ペトロはいまどこにいて、何をしているのでしょう。
書きたいことを書いておきたいと思います。残された5試合を闘うために。
現役時代にあれだけ心を熱くさせられ多くのサポーターに愛された選手を、
どんな経験を積み、どんなサッカーを志向しているかも確認せずに監督に招聘したのは誰ですか。
その選手がレッズを退団するときは多くのサポーターが駒場のスタンドで涙しました。
熱いハートを持って戦うその選手に、多くのサポーターが心を踊らされ彼の名前を叫びました。
サポーターは彼が浦和に来てくれたことを感謝し、彼も浦和に来たことを幸せに感じていました。
現役を引退しても浦和レッズを愛し、サポーターを愛し続けてくれた素敵な人でした。
いつか浦和レッズの監督として戻ることを念願し、浦和との繋がりを持ち続けてくれたました。
浦和レッズはかつてサポーターに愛されたその選手に声をかけました。
彼の監督としての力量も評価せず、彼が率いたチームの試合を一度も確認することなく…。
熱い気持ちを持って、望み続けたレッズの監督として浦和の街に戻ってきました。
愛するクラブのために、愛するクラブを幸せなクラブにするために、浦和に戻ってきました。
しかし、彼にはそれを実現することは出来ませんでした。
彼が理想としたサッカーは、それまで浦和がやっていたサッカーとは全く違うものでした。
浦和レッズには、彼の理想とする戦術を実現出来る選手が不足していました。
彼がどんなサッカーをするのか知らないまま監督に招聘したのですから当たり前です。
それでも彼は、現役時代と同じように決して諦めることなく、彼が出来ることを全力でやりました。
でも、クラブが彼をサポートしてくれることはありませんでした。
戦術に合わず不振に陥ったとはいえ、ある程度得点が計算できたチームのエースFWを移籍させました。
その代わりとなる彼の戦術にあった選手獲得の目処が立つ前に中東に放出したのです。
開幕からの成績不振の責任をその選手ひとりに全て背負わせ、
その選手を移籍させることで手にする移籍金が目的の放出だったといまでも思っています。
浦和レッズは、彼がどんなサッカーをするのかには興味がありませんでした。
彼が現役を引退し、どんな経験をし、どんなチームで、どんなサッカーを志向していたのか、
浦和レッズでどんなサッカーをしたいのか、浦和レッズにとってはどうでも良いことだったのでしょう。
浦和レッズは 『サポーターに熱狂的に愛された選手だった』 ただそれだけを望んだと感じます。
彼を監督にすれば、スタジアムを離れたサポーターが戻ってくる、
彼を監督にすれば、サポーターに支持され、批判をされることはない、
誰が監督でも、これだけの選手がいればそれなりの成績を収めることが出来るだろう。
ペトロのサッカーでは浦和レッズは勝つことが出来ませんでした。
いまチームは降格圏を彷徨い、残された5試合に残留を賭けた戦いを強いられました。
ここまでチームを低迷させた指揮官は彼であり、監督としての責任は免れるものではありません。
解任も止む無しの成績でしたが、なぜか解任されることもなく時間だけが過ぎていきました。
時間が経っても、理想とするサッカーは実現することは出来ませんでした。
気がつけば、あんなにも愛してくれた愛するサポーターにも嫌われる存在になっていました。
かつて多くのサポーターの笑顔と声援に迎えられていた彼の誇り高き雄姿はもうそこにはありません。
ペトロは浦和レッズの監督を解任されました。
多くのサポーターがペトロの解任を望んだ中での解任でした。
ここまで僅かに6勝しか出来なかった監督を解任することに異論を挟む余地はありません。
しかし、なぜ今なのか。もっと早い時期にこの状況になることは分かっていたのでないのですか。
ペトロは浦和に戻ってきてはいけなかったのだと感じています。
現役時代に 「凄まじいまでの勝利への執念」 を魅せたペトロは、失意のうちに浦和を去ります。
あれだけ心を熱くさせられ、多くのサポーターに愛されたペトロが、再び戻ってくることはありません。
ペトロの力量も、ペトロが志向するサッカーも、何ひとつ確認せずに監督に招聘したのは誰ですか。
ペトロの浦和レッズへの想いを、サポーターへの愛情を利用しただけではないのですか。
浦和レッズを愛し、サポーターを愛してくれたペトロヴィッチを使い捨てにしたのです。
かつて涙を流してペトロとの別れを惜しんだ多くのサポーターに嫌われたままに切り捨てたのです。
解任の判断は妥当なものだと思います。もっと早く解任すべきだったとも思います。
大好きなペトロとこんなにも不幸な別れをするだけの再会は望んではいませんでした。
サポーターに共闘を訴えた 「ALL COME TOGETHER!」 の裏で、クラブはいったい何をしてきたのか。
もう、あなたたちと共に闘うことなど出来ない。あなたたちとひとつになることなど出来るはずはない。
苦境に立たされた浦和に駆け来てくれたペトロに、あなたたちは手を差しのべてはくれなかった。
梯子を外し全てをペトロに背負わせ闇に葬り、残された全てを堀に丸投げしただけではないのか。
ごめんよ、ペトロ。ありがとう、ペトロ。
もう、浦和レッズにはまともな監督が来てくれることはないでしょう。
監督を受けざるを得なかった堀を 「浦和レッズを降格させた監督」 にするわけにいきません。
諦めず、勝利を目指して、浦和レッズのため戦う選手と共に、残り5試合を必死で戦うしかありません。
残された5試合。堀監督と浦和レッズの選手、サポーターがひとつになって戦いたい。
最後の試合終了の笛が吹かれるその時まで、最後まで下を向かずにひとつになって戦っていきたい。
「凄まじいまでの勝利への執念」
橋本光夫社長、あなたにこの言葉は使って欲しくない。

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