2014年4月23日(水曜日)18:03〜
愛媛マンダリンパイレーツ4−2香川オリーブガイナーズ
東予球場、快晴、センターに風、時々無風
快晴の日ってのは結構肌寒かったりする。この日、両方の先発の立ち上がりはちょっと腕が縮こまった感じであった。
愛媛の先発は河原。投球練習を見ると、去年より速い。去年を135km/hとすると、この日は140km/hとはいかないまでも、それに近かったのではないか。とはいえ、立ち上がりはちょっと甘かったか。高さが真ん中近い球を連打されて1失点。とはいえ、三遊間の二つの当たり、サードに入ったコルビーの一歩目が遅かった気がする。1死1、2塁から、宗雪は2ストライクと追い込まれた後、コーナーのボールをよく見極め、最後は真ん中低めのカーブを強い球足でコルビーのグラブの下を抜けていく。セカンドランナーの生田目のタイミングはきわどかったが、最後にホームに向かって良く足が伸びてホームイン。素直にナイスラン。続く中本、先日本塁打などで強く印象付けられた強打者は、1ストライクから外の球を詰まった感じでダブルプレー。
香川の先発は寺田。言わずと知れたBCLのエース。どうして独立リーグに留まっているのか良く分からない投手。だが、この日の立ち上がりはこわごわ投げている感じだった。聞いた話では、NPB仕様でストライクゾーンの狭いアイランドリーグに戸惑っているとか。立ち上がり、ドロップやチェンジアップ、あるいはフォーク?という「抜いた系」のボールのコントロールが悪く、スライダーは横に大きく曲がっているとはいえ、曲りが早かった。これは速めに攻略できるかも?と期待したが、1回裏の同点のチャンスは、コルビーが低めのフォークを豪快に空振り三振したりして、序盤は出来なかった。
2回表、先頭の大原が右中間を破る二塁打で出塁すると、巧打者の前評判のある原口が素晴らしい当たり、が、ショートライナー。続く小栗がライト前にこれまたライナーでクリーンヒットを放つと、流れは香川に。だがしかし、9番有山は初球スクイズを三塁線にファールしてしまうと、次の球を打ち気に逸ったか、低めの変化球を引っ掛けてゲッツー。これは香川から見たらとても痛かった。これ以降、河原は狭めのストライクゾーンを広く使った「さすが」の投球術を見せる。ここ以降の河原のストライクゾーンは広く見えた。
2回裏、愛媛はビッグチャンスを迎える。先頭、庄司は2−2から肘あてに当たるデッドボール。金城は三遊間をゴロで抜くヒット。ここで下位に入っている高田が、ナンとびっくりのバント。三塁線の当たりはサード大原も予想していなかったのか、投手寺田が処理。また、セカンドも予想していなかったのか、ファーストがら空きの内野安打。無死満塁。ここで横山。初球ボールの後、外角高めのボール球の速球を無理に振りに行って空振り。これは相手を助けた。この頃から、寺田は開き直ったのか、ボールが走り出す。横山は最後、フォークをボテボテの投ゴロ、但し本塁封殺のみ。この日スタメンの亨彰は遊ばれた感じの投球で、最後は当てに行って補邪飛。森下は横の変化で攻められ、最後はエゲツナイインローのカットボールを空振り三振。これは素晴らしかった。愛媛としてはとても痛い逸機。寺田もエンジンが掛かってきたか、と思った。しかし。
3回裏、先頭檪浦を球威で抑えたと思ったが、藤長は甘い球を右中間の一番深いところへ。スタンディングトリプルで出塁し、コルビーは、合っていない空振りをしたけど、何とかアジャストしてレフトへ犠飛。うわ、パワーあるね。これで同点。
4回表、ちょっと制球が乱れた河原。中本、原口の伯和コンビに四球を与えて1死1、2塁。ここでしつこい小栗の当たりはセカンド左側の強い打球。これに対して今日初スタメンの亨彰が良く追いつき、態勢を崩さず粘って二塁にトス、転送されてダブルプレー。ファインプレーで河原を助けた亨彰。
