高田由紀子・作 ゆうこ・絵 あかね書房
ママにまで「かわいいカッコしたら」といわれている、小4の主人公「あおば」のクラスに転校生が来る。各学年1クラスしかない、いなか町の小学校に来る転校生。ママの妹なな子さんが担任している「にじ組」に入るダウン症のお姉さんがいるという。
あおばは「にじ組」のことも、ダウン症の子のことも知らない。転校生風花一家が挨拶に来て、風花のお姉さんでダウン症の実里とも顔を合わせる。風花よりも小柄で、言葉も不自由なお姉さんの実里を、あおばは不思議に思う。
風花ちゃんとはなかよくなりたいけど、実里ちゃんとは遊ばなくてもいいかなと考え始めている。
実里ちゃんのことは、風花も大変らしい。学校に慣れるまでおばさんが送って行く。
そんなところに、素敵な場面があった。
――すでに車に乗りこんでいた実里ちゃんは、窓を開けるとニコニコして手をふった。
「バイバーイ。バイバーイ。ふうちゃん、バイバーイ」
まるでしばらくお別れするみたいに一生懸命ふりつづけるから、思わずくすっと笑ってしまう。
でも、風花ちゃんはさっと一回ふりかえしただけで、すぐに手をおろすと、ぼそっと言った。
「お姉ちゃんも歩いて行けばいいのに」――
風花ちゃんと、その姉妹の今と明日の不安を暗示させて、私たち読者にまで、きちんと成長できるのかと問いかける描写だった。でも、待っているのは明るい明日なのだ。明るい明日を見せてくれる、あおば、風花、実里に出会える、そんな思いにさせてくれた場面だ。
長い付き合いがあったけど、大人になって、小さな自転車で作業所向かう姿がまぶしくなった団地の子を思い出した。今、どうしているだろう。そんな思いにさせてくれる物語だった。ラストの喜び、そのうれしさも最高だった。
また、子どもたちを描くことは、作者自身と作者自身の生き方まで描き出すことだと思った本でもある。
木枯らしモンジャロウさま
登別温泉とは、さすがなんとか通でございますなあ。こちら鬼怒川温泉の川下り、腹下り。
創作日誌
今日は作品評を仕上げよう。プロに何言えばいいのだ。困った困った、困ったマンマだ。
明日と明後日は児文協だ。明後日の総会に行く。そうかい、なんちゃつて。
きむらゆういちさんの事務所から、11月5日の講演の打ち合わせのメールをもらった。パソコンが出てきたので、実行委員長と事務局に転送しましょう。何のことやら、日本語ではないみたいだ。
てなことで、一平さんにハガキ書いて、3000歩歩いて来ましょう。

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