2008年9月5日(金曜日) 18:30〜
西条市東予球場
曇り気味の晴れ、若干蒸し暑く風は非常に弱い
愛媛7−7香川
愛媛MPは不思議なチームである。時として草野球でもやらないようなミスを連発して自滅するかと思えば、先週の高知戦のように非常にタフな試合を拾うこともある。また、華々しい逆転勝利を収めて観客席を熱狂させる。今日は、勝ちに等しいと言える引き分けでここに書いた「らしさ」を全て体現していた。
今日、一塁側観客席に元ロッテオリオンズの正捕手(昭和49年ベストナイン)の村上さんがおられた。お会いしたのは4回くらいだったか。苦虫を噛み潰したような仏頂面が今日の前半の試合内容を物語っている。何だか気が引けて話かけられなかった。元プロが怒るのも無理はない試合内容だった。
愛媛の先発は川西君。投球練習を見ると、真っ直ぐは来ている。だが、スライダーの切れが少し悪く、中に寄っているように見えて心配だった。そこで、真っ直ぐ中心の組み立てとなった。球威はあったのだ。先頭洋輔君を高めの直球で空振り三振。140は超えていると思った。続く笠井君はツーストライクから直球を絶妙の三塁線セーフティー、しかしボールに押されたか、ボール1つ分ファールとなりツーアウト。怖い怖い堂上君(この時点ではそう思った)は、真ん中の直球でねじ伏せた感じのセカンドゴロ。なお、堂上君、途中のイニングで3塁側から見たら、左肩が突っ込んでボールが飛ばない&詰まるフォームになっていて、今日一日そうだった。最近本塁打がないのは、このせいで、また、重症のようだ。ともあれ、良い滑り出しに見えた。
香川の先発は金子君。投球練習はコントロールが良い感じ。特に、緩いスライダーがアウトロー一杯に決まっていた。緩急を感じさせるピッチングで組み立て、1回裏はゴロの山。一番長崎君なんか、真ん中の直球にドン詰まりだもんね。その前の緩いボールが見事に効いていた。
この時点では、投手戦を予想していたが、変化球のコントロールが若干甘い川西君が不利かな、というふうに見ていた。
2回表。1死後、国本君はつんのめった感じでアウトコースのボールを拾った。直球に見えたが、スライダーだったのだろうか。非常に良く飛んでレフトへスタンドイン。その後、金井君は四球、西森君はすっぽ抜けのスライダーがユニフォームをかするデッドボール。非常に嫌な感じがしたが、球威のあるストレートでインコースを攻め、井吉君(シン;このとき、北斗の拳の悪者ネタで一部盛り上がっていた)をドン詰まりのサードフライに。このとき、3回の悪夢を予想できたであろうか?
2回裏。金子君はこの回からおかしく、そして立ち直れなかった。しかし、愛媛も攻めつけるが、いつもどおりズルズルと続投を許した。この回、大島君に投げにくそうにして、ストレートの四球。ストレートがバラバラのコントロールになり、初回とは別人のようだった。檜垣君はバントの構えをしたり、エンドランを企てたり、色々やった上で2−1からレフト前にライナーのクリーンヒット。ピッチャーがおかしくなったら、バントではなくじっくり行くか、仕掛けるかがいいと思う。ピッチャー経験者としては、そっちのほうが嫌なのだ。バントは只で一つアウトを呉れるという面があるので、楽なところがあるのだ。比嘉君は真っ直ぐが抜けて肘に当たるデッドボール。グリップエンド近かったので最初はファールに見えたし、審判もそう判断したけど、凄い痛がり方だった。無死満塁。そして悩みは深い嶋田君。ちょっとヘッドアップし、そして無理やりバットを内側から出そうとしているように見える。「アカン」と思ったのは4球目。甘いコースを打ち損ない、ポップフライ。ギリギリファールになって助かった。そして、6球目。アウトハイのボール、芯に近いがちょっと先だった。やや浅めのライトライナー。タッチアップで本塁へ。洋輔君は本塁を諦め、ショートカットへ。セカンドランナーもタッチアップだが、最初からこっちに送球しているなら、洋輔君の肩なら余裕のアウト。大きくチャンスがしぼむ。フェイクスタートでええんちゃうのん? 送球の角度を判断すべし。ランコーの仕事。さてこの回、堂上君が守備も不調なのかな、と思うシーンがあった。比嘉君@腰痛のはず が盗塁したとき、堂上君はびっくりしたような動きを見せ、ショートバウンドの送球となってしまっていた。その時、ステップが全然使えていないように見えた。梶原君は見事なフォークが決まって空振り三振。
