出来る最善を尽くしましたが、ラウンド16への道は閉ざされました。
2013年のACLグループリーグは、3勝1分2敗で優勝した07年と同じ勝ち点10を挙げましたが、
全北現代との直接対決で、相手に与えた勝ち点4が響いた形となり残念ながら届きませんでした。
逆転負けを喫したホーム、2点を先制しながら引分たアウェイ、直接対決の結果が明暗を分けました。
ACLでは勝ち点を奪うこと以上に、相手に勝ち点を与えないことの重要性を痛感しました。
広州恒大に逆転勝ちして僅かに可能性を残し、引分も許されない酷暑アウェイの中で勝利しました。
勝利しながらも味わった悔しさの中で、発展途上のチームが成長していることを感じるものでした。
歓喜の輪はありませんでしたが、それでも下を向いている選手はいませんでした。
唇を噛みながらもしっかりと前を向き、再びアジアの舞台に戻ってくる強い意志を感じました。
ラウンド16進出は叶いませんでしたが、今日の勝利は明日の浦和にとって大切な宝物だと思います。
僅かに残された可能性に賭けて敵地タイに乗り込んだチームとサポーター。
ドクターストップ中だった赤豆さんは、今回が2013年ACLのアウェイ初遠征でした!
旅費が馬鹿高いゴールデンウィークは、長距離遠征には不向きだと個人的には思っていました。
が、バンコクからのバスが入ってくるたびにどんどんレッズサポの数が増えていき…
思っていたよりも多くのレッズサポが海を渡って来ちゃったなぁと感心しました (=´ー`)ゞ
ムアントンもチームカラーが赤ですが、異国で浦和の赤を見るとホッとします。
アウェイ側の入口付近では屋台が出てちょっとしたお祭りの雰囲気。
バンコク市内でも道の両脇に屋台はありましたが、舗装されていないのでちょっとレトロな感じ。
どこか懐かしさが残るこの風景にも、妙に溶け込んでいる頼もしきレッズサポ多数 (^-^;;
売り切れが伝えられていたチケットも、アウェイ入口側で普通に売られていました (;´ー`)
チケット券面を見ると何だかミョーな違和感…「URAWA RED DAIMONDS」 どこかが違うような…
ムアントン側の人と話をすると 「ダイモンズ」 って聞こえるのでそのまま印刷しちゃったかなぁ (^^;
レッズサポーターに割り当てられたエリアは2ブロックとかなり狭く感じました。
それでも金網が解放されていたので、ムアントン側が想定していた以上のレッズサポご来場かな。
断幕の位置でスッタモンダがありましたが、なんとか無事に掲出する場所が決まって一安心。
観戦エリアに断幕を出したのでもともと狭かったエリアがさらに狭くなり密集度はアップ。
後から入ってきたサポは席を探しに苦労していましたが、みんな積極的に席詰めをして協力。
座席の幅は許せる範囲でしたが前後の間隔が狭くて足場が安定せず国立競技場のような感じでした。
普段は指定席で観戦している人も、ゴール裏の人も混ざり合った感じ。
年配の方も多く見かけましたが、それぞれの出来る範囲で応援する雰囲気だったと思います。
こんな感じで、これから始まる『引分も許されない運命の一戦』に備えました (=´ー`)
開門時間前に入場が始まりましたが、レッズサポが入場しても相手側はガラガラです…(;´∀`)
スタジアムは座席もチームカラーに合わせて真っ赤!ピッチも近くて臨場感が伝わってきます。
最前列の前の通路は、ピッチレベルよりも低かったんじゃないかなぁ…。
看板の陰で全体は確認できませんでしたが、ムアントン側の断幕に “We are REDS!” の文字。
パクられたのかどうかは不明ですが、他の断幕もどこかで見たことがあるような、ないような…(^^;;
でも、やっぱりオーストラリアとも韓国とも違う “アウェイのスタジアム” だったと思います。
試合は、自力に勝るレッズが確実に勝利するための戦い方をしたと思います。
元気、梅崎が怪我、啓太が出場停止と苦しい中、槙野も怪我でベンチスタートとなりました。
那須をボランチに上げ暢久のCBも考えられましたが、柏木をボランチで起用し坪井ちゃんが先発。
関口ではなく、ここまで出場機会がなかった矢島が先発メンバーに名を連ねていました (=´ー`)
