HOBO'ｓ　BLOG

＜避難所生活で懸念される感染症　1＞ ◎急性下痢症（急性胃腸炎）急性下痢症には細菌性とウイルス性があり、この季節に多いのはウイルス性のもので、感染力の強いロタウイルスやノロウイルスに代表されます。 ＜症状＞主な症状は下痢、嘔吐、発熱です。 ＜感染経路＞主に糞口感染で広がります。糞口感染とは、便にある菌によって感染することで、例えば　おしりを拭いた手をよく洗わずにご飯を食べるなどの行為で感染することです。 感染した患者から排せつされた少量の便が原因で、2次感染が起こり得ます。 避難所等の、過密で衛生状態が十分に維持できない状況においては、感染の危険性がより増大する可能性があり、災害時に最も注意すべき感染症の１つです。 ＜対策＞まず、水分をこまめに少量ずつ補給することが大切です。 ウイルス性の下痢症の場合には、特別な治療法はなく、脱水予防と下痢に対する対症療法が基本となります。細菌性の場合は、抗菌薬の投与が検討される場合があります。 また、症状のある人の排泄物（使用済みおむつなどを含む）・嘔吐物の適切な処理、手荒い、汚染された衣類の消毒の取り扱いにも注意すべきです。 被災地では困難な場合も予想されますが、食事の準備や食前、排泄後、赤ちゃんのおむつ交換時などには、可能な限り手荒い

<避難所生活で懸念される感染症　2> ◎インフルエンザ 2月下旬頃から、B型インフルエンザの流行による感染拡大が見られていました。避難所等でも、B型を中心としたインフルエンザが集団発生する可能性があります。＜症状＞38度以上の高熱と、せき・のど痛などがある場合は、インフルエンザを疑って下さい。発病者は場所を別にした方がよいのですが、状況によっての判断となります。 ＜感染経路＞インフルエンザの主な感染経路は、せきやくしゃみなどによる飛沫感染で、接触感染の場合もあります。避難所等における集団生活の場では、一人がインフルエンザを発症すると、次々に感染が拡大しても不思議ではありません。＜対策＞インフルエンザの感染予防の基本は「せきエチケット」と「手指衛生」です。避難所では、空気が乾燥しています。のどの保湿や清潔を保つために、マスクがあれば着用しましょう。マスクがない時にせき・くしゃみをする場合は、口と鼻をおおいます。できれば手でなく、タオルやハンカチでおおいましょう。 ひじの内側で口・鼻をおおうのも良いでしょう。可能な限り手洗いを励行し、速乾性アルコール製剤があれば手指衛生に用います。高齢者や乳幼児など、感染によって重症化などの危険の高い人には、特に感染しないよう気を配りましょう。

＜避難所生活で懸念される感染症　3＞ ◎破傷風 破傷風は、土壌中に広く常在する破傷風菌からくる毒素により、けいれんを引き起こす感染症です。 2004年に発生したインドネシア・スマトラ沖大地震の際には、100例を超す破傷風患者が報告されています。 ＜症状＞3〜21日程度の潜伏期間を経て、局所から始まり、やがて全身に移行します。 初期症状は肩こり、舌のもつれ、顔がゆがむなど。ここから、多くは開口障害（口が開きづらい状態）に発展し、歩行障害などに移行します。 通常、意識ははっきりしていますが、自律神経系の障害として、血圧の変動、心拍数の増加、高体温、不整脈、発汗などの症状がみられます。さらに症状が進むと、けいれん発作、全身発作が起こります。重症の場合、呼吸筋のまひにより、窒息死することがあります。 ＜感染経路＞土壌やがれきなどによって傷や骨折を負った場合、その傷口に菌が侵入することにより感染します。特に災害発生後、早期に発生しやすい疾患です。ヒトからヒトへ感染することはありません。 ＜対策＞傷を負った場合は、可能な限り傷を開いて洗浄しましょう。 受傷者には、抗毒素を注射する必要があります。破傷風を含むワクチンの接種歴がない人は、その旨を医師に申し出て下さい。

＜かかりつけ医の利用を呼び掛け＞仙台市医師会

仙台市医師会の永井幸夫会長は、18日 記者会見し、東日本大震災への対応で大病院がパンク寸前の状態にあるため、かかりつけ医を積極的に利用するよう呼び掛けました。
永井会長によると、仙台市内では約400カ所の診療所が再開しています。
同会長は「大病院以外は開いていないと思っている人も多いが、町の医院はガソリンがなくても行ける上、混雑も病院ほどではない。信頼する医師に診療してもらうことで、安心する側面もある」と訴えました。
医師会は、再開した診療所の名簿を作成。避難所などに配布したほか、市や医師会のホームページに掲載しています。