エコパでの磐田戦が始まる前に入ってきた突然の訃報に言葉を失いました。
レッズの初代監督であり、レッズの歴史を語る上で欠かすことのできない存在だった森孝慈氏。
アウェイゴール裏のコンコースに掲げられた断幕に気がついた人は多かったと思います。
試合開始前に発せられた 「We are REDS!」 のコールは空に昇った森さんに届いたでしょうか。
森さんの笑顔に勝利を届けたかった。どうしても “勝ちたい” と思わずにはいられませんでした。
響き渡る “We are Diamonds” の歌声を、空の向こうで微笑んでいる森さんに届けたかったです。
喪章をつけてピッチで戦った選手たちの多くは、直接係わりはなかったかもしれないけれど、
勝利を目指して、全員がいま出来る全てを出して、最後の1秒まで戦ってくれたと感じました。
空の向こうにいる森さんの目にはいまの浦和レッズは、どのように映っていたでしょうか。。。
どうしても勝ちたかった磐田戦でした。
柏木のミドルシュートで先制しましたが、後半ロスタイムにPKで同点に追いつかれてしまいました。
後半、磐田の猛攻にさらされ、なんとか凌いでいましたが最後まで守り切ることは出来ませんでした。
守り切るプランがないチームが守り切ろうとしても、選手の執念だけでは厳しかったと感じました。
前日、元気に磐田に向かう直輝の写真をオフィシャルで見ていたので、
発表されたメンバー表に直輝の名前がなく、サブも6人しか登録されていないことに動揺しました。
怪我?体調不良?何故? 理由を知る術を持たず、そこに直輝がいないという事実に目を疑いました。
先発メンバーは、達也に代わってセルが右サイドに入った他は前節川崎戦と同じ。
連戦で疲労が見えていた達也だったので、セルの起用はそれなりに納得感はあったのですが、
ベンチメンバーが1人少ない状態で、そこに直輝がいないことが気になって仕方がありませんでした。
てっきり前半はロングボールを蹴りまくるもはやお馴染みの展開かと思いきや…
ボールは柏木を経由し中盤でボールを回して、しっかりと繋いでいこうという意図を感じました。
川崎戦の前半があんまりだったので、ペトロもやり方を変えてきたのかとも思いましたが、
それにしては選手間の距離が離れすぎていて、選手の足元をボールが行き来するだけ。
頼みの元気は磐田にガッチリマークされ自由が利かず、セルの出来もあまり良くありませんでした。
ボールを繋ぐ意思はあっても、ただボールを回しているだけという時間が長かったように思います。
もちろんたまにロングボールを蹴り込みますが、どちらもさほど効果的な攻撃にはなりませんでした。
それでも磐田がレッズの両サイドからの攻撃、特に元気を自由にしないこと人数を掛けており、
バイタルエリアにぽっかりスペースが出来て、選手がフリーでボールを持てる場面もありました。
レッズの先制点はこのスペースに柏木が入り込み思いきって放ったミドルが決まったものでした。
GK順大が起点となったカウンターから、峻希のパスを受けた柏木に今季初ゴールが生まれました。
ここまでチャンスらしいチャンスもなく、かといってピンチらしいピンチもないまま、
淡々と時間が消化されるような試合でしたが、前半のうちに願ってもない先制点がレッズに入りました。
後半に入ると先制された磐田が一転攻勢に出てきました。まあ、当たり前ですが…
前半ロングボールを蹴りまくって先制され、後半一転して攻勢というのは前節までの浦和レッズ。。。
中盤で完敗しているので、ラインも上げられず、順大、スピラ、永田が身体を張って守りました。
磐田がどんどん攻撃の選手を投入してくるのも、どこかの浦和レッズのようでしたが、
その交代も機能しているようには感じられず、押し込まれている割にはピンチは少なく感じました。
それでもラインを上げることも出来ずに、押し込まれている状況が良いわけはありません。
ボールがキープ出来ないので、大きくボールを蹴りだすしかなく、危険な状態がずっと続きました。
セルに代えて守備でも貢献出来る達也を入れ、中盤での主導権を獲り返したいとことでしたが…
ペトロが切ったカードは高崎に代えて、登録が完了し出場が可能になったばかりのランコさん。
