J2降格が決まった試合、J1復帰が決まった試合、雪の中で優勝を逃した試合、
歓喜のJリーグ初制覇が決まった試合、絶望も希望も喜びも悔しさも、みんな「最終節」でした。
ホーム最終戦で優勝を決めるチャンスがあったのに、
鹿島に負けるならこんな試合しかないだろうという試合内容で敗戦。
連覇を狙った今年のJリーグの戦いは、最終節で逆転。
連覇を越す結果となってしまいました。
アジアを制した浦和レッズは、大きな勲章を手に入れましたが、
それと同時に大事なものを失いつつあるのではないかという恐れを感じていました。
戦いには勝ちか負けしかありません。
サポーターはピッチで戦うことはできません。だからこそスタンドで声を嗄らすのです。
勝てば選手は喜び、それを支えてきたサポーターも共に喜ぶ。
負ければ選手は悲しみ、共に闘ったサポーターも共に悔しさを共有する。
これまで浦和レッズというクラブは、そういうクラブだったと思います。
選手は戦っています。優勝を掴み取るために戦ってくれました。
選手はもがいています。アジア王者の称号も重くのしかかっていたのかもしれません。
怪我人も多く、チームのコンディションもベストな状態ではありませんでした。
残された時間が少なくなっても、それでも最後までゴールを目指す姿勢は変わりませんでした。
勝つことは出来ませんでした。
2007年のJリーグを一番で駆け抜けることは出来ませんでした。
悔しくて、悲しくて仕方ない。勝てなくて、悲しくて、下を向く選手…
浦和レッズの2冠を目指した戦いは、これ以上ない悔しさを残して幕を閉じました。
それでもレッズには私がいます。共に戦うあなたがいます。
私の声が力になると信じています。手拍子は風になり選手の背中を押すと信じています。
選手とスタンドが一体となったときのレッズは世界で一番強いチームだと信じています。
選手と同じ気持ちを共有できるのが浦和レッズだと思っています。
昨日の日産スタジアムは、絶望、失望、悔しさ、悲しみに包まれました。
それはきっとサポーターよりも、選手たちの方が大きい失望だったり、大きい悔しさだったと思います。
私たちは勝てませんでした。歓喜は手の届くところから、遠くに逃げていきました。
まだ全てを手に入れるまでには強くはなかったということなのでしょう。
それでも私は最終節まで共に闘った仲間を誇りに思います。
1年間、傷つきながらも共に戦い抜き、ピッチで肩を落とした仲間のために涙を流したい。
支えられ、そして支えてきた仲間と一緒に、最大限の悔し涙を流したいと思います。
共に味わった悔しさを、共に歓喜の瞬間を勝ち獲るために、私の全てで受け止めたいと思います。
そして涙が枯れたら、疲れた翼を休めてまた一緒に歩いていこう。
選手、サポーター、関係者のみなさん、ありがとう。そして本当にお疲れ様でした。
“Can’t Help Falling in Love”

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