3回表。洋輔君はアウトハイの真っ直ぐを詰まりながらもセンター前へ。全般に高い。笠井君は普通なら失敗と言えるバントの小飛球。捕手に任せればよいのに、何故か猛ダッシュのピッチャー。キャッチャーは衝突を恐れて取りにいけず。投手の前にポトリ、しかもボールを追い抜き(苦笑)。内野安打か。先週のマサキ君と言い、状況が見えていない。1死1塁のはずが無死1、2塁。怖い堂上君。だが、不調。3球目のインハイのスピードボールに面食らったよう。余り見せない表情。これが効いたのか、外のスライダーを当てるだけの形でセカンドゴロ。突っ込んで処理すればゲッツー取れてたかも知れない。1死1、3塁。丈武君は追い込まれてからアウトコース低め一杯のスライダーを当てただけ。しかし、力がある。三遊間をスススッとした打球が抜けて1点勝ち越し。次の国本君は詰まったショートゴロ。バウンドもいい。国本君も打った後、足を取られている。こりゃゲッツーチェンジ、、、と思ったら、急造ショート(復帰だが)の田口君、足が前に出ずにフォースアウトだけ。高知FDならゲッツーだ。こういうランナーの残り方は実に嫌だ。案の定、智勝君にライト線二塁打で4−1。とうとう投手は切れたか、西森君には真ん中スライダーを投げてしまい、レフト前クリーンヒットで5−1。雰囲気的にはこの時点で勝負あり。いや、ところが、金子君もおかしいし、香川は最近セットアッパーがいないから、分からないよね、とスタンドは言っていた。何よりもガイナマイツの方が(爆)。
3回裏。香川もグダグダ。トイレタイムで見ていなかったが、田口君がショートエラーで出塁。長崎君は、送りバント。何故。安達君は非常に良い当たりだったが、ショートのやや上のライナー。ああ、流れはあちらか。大津君は上から叩くナイスガイ。打球に変な回転を与えてサード前。国本君は抑えきれずにジャッグルしてエラー。香川側から見たらエラーのみで1点与え、投手のスタミナを消耗で嫌な感じ。
4回表。投手は森琢君。ああ、バランスがまた悪い感じになっている。タメがないのだ。最初の3人くらい、ボールがばらけまくっていた。井吉君に高い球をレフト前に運ばれる。次打者のとき得意の牽制でアウトにする。洋輔君は良い当たりのショートゴロ。田口君、打球とケンカするようなグラブ捌きで処理。ちょっと怖い。笠井君にはストライクが行かず。四球。で、怖いはずの堂上君。この回、ガイナマイツにご挨拶。3塁側から見ると、左肩が前に流れているのがはっきり分かった。変化球で誘われ、カウントを整えられ、そして恐らくは外角低め真っ直ぐで空振り三振。ちょっと重症かな。
4回裏。こちらもボールの行方が分からない金子君。檜垣君にワンバウンドでデッドボール。比嘉君はさすがのレフト前ヒット。バウンドしても球足が速い。嶋田君は送りバント。不調だし、これでいいだろう。梶原君。強く叩いた打球はバウンドしてサード頭上に。ランナー突っ込み挟殺プレー。これは速かった。2死1、2塁となる。田口君はショートゴロで無得点。流れが悪い。
5回表。丈武君のショートゴロ、送球がゴロとなったのをファーストが掬い損ないエラー。国本君は送りバント、そして盗塁。智勝君は勝負を避けた四球。金井君はライト前へ。1点失い1死1、3塁。投手は宇都宮君へ。ここで西森君がファーストへ強めのゴロ。慣れたファーストならゲッツー狙いに来るだろう。しかし、もう1点もやりたくないという気持ちだったんだろう、本塁送球。タイミングはギリギリアウトだったんだが、こういうときは力んで引っ掛けるものだ。バックネット側に送球が逸れてタッチできずにフィルダースチョイス。もう、負けオーラが・・・。続くピンチは神のスライダーを駆使してしのぐが、この時点で7−2。しかし、不調の金子君が相手投手。
