堀米薫 著 くもん出版
宮城県柴田農林高等学校の動物科学科に入った平間大貴君の物語でもあるが、牛を育てている高校生たちの「全国和牛コンテスト宮城大会」にかける意気込みや牛たちへの愛情のこもったノンフィクションだ。
小牛田農林高校の三浦舞花さんたちとも優勝を競う、各地で行われる「全国和牛コンテスト」は「和牛甲子園」かもしれない。
宮城県は東日本大震災の被災地だ。宮城大会には「高校生の部」がある。高校生が「全国和牛コンテスト」に向かって一生懸命に取り組む姿を通して、被災地の人たちに勇気と感動が届けられるようにとの願いが込められている。
平間君の高校での活動を通して、話は進む。その中で、読者はさまざまなことを知っていく。「和牛」には四種類もあること。黒毛和種が和牛の98パーセントを占めているから、和牛といえば黒毛和牛になっているのだ。
一番驚いたのは和牛には戸籍があることだった。鼻紋という人間でいえば指紋のようなものまで登録されているのだ。あとは人間と同じように、祖父母も記入されるが、和牛は曾祖父母までわかるようになっている。和牛そのものが一握りのエリートのようだ。
名前の付け方も面白かった。和牛は八文字以内と決められている。メスの女の子らしい名前というのが微笑ましかった。「りの」「ぴいちひめ」・・・やビックリネームと自由な名前付く。
オスのほうもおもしろかった。「紋次郎」「夢香殿(むこどの)」を呼ぶシーンを想像すると笑える。
平間君たちを待っているのは卒業後の進路だ。平間君は豚を育てる会社へ、舞花さんは広島県の全国農業協同組合連合会での研修に。活躍が楽しみだ。
創作日誌
昨日は珍しく、病院の無い日になった。でも、季節風の同人誌評に追われている。頭が悪いのかさぼりぐせが付いているのか、すぐ「明日」にしてしまう。まるで夏休みの宿題感覚だ。
ま、締め切り日まで頑張りましょう。
忘年会の季節が近づいてきた。いくつか予定が入っている。はめを外さないようにしないとね。
今日は、同人誌評を終わらせること。

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