2004/12/3

 2004年 高速度速記競技会(問題文)  歌声喫茶



 本題に入ります前に、雑誌でおもしろい記事を見つけましたので、御紹介させていただきたいと思います。

 先日、東京都内のある大学で学生に対するアンケート調査が実施されました。その質問の中に、「あなたにとって最も必要だが最も嫌いなメディアは何ですか」という項目がありました。それに対しまして、大半の学生は、まず携帯電話を挙げたそうであります。この結果に象徴されますように、メディア環【境が】さま変わりいたしました現代におきまして、携帯電話というものはとても大きな地位を占めるようになってまいりました。

 そこで、本日は、今や我々の日常生活におきましてよきにつけあしきにつけ身近な存在となりました携帯電話をテーマに取り上げまして、その功罪について皆さんと一緒に考えてみたいと思います。

 そもそも、自動車電話として登場しましたのがその始まりと言われております【。それか@】ら四半世紀をかけまして、改良に次ぐ改良が重ねられました。その結果、通話の機能のみならず、インターネットの閲覧や電子メールの送受信もできるようになりました。

 さらに、今日に至りましてもこれに対する開発はとどまるところを知りません。写真や動画の撮影でありますとか、テレビの視聴もできるものがあらわれました。最近では、電子マネーの機能も備えました機種まであるそうであります。携【帯電】話一つあれば、日常のあらゆることができるようになってまいりました。まさに長足の進歩と言わざるを得ません。このような便利な道具の登場によりまして、現代人の日常生活は着実に変化しております。

 それでは、この機械が我々にどういう影響をもたらしているか、その一端を検証してみたいと思います。

 新製品が売り出されます際に、ある会社は、「家族のネットワークが強まります」と盛んに広告【をしておA】りました。しかしながら、実際にふたをあけてみますと、家族に全く見えないネットワークが広がっていくという一面も出てきたのであります。

 例えば、子供たちの人間関係が親からは見えにくくなったという話をよく耳にいたします。以前のように電話は一家に一台という時代とは異なりまして、今では本人へダイレクトにかけられるようになりました。極論かもしれませんけれども、これまで一部分は【重な】っておりましたはずの友達の世界と家族の世界とが完全に分離してしまったのであります。

 それから、先ほど述べましたように、携帯電話のもう一つの重要な機能として電子メールの送受信が挙げられます。手紙よりも簡単に出せますことから、今では通話という機能以上にこちらの方が重宝されるようになってまいりました。

 しかし、どんなものでも利用する人が多くなればなるほ【どそれをB】悪用する人間が出てくるものであります。例えば、不特定多数の相手に向けて一方的に広告メールなどを送付する迷惑メールと呼ばれるものもその一つであります。これは、俗にスパムメールとも言われていますが、新製品の情報やアンケートの依頼、果てはネズミ講の勧誘といった、受信する側にとって無益な情報を送りつけてくるものであります。また、いわゆる出会い系サイトの案内を載せたものも【あり】まして、こうしたメールは無差別に送られてくるため、青少年への影響が危惧されているのであります。

 政府が調査したところによりますと、携帯電話から出会い系サイトにアクセスしたことのある高校生は、女子が22%、男子が18.4%でありまして、そのうち、知り合った人と会ったことのある人は、女子で43.2%、男子で27.8%だそうであります。これは平成13年度の調査でありますから、今はもっ【とふえてC】いるかもしれません。

 このように、携帯電話は、若いユーザーにとりまして児童搾取をするような大人との出会いを与える危険性をはらんでいるのであります。しかし、概して若い人たちは一様に携帯電話が大好きであります。なぜなのでしょうか。一つには、彼らが友達との豊富なコミュニケーションを求めているからではないでしょうか。子供に携帯電話を与えるとあっという間に使い方を習熟してし【まう】のであります。その反面、若い人たちは人生経験が少ないために被害を受けやすいのであります。

 技術の進歩は危険性を伴うものでありますが、このような文明の利器によって犯罪に巻き込まれないようにする政策を社会全体で模索していくことが今求められています。技術がいかに進んでも、それを使うのは人間であります。携帯電話で生じている問題は、それを使う人間の問題であるとも言える【でしょうD】。(了)


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