5回裏、ファインプレーで気を良くしたか先頭の亨彰。サード右横をライナーで抜けるヒットで出塁。続く森下は犠打。三塁線に転がした打球をピッチャー寺田が丁寧に処理。森下のスタートは普通だったのを見たのか、寺田の動きはかなり丁寧だった。で、森下は物凄い加速を見せる。半歩くらいファーストを駆け抜けるほうが、送球よりも早く見えたが、判定はセーフ。多分一塁塁審はこの加速を予想していなかった。森下はヘルメットを叩きつけて「どこ見て判定している!」と激怒。脚で売ってる選手だけにちょっと可哀想だな。この後愛媛は二つの四球で二死満塁のチャンスとするが、庄司が高めのストレートを空振り三振。土壇場で球威を見せつける寺田。これが本来の力だろうね。
6回表、先頭の宗雪はバットを二本連続で折った後、ライト前にポテンヒット。続く中本は強烈なセカンドゴロだが、また亨彰が良く追いつき、二塁封殺。そして大原は低めの変化球で6−4−3のダブルプレー。
さて、5回までに寺田は94球と多かった。6回裏、金城、高田と長打力のあるところをスライダー系で連続三振に取ったあと、横山にライト前にライナーのヒットを打たれ、乗っている亨彰が綺麗なライト前ヒット。ここでヒット1本損している森下。春先に「この人、低めの変化球をどうにか出来なければ打てないだろうな」と思っていたが、ここは低めのボールをファールにして粘る粘る。最後、真ん中に来たチェンジアップをよくためてセンター前にライナーで弾き返した。勝ち越しタイムリー。また、檪浦も勢いに乗ったようなセンター前ライナーのタイムリー。亨彰は挟まれてアウトだが、愛媛が二点勝ち越し。
7回表は守備固め。ファーストの金城が下がり、ショートに坂口が入り、藤長はショートからサードに、サードのコルビーがファーストに。変わったところに打球は飛ぶ。先頭原口の打球は何の変哲もないショートゴロ。丁寧に行きすぎたか坂口の一塁への送球は低すぎる。これはコルビーもどうしようもない。小栗は良い当たりのセンターライナー。ここで9番有山はバント、交錯プレーがあったようで守備妨害。二死となりランナーは一塁に戻される。ここで好投の河原は降板。低めにキュッと来る橋本直樹が登板。彼らしく、尾中を低めのボールでセカンドゴロに打ち取る。
7回裏、香川は左腕の後藤を送り込む。ただ、コルビーにセンター前ヒットを打たれる。変わったディマールは代打田中でボール先行で歩かせてしまう。坂口をセカンドファールフライに打ち取るが、復調高田には強烈なライト前タイムリーを打たれる。高田はどっしりしていた。体が前に流れなければ、とても怖い打者だ。
8回表、初回に打球への反応が悪かったコルビーが、長安の強い当たりに良い反応を見せてダイビングキャッチのファインプレー。コルビーはサードとファーストで反応が違う気がする。こういうプレーがあると、愛媛の流れだ。8回裏は先頭の亨彰がサードゴロをヘッドスライディングでヒットにしてしまう(笑)。
これはアウトだろだが、無得点。
9回表、橋本直樹が続投。先頭の中本が粘ってショートゴロ。今度はライト側に恐ろしく逸れた送球エラー。イップスになると困るね。意識しないで送球できるようになるまで練習あるのみ。あ、コルビーがベースに入ろうとしてコケていたのが何かコロコロと可愛かった。大原はサードフライ、原口はライト前に詰まった当たり、ライト森下は俊足で追いついたが、地面ギリギリの捕球となりグラブからこぼれた。ここで小栗はレフトへのタイムリー。2点差で1死1、3塁。ここで一発長打のある牟礼。とても怖い。ここでブルペンで目いっぱい投げていた高原が登板。こんなに速かったかなあ、というボールを投げ込んでいた。3球目、香川は同点のランナーをスコアリングポジションにするべく仕掛けてきた。俊足小栗が盗塁。だが、横山は素早い送球でどんぴしゃのストライク送球でアウト。だが本塁打が出れば同点。高原のボールは上ずり気味であった。ネット裏は「低く、低く」とおっちゃん連中が言っている。そんな中、2−2からの五球目、高いボールが。アカンと思ったが、それは多分フォークの抜けた球、高めのボールゾーンから高め一杯に落ちてストライクというラッキー。
何はともあれ勝った。相変わらず香川相手ではすんなりと勝たない。
ヒーローインタビューは宏誓を除く(笑)河原二人。亨彰は良い動きを見せていたし、打撃も鋭かった。四ツ谷、成廣、そして亨彰と面白い競争がありそうだ。あ、成廣、この日はスコアボードだった。頑張れ。

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