この間、お袋の病院に付き合ったときのこと、病院の先生の書いた予約の時刻が読めずに大騒ぎしてしまった。9時なのか10時なのかが読めないのである。10時に書き換えたのだろうということで、九時半ごろ行った。ひどい字を書くのはどんな先生なのだろうと署名のところも見たが、とても読めなかった。エライ人の書く字は読めないのだと納得してしまった。私の通っている病院の先生の書くカルテなんか、まるで判じ物だ。やっぱりエライせんせいである。何ヶ月かに一度来る、大学教授の字も読めない。うちの者と二人で何時間も書けて解読しなければならなかった。何のために書いた字なのだろうか。ちっとも相手に伝えようとしていないのは確かである。といっちゃあなんだが、すばらしい筆字でちょっと遊んでいる、最上一平氏の手紙、おちゃらけて、読む人を笑わせてしまうような、内田麟太郎氏のサイン、宛名、本文は本当に楽しい。後藤の竜ちゃんは力強い字で、まじめさが伝わってくる。かわいいのは長崎夏海氏の字、夏海ちゃんと呼んでしまう字である。そして、私の字、解読しなくても分かる字は書いているけど、本当にうまくならない字だ。ちょっと小泉周二に似ているのはしゃくな気がする。

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