5回裏。安達君、大津君が意地の連打で(この二人の打撃はしぶといね)1、3塁のチャンスメーク。で、不調の大島君。しかしここは、強い打球を放つ。しかし、サードが良く追いつく。コケそうになりながらも何とかセカンド送球、ショートバウンドを上手く拾ってフォースアウト、一塁にも転送。やっぱり智勝君は凄いなあ。一塁もアウトに見えたけど、同時セーフの判定。1点返す。檜垣君は外角フォークを空振り三振。フォークは結構良いところで決まるのだがなあ。
6回表。意地でも負けられないMPは、入野君投入。1本ヒットを打たれたけど、流れを断ち切る。リズム感がある。
6回裏。不調の金子君が続投。香川には、去年のグラタン、亮寛のような安定したセットアッパーがいないのだ。比嘉君が当たり前のようにヒット。不調の嶋田君、球威のない球をライト線に運んで二塁打。ググッと雰囲気が変わる。梶原君に今日3つめだかのデッドボール。しかし、どう見ても狙っていないので、MPベンチから野次も飛ばず。何か投手が哀れだ。(投手なら分かるはず) ここで大地君は得意の右打ち。1点返す。長崎君もライト打ちで2塁打。打者走者はセカンドを伺うが、挟殺でアウト。全て見える位置なんだから、キチンと判断して欲しかった。1点差で1死3塁。たまらず投手交代。松居君。ブルペンではストライクが入っていなかった。速いけどなあ。Mr.ヲゲ(リッツクラブ在籍)の言うとおりの投手。打者は安達君。2球目、球威のある真っ直ぐを空振りしたとき、こりゃ打てそうにないと思った。スクイズか。でも、ノーコン投手には出しにくいサインだ。とか思っていたら、4球目、やってきた。顔の高さだ。こりゃ、小飛球だな、と思ったけど、安達君はプッシュ気味で行った。センスある。単純に当てに行ったらフライになる球。押し込まなければいけないのだ。とうとう同点。あ、安達君の打球はファーストが上手く処理してアウト。良い守備。
7回表も入野君。安定感ある。7回裏からはストッパーの橋本君。この回から投入しなくてはいけないところに、今の香川の苦しさが見て取れる。大島君はいきなり痛打。この瞬間、風は凪いでいた。左中間深いところのフェンス前で取られる。良い時の大島君ならもっとポール際だったろう。残念。9回まででやばかったのはこれくらいか。ただ、7回は良い当たりを2発喰らい、両方アウト(守備範囲)だった。
8回表も、堂上君に大きいのを打たれたが、スウェーしているので詰まり、こすった感じで助かった。投手の高木君もボールはいいんだけど、コントロールがなあ。9回表は西川君。初球、多分150くらい。思わずネット裏で「速い!」と叫ぶ。でもインコースボール。二球目も似た感じでボール。ちょっと不安。しかし、次のアウトコースの真っ直ぐがドン詰まりのセカンドゴロ。これで負けはないと思った。まあ、9回裏はさすがに橋本君というピッチングでゲームセット、引き分け。
見ていて、香川も苦しい状況だと思った。高知も投手不足だと言われている。福岡も、浦川先生復活があるも、スコアを見ている限りは脆い感じが否めない。愛媛、チャンスだ。今日は大事に行き過ぎて傷を残してしまい、それが大量失点に結びついた。だけど、ギリギリのところで相手を崩せた。タフな闘いが続くと思う。だけど、最後までしぶとく闘ってくれ。投手力はナンバーワンだろう。
・ロータリークラブの人々、7−2の時点で多くが帰宅。残念。
・堂上君は書いたとおりの状況。チャンピオンシップなど、スカウトさんが大挙して来るまでに治せるだろうか?
・審判さん、特に1塁線審のジャッジは良かった。主審もゾーンが安定していたと思う。ちょっと高めは厳しかったかも。最近、ストライクゾーンが五角錐であることが忘れられていると思う。プロも、アマも。変化球のストライクゾーンはぺったんこ。

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