実家の裏に、母方の親戚一家が住んでいる。
今朝、そこのおばちゃんが亡くなった。
「うらのおばちゃん」
僕ら家族は、そう呼んでいた。
うらのおばちゃん一家には、僕が産まれた時からいろいろお世話になってきた。
僕は、小さかった頃から無類の車好き。
うらのおっちゃんやおばちゃんは、よく配達に行く車にそんな僕を乗せてくれた。
乗せてくれなかった時は、それはそれは大泣きしたそうな。
そんな僕の様子に見かねてか、うらのおっちゃんとおばちゃんは、まだ歩くのもおぼつかない僕に本物の車(廃車ではあったが…)を買ってくれた。
家にいない時は、必ずその車かおっちゃんの配達車に乗っていたらしい。
初めて屋台のラーメンを食べさせてくれたのも、初めてオロ○ミ○Cを飲ませてくれたのも、うらのおっちゃんとおばちゃんだった。
そんなおばちゃんが、今朝亡くなった。
数年前、夏も終わりに近づいたある日、おっちゃんが亡くなった。
急性心不全だった。
亡くなる前の日、いつものように庭の水やりをするおっちゃんと普通に話していたところだったので、信じられなかった。
気丈に振舞うも、長年連れ添った最愛の相方を亡くしたおばちゃんの後姿は泣いていた。
その後、以前から病気を患っていたおばちゃんの体調は、少しずつ悪くなっていった。
最後におばちゃんに会ったのはいつだろう。
最後に話したのはいつだっただろう。
もしかしたら、おばちゃんも同じようなことを考えていて、今日の日を選んだのかもしれない。
だって、おばちゃんが亡くなった今日は、土曜日。
僕が島から帰ってきている日。
もしかしたら。。。
おばちゃん。
今まで本当にありがとう。
あっちの世界に行っても、いつものおばちゃんのままでいてください。
おっちゃんと仲良くね。
喧嘩ばっかりしたらアカンで。
あ、お袋もおっちゃんと一緒におると思うけん、相手したってな。
ああ見えて寂しがり屋やけん。
頼むで。

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