ん? ロックレーシングってフレーム作っていましたっけ? チッポが復帰したときくらいからの記憶しかないのですが、確か彼のブランドフレームを使う使わないの問題で結局完全復帰には至らなかったような……?
そこら辺は周りの事情。バイクにはなんの罪もありません。見てみれば、かなりユニークなバイクです。

RX5Ri i
■スペック
●インテグラルシートポスト、非対称シートチューブ、プレスフィットBB

RX4Si
■スペック
●素材 アウターカーボン・1K、インナーカーボン・T800
●プレスフィットBB、非対称チューブセクション、ワイヤ内装
●重量 1000グラム

X-3Si
■スペック
●素材 アウターカーボン・3K、インナーカーボン・T800
●プレスフィットBB、非対称チューブセクション
●重量 1000グラム
http://www.bikerumor.com/2011/10/29/2012-rock-racing-road-bikes-made-in-italy-aircraft-inspired-honeycomb-frames/#more-36965
http://www.rockracing.it/index.html
最近のバイクとしては結構細身だなあというのが第一印象でした。で読み進めていくと下位機種のRX4SiとX-3Siよりも細い。
???
そして現代カーボンフレームのセオリーであるダウンチューブ&シートステーがシートチューブよりも細い……。というよりシートチューブだけがエアロ形状? 不思議なバイクだなあと思っていたら、素材に秘密がありました。ただのカーボンではなく、カーボン×ノーメックスハニカム材を使っているのですね。
言わずもがなですがハニカムとは蜂の巣を指します。転じてこのような立方体のことも指すようです。この部分には紙やアルミ、アラミドなどが使われます。ロックレーシングにはデュポンのアラミド繊維、ノーメックス(商品名、ケブラーと同じようなもんです)を用いています。
この素材は剛性の向上もさることながら、振動吸収性、消音性にも優れています。ある意味ムセウと同じような乗り味かも知れませんね。
ハニカム材を使うバイクメーカーは非常に少なく、私の記憶ではコラテックとトレックが過去に使ったことがあるくらいです。なんでも宇宙分野や航空分野から素材や技術を持ってくればいいものではありませんが、構造体としてとても優秀なので採用されないのはコストか技術の問題なのでしょう。個人的にはホイールなどに使えばかなり良いのではないかと思っています。あとはステアリングコラムやハンドル、シートピラーなどの締め付けられる部分ですね。
さらにダウンチューブにはリブが真ん中に入っています。これも効きます。自転車のカーボンではタイムがスティフ構造として、チューブの中にマイナス形状とプラス形状のリブを作る特許を持っていたはずです。国産のエヴァディオはマイナス形状をフォークブレードに使っていましたね。メリダもどこかに使っていたような……? でもそれくらいの非常に珍しいチューブです。これもわざとセンターに持ってきていないようですね。このことでピナレロのように左右の力の適正化を図っているようです。
さらに! 成形はモノコック式ではなく、各チューブをオートクレーブにて焼き、それをつなげていくいわゆるチューブtoチューブ形式を採用しています。ロックレーシングではオープンモールドと呼んでいるようです。この作り方なので、3種類ともカスタムオーダーが可能なようです。
……こうやってスペックだけ並べてみても何やら尋常ではありませんね。ま、乗ってみないと分からないのが自転車ですが(苦笑)。
しかしまあ、他のスペックが分かりません。RX4SiとX-3Siは重量が1000グラムなどちょいちょいインフォメーションがあるのですが……。ヘッドチューブもテーパーコラムっぽいのですが、これもよく分かりません。なんだか(苦笑)。走りの要であるフロントフォークにも触れていませんし。でもRX5Ri iはかなり走りそうな感じです。
X4SiとX-3Siは快適志向に振ったモデルのようです。ダウンチューブなどは他社と同じく極太ですし、トップラインのアーチシェイプも取り入れています。X4Siはさらに突っ込んでチェーンステーも曲げています。アンカーのアルミもコンフォートモデルがこのようなデザインですね。
謎が多いのは否めませんが、好事家の興味の対象になりそうなバイクです。

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