2008/2/16

あの世のサービス@  

  
 

 ◇中川恵一・東大病院の先生が書かれた「がんのひみつ」が売れているという。
この先生のお話は毎日新聞連載「Dr. 中川のがんを知る」で時々眼にしていた。
緩和ケア診療部長ってこともあって、なかなか冷静にがんを語る。
がんの基礎知識やその周辺のことも判りやすく明快に語り、おいらは嫌いな先生でわない。
もちろん、代替医療などには否定的だし、再発・転移後に関しての見解はいかにもの立派なお医者の代表的表現で悲観的だ。
ま、その辺、おいらはいただけないけど。
ただ、それでも、この先生、今回の「がんのひみつ」でわ、死をちゃあんと見据えろ、と、がんが治ったっていずれ人は死ぬんだぞ、と、声高だし、その辺をはっきりベースにおいた視点での統合医療的なポイントも含みつつ、まあ、がんになる(?)前の人のがんの教科書的な要素がたぶんにある内容に仕上がっている。


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人が「死」ということをわすれた昨今、先生はまず、ガンを知ること、そしてその前に人は必ず死ぬということを認める必要がある、と、して、「人は全員死ぬのだ」「命に限りがあり、それゆえ尊い」を考え、がんを通して人生を考えることが「良く生き、よく死ぬ」ことにつながり、「がんになって、このことに気付いた、がんになってよかった」という患者は少なくない、とし、「私も死ぬならがんがいいと思っています。」と語る。

誰がどう調べたのか知らないけれど、がんになってよかったという患者は少なくない、らしい。
んで、2人に1人ががんになる現在、先生の望みもかなりの高倍率で叶いそうである。


もっとも、がんを患ったおいらとしてわ、なんだかこの件が好きでわ無い。

人にはやっぱり、事情というものがあるのだ。
先生ががんで死にたいと思うように、いや、今、がんで死んでいる場合でわない、という事情の人だっているかもしれない。
ひとは必ず死ぬのだ、がんが治ったっていずれ死ぬのだ、ってのを、人一倍、人百倍、そこを認識できたとしても、出来すぎたうえでなお、それが「今」じゃあ困るんだ、って抗い、がんになっちゃってちくしょお〜って思うことは人生を良く生き、良く死ぬことにつながらんのか?だいたい「がんを通して人生を考え」良く生き、良く死ぬ、って、なんのこっちゃ?
なんだか戦時下で位の高い軍人が最前線にいる兵士にこの戦争はお国のためである、と、して、「人は全員死ぬのだ」「命に限りがあり、それゆえ尊い」、「戦争」を通して人生を考えることが「良く生き、よく死ぬ」ことにつながるのだ。突撃いいい 〜 なんてふうな有るまじき勇ましい話に似かよって聴こえなくも無い。
「人は全員死ぬ」ことぐらい判っていても、お国の為に「今」死ねぬ事情のある兵士だって山ほどいように。


「死」を見据えるってことはただ「死」に身を任せるって事とは違う認識であることはいうまでも無い。

先生のごもっともなご高説は、時として、それぞれの事情で「死」に抗う、いさぎの良くない、先生等の言うところの「余命いくばくもない」がん患者のひとつの姿勢を、曇らせわしまいか?まるで、それを非とする、戦時下での最前線からの脱走兵であるかの如くに。


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とわいうものの、概ね、「死」を意識しなければがんを知ることはできず、がんに無知であることが、適切な処理も受けれずに自らの首を絞めている。ゆえに、ちゃあんとまず、「死」を考えましょう 〜 という意味合いであろう、先生のご高説だ。
死を忌み嫌い過ぎる昨今、そこわ間違ってはいまい。
おまけに、この先生、とても優しい。おそらく。
よって、「まあ、がんになる(?)前の人のがんの教科書的な要素はたぶんにある」良くまとまったわかりやすいがんの知識本であり、一読して損は無い。680円(+税)だし。


そおして、果たして、いよいよがんになっちゃったら、先生みたく、とりあえず願い叶ったり、とするもよし、じたばたするもよし、それわそれで、本当に、本人の事情で生きれば良いと思うのだ。
そおして、それがどんな生き方にせよ、そこに、がんを通しての、良い生き方や悪い生き方など絶対、ありわしないと、おいらわ思う。だって、あるのは百人が百通りの事情だけ。どうせ、いつか全員、死んじゃうにしても、生きる事情は全員、ぜんぜん、まったく、皆、違うのだからね。良いも悪いも、んなもん、ありゃあしない、で、いかん?



             (久々に、なんとなく、つづく) 




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