
リヤドライブ周り
今回のモデルチェンジで数少ない互換性確保部品とシマノが言っているのがカセットスプロケットです。
しかしただ品番を変えたわけではありません。実は設計を変更しています。チェーンを大幅に変更したので、当然と言えるでしょう。
今回はリヤディレーラーの改良に力を注いだようです。
ケージはそのままに(実は伸びていますが、そう見えないところがシマノですね。一つのディレーラーで全てを賄うためこのような設計にしてあります。コンパクトドライブも28Tスプロケットもコレ一つです)、キャパシティを増やしています。対応最大ギヤは28T、トータルキャパシティは33Tになっています。その秘密はスラント角。7800を含めたアルテグラなどの従来設計では3.0度だったのが、7900では3.5度に拡げてあります。ちなみにXTRなどのオフロードコンポは4.5度になっています。
28Tというローギヤに対応しているのも今は7900デュラのみです。チェーンの張り方が従来からのアウター×トップの時、リヤディレーラープーリーが垂直になるようには27Tまでのカセットスプロケットにしか適合しません。28Tを使用するときはMTBと同じく、アウター×ローにしてプラス2コマにしてあげなければなりません。
レバー比は変えていませんが、各部の設計を変更してあるので変速性能は非常に高くなっているようです。ただ個人的な見解としては、シフト的に理想的だった従来の外添い式から内蔵式に変更されたのでワイヤ的には引きが重くなっていると思います。それらを打ち消す性能の向上があると思います。インナーワイヤにはXTRと同じテフロンコートワイヤが採用されました。ロード用ディレーラーには基本的に使用してはいけませんでした。なぜなら軽量化のため通常のワイヤより良く滑るテフロンワイヤを固定するのに強度が足りないとされていたからです。このモデルからシマノに正式に認められました。取り付けトルクは5〜7Nmだったのが6〜7Nmと上がりました。注意しましょう。
ワイヤがらみでもう一つ。アウターワイヤは変更がないですが、アウターキャップが変更になりました。アルミ製です。ここを金属にすることで一層ソリッドな引きを実現しています。ちなみに従来からもシマノアルミアウターカップは存在しますが、それらとは異なる新設計のカップです。ここは素直に指定品を使いましょう。対応品には線が入っています。
そして外見上のアイコンともなっているカーボンケージ。これにも立派な役割があります。それは軽量化。当たり前と思うかも知れませんが、ディレーラーの最も動く部分であるケージ先端部が軽くなると、シフト動作の負担も減ります。チェーンが暴れた時にも収束が早くなります。
互換性を謳っているところもありますが、7900の性能を堪能するにはここをハズしてはいけない部分ですね。

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