これから、読書した本に関する感想とも、書評ともつかない、備忘録のようなものを作ります。まず最初は、日経文庫の『経営史』(安部悦生著)です。
経済学ってのはともすれば金儲けの方法そのものを捨象しちゃいますが(例えばマルクス経済学のG−W−G’とか)、実はここをキチンと踏まえないと経済の歴史って、捉えられないはずなんですよね。
そういうのの歴史を書いてるのがこの本です。思い出すままに書くと、イギリスってのは産業革命で会社という制度を作りました。で、イギリスってのはものづくりによる金持ちってのはそんなに社会的ステータスが高くないので、大企業というものは出来にくい風土だったそうです。
で、アメリカの時代になると、金持ち=ステータスですので、ドンドン成り上がることがOKであり、自動車や石油産業などで大金持ちになったり、大企業をつくったりしました。
で、その大企業をどう運営するかでも色々あるんですよね。この本で例示されているのは、フォードの大量生産システム。だが、大衆の欲望が多様化すると、それに対応できず、多品種生産に適応したライバルに負けると。
さらに、同一企業であっても、例えば化学のように余りにも世界の違う品目を扱うならば、事業部制にしちゃったほうが合理的で、それを実践したデュポンの例。ここはROIを最初に導入したことでも銘記されるべきですね。
日本について言えば、多品種中量生産のトヨタ。カンバン方式ですね。ま、他にも色々面白い本です。
いずれにせよ、大衆の欲するものを、合理的に生産・提供できる企業(生産様式)が勝利する、ということでしょうか。

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