作 佐藤まどか 絵 木村いこ 講談社
佐藤さんの書く物語はいつも、斬新な視点と切り口が用意されている。書き出しはペットを飼ったものなら、一度は通らなければならない、ペットとの別れだった。どんな思いで別れなければならないか、思い出を振り返ると、いっしょに過ごした時の喜びが、悲しさと辛さになってくる。
「またいつか、子ネコをさがしてきても――」といわれるが、卓のネコ「ポロ」の代わりはいない。
そんなときに、ロボットの脳みそを作っている仕事をしているとうさんからの提案。ポロのこころのデータを読みとって、新しく作ったネコ型ロボットの人工知能にうつすことができるという。
かあさんはロボットの体を作るデザイナー。こころを残すことがポロを救うことになるのかと考えている。
卓は両親に手を合わせて、「ポロを助けて」とお願いする。ポロといっしょに居続けられるのなら、体はロボットでもいいと頼んだ。
そして、人と会話できるタイプのポロができる。いや生まれ変わる。
物語はここから始まる。卓といっしょにポロのようなロボットが本当に幸せに生きられるのか、私たちも考えさせられる。生きることは本当に大変だということも知る。そして、なぜ「死」があるのかも考えるのだ。
ネコ型ロボットと言えばドラえもんだけど、ドラえもんをシビアに考えて、リアルな物語にすると、こうなるのかもしれない。
ついでにPR。『日本児童文学1・2月号』はロボットにも関係する「AI特集」です。
創作日誌
昨日、いとうみくさんが原稿用紙での計算で5枚と聞いたにも関わらず、2行しか書けなかった。歳の差ということにしておこう。
今日のお仕事は、通信添削の打ち込みと半日後の読み直し、そして添付。そして、自作3行かな。
後援会長が何もしていないことを詫びたら、土曜日の午前中に新年会をやることになった。ここでも宴会要員。ただ、這ってでも帰れるところがいい。堀に落ちたら、3人目のドザエモンになってしまうけど。

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