直後に元気がアクシデントがあり、元気に代わって左サイドに達也を入れることになり、
結果として、運動量もなくなり、守備に貢献できるとはいえないセルがピッチに残ってしまいました。
… ここで元気にアクシデントがなく、セルに代わって達也だったら違う結果になったかもしれません。
達也が入って少し持ち直し、前掛かりになる磐田に対して何度かカウンターでチャンスがありましたが、
ランコさん、達也共にチームを落ち着かせる追加点のゴールを決めることが出来ませんでした。
ランコさんはカウンターから大きなチャンスがありましたが、残念ながらポスト直撃 ゜゜(´□`。)°
跳ね返ったボールに反応した達也のシュートが決まるかと思いましたが、相手DFに弾き出されました。
… ここで追加点が獲れないことが最後の場面に繋がったんだろうなぁ…
ランコさんは可能性は感じましたが、まだコンディションが上がっていないように感じました。
例えそうだったとしても、あの局面で、あのシュートだけは絶対に外してはいけないものでした。
達也も何度か左から切り込んでシュートを放ちましたが枠に飛ばず、追加点は入りませんでした。
追加点を奪うためにシュートは必要だと思いましたが、全体が押し込まれている状態だったので、
無理にシュートせずに前でボールをキープして、落ち着かせるようなプレーも必要だったと感じます。
たまにカウンターからチャンスはあるもののラインを押し上げることもままならず、
後半は攻勢に出た磐田に終始押し込まれ、常にレッズゴール前での攻防が続いたという印象でした。
ベンチのメンバーを見ても守備的な選手は暢久しかいないので、逃げ切るのは容易ではありません。
最初から守り切るというプランを持っていなかったチームが守りに入るとこうなってしまいます。
最後にセルに代えて暢久をピッチに送り出し “守る” という意思は伝わりましたが…
どこかの監督ではありませんが、レッズがリードしているときもロスタイムは長いです (;´ー`)
ロスタイムに入って、何度も何度も右から左からピンチの連続でした。
何とか守り切れるかと思った最後の最後で、裏に抜けようとした前田選手をスピラが倒してしまいPK。
それまで前田選手と何度もやり合っていたスピラでしたが、最後に過酷な結末が待っていました。
PKを与えてしまったことは悔やまれますが、ここまで前田選手を完封していたスピラは責められません。
追加点を奪えなかったことと、守り切るプランがないのに守りに入ったことが全てだと思います。
サブの顔ぶれをみても1−0で逃げ切るというプランがないのだろうと感じます。
選手の頑張りに頼るだけになってしまっている現状ではこういった試合を勝ち切れません。
GMと意見は異なりますが、今日のような試合が “勝てる試合を引き分けた” というのだと感じます。
先制して守り切るのであれば、それ相応のプランを持って戦う必要があると思います。
相手に先制されたから攻撃のスイッチを入れる、相手が攻撃してきたから守りに入るでは苦しいです。
攻撃でも、守備でも、主体的に戦うゲームプランを持って戦えるチームになって欲しいと感じます。
昨年のように、 “勝ち切るために堀之内” というようなゲームプランを今年は持ち合わせていません。
競った試合をリードしたまま終わらせるしたたかさを感じることは出来ませんでした。
しかし選手の気迫が感じられた試合だっただけに、どうしても勝ちたかった試合でした。
勝利を目指して、全員がいま出来る全てを出して、最後の1秒まで戦ってくれたと感じました。
空の向こうにいる森さんの目にはいまの浦和レッズは、どのように映っていたでしょうか。。。
響き渡る “We are Diamonds” の歌声を、空の向こうで微笑んでいる森さんに届けたかったです。
2011年Jリーグ 第5節
ジュビロ磐田1−1(前半0−1)浦和レッズ
得点者:29分 柏木、90+3分 前田(磐田)
主審:井上知大
2011年7月17日(日)19:03 KO エコパスタジアム 入場者:18,623人

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