引分も許されない浦和は相手の出方を窺うようにやや自重気味の立ち上がりでした。
1トップに入った興梠にはDFがマンマークで張りつき、やりにくいように見えましたが、
後方でボールを回しながらリスクを冒さず、前線の3人に裏を狙わせる意図が見えました。
興梠、矢島も裏を狙う動きを見せますが、悉くオフサイドを取られなかなか決定機に繋がりません。
序盤は相手の出方を窺うかのように、リスクを冒して得点を奪いにいく浦和ではなく、
浦和の攻撃は、森脇も攻撃参加も控え、宇賀神、平川さんの単騎突破が中心だったように思います。
35℃を超えるアウェイの環境に合わせ、前半は体力を温存し後半の息切れを警戒したのかも…。
それでも30分過ぎからは森脇らが攻撃参加するようになり、ムアントンを押し込み始めました。
惜しくもシュートまでいけませんでしたが、相手のパスミスを掻っ攫い興梠が抜け出した場面や、
平川さんのクロスにマルシオがボレーで合わせた場面は、得点になってもおかしくありませんでした。
ロスタイムにはGKが毀したボールを興梠が押し込みましたがオフサイドの判定でした (ノω・、)
得点にはなりませんでしたが、ペースを握っての0-0での折り返しは悪くはありません (=´ー`)
後半に入ると、いきなり森脇がミドルシュートを放ち、得点を奪いにいく姿勢を示しました。
これで得たCKは相手にクリアされたものの、毀れ球を拾った宇賀神からマルシオにボールが渡り、
マルシオが再びゴール前に上げたクロスに那須がジャンピングボレーで決めました ヽ(*´∀`)ノ゚
その後、興梠、マルシオ、矢島に決定機がありましたが惜しくも追加点ならず。
もしかしたらどこかで追加点が獲れていれば、もっと点が入った試合になったかもしれません。
しかし、アウェイで引分けも許されない状況では、事故のような失点も絶対に避けなければならず、
体力を温存しながらムアントンのカウンターを警戒し、強引な攻撃を見せることはありませんでした。
足を痛めた坪井に代わり槙野、ガス欠の矢島に代わって関口、最後は興梠に代えて阪野を投入。
相手陣内での露骨な時間稼ぎも、なりふり構わず時間を使い、確実に0-1での勝利を目指しました。
終了間際の相手のセットプレーはスタンドも一体となって跳ね返しました。
35℃を超える酷暑、慣れないピッチ環境の中で、浦和の勝利を告げる笛が鳴り響きました (=´ー`)
試合が終わり、誰も喜んでいないベンチ、漆黒の空を見上げる選手を見て全てを理解しました。
選手も、ベンチも、サポーターも、全力を尽くして頑張ったけど、勝ったけど、だけど届かなかった。
悔しい。胸が張り裂けるほど悔しい。こちらに向かってくる選手を、ただ見つめているだけでした。
ただ、全てを出し尽くした選手を見つめることしかできませんでした。
そこには歓喜の輪はありませんでしたが、顔を上げしっかりと前を見つめる選手がいました。
全てを尽くして勝利を掴みましたが、道は閉ざされ、悔しさで唇を噛みながら前を向いていました。
ラウンド16進出は叶いませんでしたが、今日の勝利は明日の浦和にとってかけがえのない宝物です。
茫然としてた自分の耳にホーム側から突然聞こえてきた 「ウラーワレッズ」 のコール。
気がつくとムアントンサポーターが発するコールに、堰を切ったように涙が零れ落ちました。
2013年、浦和レッズのACLでの挑戦は、敵地タイで幕を閉じました。
ラウンド16に進めなかったことは、浦和にはまだ「何か」が足りないということだと思います。
その足りない「何か」を、浦和が見つけることが出来たなら、もっともっと強くなれると確信します。
そしてその時、再びこのアジアの舞台に戻り、挑戦の続きの幕を開けたいと強く感じました (=´ー`)
ACL2013 グループリーグ 第6戦
ムアントン・ユナイテッド 0−1(前半0−0) 浦和レッズ
主審:ハッサン・モハメド
得点者:48分 那須
2013年5月1日(水)19:00(日本時間21:00) KO サンダードームスタジアム 入場者:7,348人

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