熊本に置いてきた我が輩のスポーツカーを、今回、手放すことになったが、そのてん末。インターネットオークション全盛の時代に、なんと公衆電話で商談が成立した話。
東京の大学病院に入院して3日目の金曜日、タマちゃんママが病院に顔を出した。
「これから熊本に帰る。」との由。
我が輩は言った、「車は手放すけん。」「未練はなかね。」と相手は言った。
この2秒足らずの「家族会議」で3年前に買って、1回目の車検が済んだばかりのセカンドカーは売却されることが決定した。
6月8日金曜日の午後、我が輩は車の「熊本販売店のサービス係・M君」に病院内の公衆電話から依頼した内容は「我が輩は今、病気で先行き不明。車を買い取って欲しい。」
M君は言った、「当社では基本的に車の買取はしていない。」
我が輩は食い下がった。「我が輩は営業の人も中古車係の人も信用していない、車の任意保険は6月10日で失効するけんやれるだけやってくれ!」
この際「病院内では携帯電話の使用が禁止されていて対応できないのでやり取りはメールでお願い。」とメールアドを告げて電話での売却依頼は終わった。
翌土曜日に「車は引き取った。」とのM君からのメールに続き、月曜日には「査定係が
土曜、日曜日はいなかったので、今から査定します。」との連絡あり。
そして6月11日月曜日午後5時、「査定額は○○となったがどうか。」との買取通知が送られてきたのだ。
買い取り価格は、「3年前に新車で買った本体価格の45%」、実に想定外の高値買取であった。
我が輩は冷静を装ったが口元の笑みは隠しようもない。直ちにメールを送り「売り渡し」の返事をしたのはいうまでもない。
後でわかったことであるが買い取り先は「県内の中古車販売店」との由。
1週間後に我が輩の指定口座に現金が振り込まれたのをまって、我が輩はM君にお礼のメールを送り「書類があれば東京に送って欲しい。」と言ったのであるが、M君の返事メール「今回、書類はなし。売買契約書なら作れます。」
売り渡し代金を受領した今、契約書の必要がどこにあろうか。
すべての商取引は1本の公衆電話とメールのやり取り15回弱で完了、感動した。
「時は流れ、時代が変わっても「人と人との信頼関係、会社の信用」が熊本にはまだあった」」という話、如何(いかが)。

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