2007年10月27日(土曜日)
香川7-6石川 サーパススタジアム;高松
香川の先発、橋本投手はちょっと球威不足だった。こういうとき、やっぱりビビッてしまう。ビビると、コントロールが狂いだす。2回、少しだけ外れるボール球で四球が続いたと思ったら、その後、石川打線が気持ちよく振り出し、気づけば1-6に。ワンサイドになりかねない展開。
2番手金子君は抜けスラとでも名づけたい緩いスライダーと、最近速くなってきた真っ直ぐのコンビネーションで流れを止め、香川の反撃を待つ。3回裏、智勝が詰まりながらも高めの球をレフト前に運び、そして4回裏、近藤洋輔がしぶとくライトに犠飛を放ち、じわじわと追い上げる。このいやらしさこそが香川だ。石川の蛇澤投手もビビっているように見える。左右の揺さぶりが武器の投手、左右に微妙に外れている。三輪選手が四球を選び、バッターは堂上君。
堂上君は去年の本塁打王。クリーンアップの仕事はランナーを還すこと。初回に一旦同点となるタイムリーを放っている。スタンドは大いに盛り上がる。その3球目、捕手の股間からボールが漏れて、微妙にバックネット側に。「よし! 1点!」と思ったが、確か足に故障があったはずの若林君は本塁に突っ込めなかった。打者堂上君は必死に「来い! 来い!」と呼びかけているにもかかわらず、である。傍目にも、スタートを普通に切っていれば、という「捕逸」であった。足が遅い小生としては、若林君の気持ちが分かる。思い切れないのだ。しかしまあ、ミスはミスである。
その後、堂上選手はショートゴロを放つ。セカンドランナーの進路と重なるので、ショートはランナーを避けて途中で突っ込むのを止め、待って捕球し、一塁送球。堂上選手は通常なら単に駆け抜けるのだが、恐らく若林選手のこともあったし、クリーンアップの仕事を果たせないこともあったのだろう。そして何よりも、真綿で首を絞めるような追い上げが切れることが悔しかったのだろう。流れを繋ぎたい、と。お世辞にも上手いとは言えないヘッドスライディング、間一髪アウト。非常に悔しそうに地面を叩いてから起き上がる。このシーンを見ていて、ジーンときた。
何かが球場を支配していた。不調の丈武にビビリの四球の後、「秘打! 白鳥の湖」のようなブライスのスピンの掛かりまくった打球は三塁手のエラーを誘い、井吉君は真ん中近くの球をレフト前に運び4-6。ここで件の若林君である。思えば今年開幕の愛媛戦、試合を決定づける本塁打を放った後、不調があり、そして香川の方のお話によれば、足の故障があったとか。今年は.188で、去年の5番打者は苦しんでいた。ここで蛇澤投手は魅入られたように甘い球を投げ、振りぬかれた打球はレフトスタンドへ。手を上げてホームイン。その後は良寛−グラタン−天野と繋いで(若干ヒヤッとすることもあったが)香川の勝利。以下、思いつくまま。
・石川の応援団にまず眼を奪われる。100人くらいの応援で、そのうち50人ほどが立ち上がって歌ってる。タオル回しも含め、美しい。中には、スタンドのやや上のほうで小さい旗を振り続けている人もいた。体力いるだろうなあ。何よりも、リズムがいい。応援の音楽、外間、荒木、松坂などと被る。町田はやっぱり、町田Go Go!なんだな。
・石川の蛇澤投手は踏み出すときに体が三塁側にグッときている。凄く自然に。この投げ方は右打者にとって怖く、見づらそうだ。また、左右の揺さぶりで勝負するタイプ。ボールがはずれ出すまでは見事だったんだが。
・石川の選手は守備力と投手力で勝ちあがってきたと聞いていたが、なかなかどうして、打者のスイングが速い。松岡君、座親君は特に速いと感じた。そして、進塁打やバントはキチンと決められていた。愛媛にこのクラスの打線があれば・・・・。正直、蛇澤君よりも浦川君のほうが2段くらい上で、投手力は愛媛のほうが上と思うので、総合力ではどっこいどっこいかな。まあ、BCはILより大いに劣る、ということは決してないと思う。
・石川のマスコットは可愛い。歩きにくそうにひょこひょこしてるのがなかなか。クジ引きでけへんやん(笑)! 代わりにガイナ君が・・・。
・石川の木村君は、カックンカックンして面白い。ブレーキのあるカーブで幻惑。愛媛の小山内君といい、ドロップはやっぱりいいなあ。max.139km/hの真っ直ぐもよく伸びている。入来兄弟を思い出した。
・グラタンはmax.145km/h。デビュー時とは違い、フォームもスムーズである。来年、NPBとかでやっていそうなくらい、安定感抜群。
・香川の打者は、いつもどおり、自分たちのバッティングをしていた。この辺はさすがだ。

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