格好なんだよ?「農民コンプリート」じゃねぇか!」
朋希「しょうがないだろ?良い衣装は、みんなあいつらに取られちゃったんだから」
中嶋「俺、やっぱり着替えてくる!!」
秀吉、中嶋に鎌を構えて、
松浦「もう遅い!!それ!!(と、中嶋を突き飛ばす)」
高杉「うぬ?!(槍を構えて)」
中嶋「待て!お前じゃない!おい、蘭丸!!この中嶋様と尋常に勝負致せ!!(鍬を構え落とす)おわ?!」
幸田「...大丈夫ですか?」
中嶋「(なんとか鍬を構えて)お?何だ?!怖気付いたか?!」
幸田「面白い人ですね?」
大塚「蘭丸、相手をしてやれ」
幸田「...解りました。早々に始末して参ります」
中嶋、下手に走りながら、
中嶋「来い!蘭丸、こーい!!」
中嶋と幸田がいなくなり、
朋希「兄貴、大丈夫かなぁ...」
松浦「今は、自分の心配をせい!」
大塚「「策」は、これだけか?」
松浦「後は、拙者たちがお相手致す。...由井野、術の準備をせい!!」
由井野「はい!!」
殺陣。秀吉が信長と柴田の相手をして、朋希に光秀が襲い掛かる。
浜崎「(朋希を見て)またお前か!!」
朋希「(なんとか光秀の剣をはじき返して)俺...平和な時代に生まれた事に、感謝しなくちゃな」
浜崎「...お前、何処かで...」
秀吉が柴田を抑え、信長の剣をはじき返し、光秀の剣をはじき返す。
松浦「甘いな!!...小僧!油断するでないぞ!!」
しかし今度は、秀吉の鎌を光秀、柴田が押さえ込み、
大塚「(由井野に近づいて)甘いな!!......死ね!!」
由井野「え?!うわわわ〜?!」
??「(鉄扇で信長の剣をはじき返し、由井野を助ける)そうはいきません!!」
大塚「誰じゃ?!」
津田「...「石田三成」」
大塚「知らんな!!」
津田「とう!!(信長の顔を扇で叩いて、秀吉の下に来る)」
松浦「これ!殿に手荒な真似をするでないぞ!」
津田「太閤殿下に楯突く者は、この私が容赦いたしません」
松浦「困った奴じゃ...ではお主は勝家殿と当たれ!」
津田「承知致しました。...「鬼武将」柴田勝家殿、この石田三成が相手をしてやろう!」
高杉「おのれ、小癪な!待てい!!」
三成、勝家、下手にハケる。
松浦「三成、殺すでないぞ!!」
大塚「まだ「手駒」があったか。...だが、戦況は変わらぬ!!」
由井野「うわーーーー!!秀吉さーん!!助けて〜!!」
由井野、走って逃げる。追う信長。
松浦「由井野!ワシから、離れるでない!!」
二人を追う秀吉。朋希も後を追おうとするが、光秀が立ちはだかる。
浜崎「貴様の相手は、拙者だ!!」
朋希「...なあ、アンタ、良い人なんだろ?解るよ。なんで信長の言う事なんか聞くんだよ!」
浜崎「貴様に我の気持ちなぞ、解るか?!」
朋希「ああ、わかんねーよ!!でも、400年前にアンタがした事は、無駄じゃ無かったんだ!信長なんかに天下を取られなかったから、今の俺たちがあるんだ!...それに、その身体の持ち主には、関係ないだろ?頼む!みんなの身体を返してくれ!」
浜崎「うう...(頭を押さえ)くそ!貴様とは、戦いたくない!!」
秀吉、信長の後を追い、それを追って朋希も走っていく。
場面、変わって。
中嶋「ダメだ!これ以上逃げたら、術の範囲から出ちゃう!」
幸田「逃げてばかりですね?やる気が無いのなら、私は戻ります」
中嶋「(鍬を振り上げるが)隙あり!!おわ?!(鍬を取り落とす)」
幸田「まったく、なってませんね?では...覚悟していただきましょうか」
中嶋「うわーーー!!うわーーーー!!(と、一人で立ってる鍬を指差して)あ、立ってる」
幸田「...どうでもいいです!!(小刀を振るう)」
中嶋「(携帯電話を取り出して)ダメだ!!由井野さんに、助けを求めよう!......って、アイツ、何番だー?!」
幸田「...南蛮?!」
中嶋「...あれ?どうしたんですか?」
幸田「許さーーん!!」
中嶋「(逃げ惑いながら)うわーー?!何番、何番、お前は「なんばん」だーー?!」
幸田「(がっくりとその場に崩れ落ちる)......」
中嶋「...あれ?どうしたんですか?」
幸田「何故、私が「南蛮人」などに!!もっと、まともな男に降りたかった...」
中嶋「...そういう事か。確かに酷い顔...」
蘭丸、キっと中嶋を睨む。
中嶋「あ、いや、カラフルな髪型してらっしゃる」
幸田「私は、信長様のお側には、いられない...」
中嶋「蘭丸さんって、そんなに美しかったんですか?」
幸田「無論だ!!貴様などに...」
中嶋「じゃあ、蘭丸さんの「美しさ伝説」とかあったら、教えてくださいよ!」
幸田「......聞きたいか?」
中嶋「是非!!」
幸田「仕方ない!私が、いかに美しかったか、教えてあげましょう!...私は、本来...」
中嶋「蘭丸さん、向こうに座れる所があるんで、そこでゆっくり話しましょうよ!」
幸田「なるほど。(と、中嶋の後を付いて行くが)私は、本来...」
中嶋「向こうで座れますから、あっちで話しましょうよ。俺、着替えたいし」
幸田「(中嶋を無視して)私は信長様の...」
中嶋、落ちてた蘭丸の小刀の先で、蘭丸の尻を突く。
中嶋「向こうで話すって言ってんだろーが!!行くぞ!!」
中嶋、蘭丸、下手にハケる。
津田(三成)と高杉(勝家)。
高杉「(槍を振るいながら)なかなかやるな!!」
津田「あなたもね!はっ!!(と、扇を翻すが、ぽとりと落としてしまい、拾って)...はい?」
高杉「大袈裟な奴め!おりゃ!!(と槍を振るうが、三成に当たらない)」
津田「ははははは!...どうしました?(と勝家の顔を叩く)」
高杉「おのれ!おりゃ!(当たらない)どりゃ!(当たらない)おりゃーー!!(槍を振るうが、一向に当たらない)」
津田「どうした?」
高杉「「幻術」かー?!お主との間合いが掴めーん!!(津田の顔がリアルだから)切っ先が当たるかと思えば、お主は当たらぬ場所におる...ええい、構わぬ!!叩き斬ってくれるわーー!!」
津田「(槍をヒラリとかわし、最後の一撃。気絶する勝家を背負って)...なんだったのでしょう?」
さて、物語もクライマックスなんですが、今日はこの辺で。
明日は、全部書きあげます。いなくなった川上も登場します。お楽しみに。

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